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 星は本をぱらぱらとめくり、澄くんの話してくれた森のことや門のこと、そして白い月のことについて調べていた。

 確かに澄くんの言っていた通りの記述が載っている箇所があった。森に入るためには門をくぐらなければいけないことなど、確かに本に書いてある。

 でも、一番星の知りたいことである白い月のことが書いていない。いや、まだそれを『読むことができない』と言ったほうがいいかもしれない。

 森にたどり着いた今でさえ、本の半分以上が空白だった。それはつまり、まだ魚が自分の力を半分以上失っているということの証拠でもある。

「この本、全然埋まらないじゃない。魚、あなた、私に嘘ついてるでしょ?」

 星がこの本に最初に目を通したとき、本は最初の数ページでその記述が途絶えていた。

 残りのページはすべて空白。しかし本は最初から空白だったわけではなく、魚によるとそれは魚が自分の力を失った結果だということだ。

 それを取り戻すことが魚の目的らしい。つまり本のページが文字や絵図ですべて埋まることだ。

 魚は星と契約を結ぶ際、本を埋めることはそれほど難しい作業ではないと星に説明していた。森を歩いていれば自然と力を取り戻せるはずだから、自分を星と一緒に森の中に連れて行ってくれればいいと話していたのだ。

『うーん、確かにちょっと予想外だね。もっと簡単に力を取り戻せるはずだったんだけど、なにか不確定な要素でも紛れ込んでいるのかな?』

 魚の言った通り、確かにここにきて本の埋まるペースが遅くなっているような気がする。

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