1 出会い
ピリリリ………ピリリリ………
カチっ。
午前7時、布団にくるまってる茜は
アラームを止める
彼は昨日から作曲をし始め眠りについたのは
夜中の5時頃。
目元は酷く隈ができており
まだ起きたくない精神が勝っている
「 はぁ、もう朝か、 」
学校なんて物は嫌だねぇ、第一教わる事なんて
何もないっていうのに土日を覗いては
毎日朝から夕方まで拘束される、
不条理な事。
ドンドンドン!!
ドアを叩く音だ。
「 あんたいつまで寝てるの起きない!学校間に合わないわよ!」
うるさい。とてもうるさい。騒音だ
僕にとってはモンスターといっても過言ではない
その人の事を母親という。
はぁ。。。
溜め息を吐いても仕方がない
今はこういう世の中なんだ
そう心に茜は言い聞かして朝の準備をする。
「あんた今日が高校生初日なんだからしっかりしなさいよ!」
それくらい分かってるって
朝ご飯を食べながら茜は言う
「 へいへい 」
そう、今日は高校生初日
合格発表が封筒でおくられてきてから
早1ヶ月。
初めは驚いた、普通の学校ではなくそこは
芸能学校だったらしい
母親が勝手に決めた事だから僕は何も知らなくて当然か。
でも合格と書いた紙ともう一枚入っていた
“青春”と描かれていた紙の意味は未だに解らなかった。
「そういや、あれ何だったんだろうな…」
まあどーでもいいけど。
朝ご飯を食べ終え学校に通勤する。
学校から家までは大体20分位で
バスを乗ってそこからは徒歩で通勤する、
茜には音楽をやり始めてから
人を音や音色で見えてしまっていることから
”あまり外には出たくない“
それは色々な音や音色が複雑に茜に直接聞こえてくるということ、これは天才音楽家の悩みの種でもある。
だからバスの中でもイヤホンをつけ音楽をききながら気持ちを落ち着かしている
バスは心地よいリズムで進んでいく
一番後ろの席に座っていた茜は目を閉じ
今にも眠りそうになっていた
バッ!
何事だという顔でイヤホンを外された僕の横に座っている人を見ると
そこには一人の女の子
髪は黒髪で肩まではある長さ位
目はくりっとしていて、
動物で例えるとリス、まさにリス
なんだか物凄くか弱そうで女の子って響きが
素晴らしい位に合っている
そんな女の子がいきなりなんだ、
なにかしたのかと不安になる中
「もう着きますよ」
彼女は僕のイヤホンを持ちながらそう言った。