表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/447

30

「待って、澄くん!!」

「いいかい、絶対だからね!!」

 澄くんの姿は暗い森の中に飲み込まれ、すぐにその姿は見えなくなってしまった。

「もう! この私がこんなところでおとなしく待ってるわけないでしょ! 澄くんったら、私のことなんもわかってないんだから」

 星は澄くんの言葉を無視して、すぐに澄くんのあとを追いかけようとした。しかし、それを魚の声が遮る。

『だめだよ。澄の言う通りだ。勝手に動いたら、もう元の場所には戻ってこれなくなるよ』

「でも魚。この先に海がいるんだよ? なのにここでじっとなんてしてられないよ!」

 星は必死だ。それに比べ魚はいつものように冷静沈着だった。

『森の中を見てみなよ。もうどこになにがあるか判断できないでしょ?』

 星は魚に言われた通りに森を見る。暗い夜の中で森は静かに沈黙している。木々の隙間から見える世界の色は黒一色で、それ以外の色は見えない。

『土地勘のある澄ならともかく、君は今僕たちが歩いているこの『道』を見失ったらおしまいだよ。海を探すどころの話じゃない。君自身が消えてしまうことになるよ。それでもいいの?』

 魚の言うことはわかる。でも……、それでも私は……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ