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『僕は反対だな』

 突然、星の頭の中に魚の声が聞こえてきた。

 星は魚がだんまりを決め込んでいるものと思い込んでいたので、びっくりしてしまい、その驚きが思わず顔の外にまで出てしまう。

「星? どうかしたの?」そんな星の様子を澄くんは不思議そうな目で見ている。

「ううん。なんでもないの」星は平然を装っているが、その間も魚は星の頭の中で喋り続けていた。

『そうやって、すぐ人を信用してしまうのは君の悪いところだね。会ったばかりの人間を簡単に信用してはだめだよ。断言してもいい。この出会いは決して良い結果には繋がらないよ』

 ちょっと黙ってて、と声に出して言ってやりたかったが、澄くんの前ではそれもできない。星は魚の声を黙殺する。

「さあ、澄くん。行きましょう! まずはこの道をまっすぐ進んでいけばいいの?」そう言って星は澄くんの腕をとって(わざとらしく大げさに)歩き出す。

「え? う、うん。そうだけど、突然どうしたの?」澄は星に強引に引きずられるようにして森の中の道を奥へ奥へと歩いて行った。

 二人は森の深いところに海の姿を追い求めて移動していくことになった。

『……僕は忠告したからね。だからこれは君の責任だ。この先どうなっても僕はもう知らないよ』

 そんな不吉な言葉を残して、魚は再び深い闇の中に静かに沈んでいった。

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