2-25仲良し
おまけです。
仲良し
*ハヤトとアカネは仲直りして、一緒に暮らしています。平常を装っていても内心デレデレです。あしからず。
「あ、おはようハヤト。やっと起きたね。ご飯できてるよ」
ちょうど厚焼き玉子が出来上がったところで、ハヤトが目を覚ました。私は少し前から目が覚めて、朝食を支度していたところである。
十月の三連休。今日から始まる。二人きりで何ができるかなぁ。
寝起きのハヤトは若干ぼんやりが多い。寝ぼけ眼を起こすために顔を洗いに行ったようだ。私はその間に布団をかたずけて、代わりに出したテーブルに朝食を並べる。
と、布団にファブリーズをかけて干さないと。匂いで大変だ。ふふ。
「おはよう。アカネ。早いなぁ」
「まぁね。早起きは三文の徳だよ。さ、食べよう」
いただきまーすと。なーこも自分のご飯にありついていた。あれこの子いつ帰ってきたんだろう。そこまで気が回らなかったかなぁ。夜遅かったのに。
そして、食事を終える。
「さて、アカネどこか行きたい?」
「うーん。あんまり考えてないね。ハヤトは……ないか」
ハヤトは仕事もある分、休日は体を休めたい気持ちも結構あるみたいで、ゆっくりすることが多い。それでも私に付き合ってくれてとても優しいんだけどね。
「うん、ごめんな。これといってないわ」
「じゃー、何しよ―」
のびーっと背筋を伸ばす。あっ!思い出した!
「ハヤト!ケーキ焼いて!」
「おお、これはまた突然だな」
昔、まだ結婚する前のこと、ハヤトがケーキを焼いてくれたことがある。正直おいしかった。レシピ通り作るから失敗なんかしないらしいけど、私はお菓子作れないから当時は、女としてショックだったと思う。今でこそ、たくさん練習して料理もできるようになったけど、たまに食べるハヤトのご飯はやっぱりおいしいしね。
「よしわかった。んじゃ、材料見てみようか」
ということで、ハヤトのクッキングパパの始まり~♪
冷蔵庫を確認したところ、クリームチーズを見つける。ハヤトはそれを見て、一言。じゃあチーズケーキだな。いやぁ。すごいよ。それを思いついても作れないから考慮すらしない人たくさんいるもん。
「さて、アカネ。ある程度材料はあるんだけど、チーズケーキにはどうしても生クリームがいるんだよね。他のケーキにしてもせっかくチーズがあるからもったいないし。ね?」
「ん?あれ?もしかしてこれ」
「ごめん、ちょっと買ってきて?生クリームと、あとバターも無塩だとありがたいな」
お願いした以上、断れなかったです。そもそもハヤトはもう今日は家を出るつもりがないそうで。私は買い物に出ることになった。
外がいい天気でよかった。部屋も窓全開にして、気持ちがよかったもんね。
*アカネ買い物中
今回のチーズケーキの材料
◦クリームチーズ 200g
◦生クリーム 100g
◦薄力粉 大さじ一杯ってところかな?
◦砂糖 50g(甘めになるのでもっと少なくてもいいかも)
◦塩 少々(小さじ半分くらいかな)
◦卵 二個
◦レモン汁 少々
↓は土台
◦バター 30g
◦砂糖 30g
◦ビスケット 60g
かな?ちょいちょい大雑把に作ってしまったので、レシピが雑です。すみません。
「さて、アカネが買い物行っている間に土台の部分作っておくかな。
まずはビスケットを細かく砕いてっと。塊はない方がいいのですりこぎでガシガシ砕いてきまーす。
実はこのビスケット甘いんだよな。だからここに砂糖を加えるんだけど、ちょっとだけ減らしておこう。30じゃなくて20くらいにしとくかな。おーけー。混ぜまーす。ぐっちゃぐっちゃに手で混ぜまーす」
玄関を開けて私が買い物から戻るともうハヤトは作り始めていた。私を見てお帰りといいつつ、ナイスタイミングと親指を立てる。
「アカネ、バターを30グラムにとって、電子レンジでチンしてくれ。溶けるまで」
「了解。はいできたよ」
バターを渡すと、ビスケットを砕いたものの中にいれた。そこにはちょうど、砕いたビスケットと、砂糖と、バターが入った感じなった。
「うん。土台はこれでいいかな。アカネ、この皿を抑えといてくれ」
「この皿?耐熱皿かな」
「そうそう、ここにこの土台を押し固めるんだわ。しっかり押し固めてー。皿動かない様に抑えててな」
容器にまんべんなく、底も側面も敷き詰められた。茶色の、ビスケット色の生地からはバターと甘い匂いでそれを焼くだけでもおいしそう。
「さて、クリームチーズも常温で滑らかになってるだろうし、そっちの生地も作りますか」
「いえーい!」
「ここからは分断作業で、アカネにも手伝ってもらうぞ」
「いえーい!」
「それじゃあ、こっちのボウルに卵白だけいれてね」
「いえー……え?」
「それじゃ、よろしく」
「え?ハヤト。これってつまりさ」
「うん。メレンゲお願い」
「いやいやいや!ほんとに!?つのが立つまで!?ハンドミキサー家にないからつまり!?」
「泡だて器で手で混ぜてくれ」
やったことがある人はわかるだろう。ただ休むことなく混ぜ続けるそれはただの拷問である。
しかし、ここではハヤトにお願いした立場。私はやるしかない。ハヤトがニタニタしてて腹立つ。
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!」カシャカシャカシャカシャ……
「いいねー。その調子で頑張ってー」
「おいしくなかったら許さないからねー!!」
「それじゃ俺も作るかな。まずは常温に溶かしたクリームチーズをボウルに入れて、あ、メレンゲとは違うボウルね。あっちではアカネが頑張ってるから(笑)。
泡だて器で軽く滑らかになるまで、混ぜます。ねります。
滑らかになったところで、さっきのメレンゲの時に分けた卵黄を入れると。混ぜまーす。
混ざりました。さて、砂糖と塩を入れるんだが、塊のがあるからスプーンで砕いて入れますと。混ぜまーす。ちなみにあちらも」
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!……」
「混ぜてるみたいですね(笑)。
さて、次は生クリームを入れて、やはり混ぜて。薄力粉をふるいながら入れます。そんで混ぜます。ちゃんと一回一回混ぜながらじゃないとうまくなじまないから、サボらずに混ぜないとまずいんだよなぁ。ここでレモン汁少々っと。
これでこのボウルの中身はクリームチーズ、卵黄、砂糖、塩、生クリーム、薄力粉、レモン汁というわけだ」
ハヤトがしゃべりながらボウルを混ぜているのをひたすら手を動かしながら私は見ていた。そして、ついに!つのが立った!
立った!つのが立ったよ!
「ハヤト、できたよ……」
うん。本当に疲れました。
「ありがとうアカネ。それじゃそれ貰うな」
そう言って、私の作ったメレンゲをどばどばとハヤトのボウルに混ざる。悲しくないもん!
「メレンゲを混ぜるときは、さっきまで見たいに完全に混ざるまでじゃなくて、さっくりと、なじませるようにするのが大切。じゃないとせっかくのメレンゲのふわふわがなくなってしまう。そこから混ぜて全体に混ざったところで完成です!」
ハヤトが疲労困憊の私にお疲れといっていた。
「できたんだ。よかった。これで途中で失敗とかはやだったからね」
「大丈夫大丈夫。あとは土台ん流し込んで焼くだけだから」
先ほど作った土台にちょっと高めから流し込む。器をとんとんとして、空気を抜き、170℃のオーブンで30分焼き始めた。
「アカネ、あとは焼き上がりを待つだけだね。お疲れさま。助かったよ」
「おいしくできるといいね。ハヤトが作るんだから心配ないけど」
オーブンの周りからいい香りが漂ってくる。
「昔に作ったときは、まだアカネはいなくて一人暮らしだったからな。アカネがきたときだけ頑張って作ってたっけ」
「うん。ハヤトのおいしいお菓子を食べるために、普段我慢してカロリーとか気にしてたな」
「あー、俺が作ると甘いのができてしまうんだよ。なんでだろうな」
「体が糖分ほしかったんじゃないの?本能みたいな感じで」
「俺、アリかよ」
「働きアリかな」
「アカネが女王アリか。ねーわ(笑)」
「な!ないかもだけど、ひどい!」
「はいはい。冗談だよー。お、焼きあがったみたいだな」
チンっと音がして、二人でオーブンに駆け寄る。開ける前から良い匂いがしたが、開けた途端、甘くてちょっと焼けた良い匂いが部屋中に広がった。
ベイクドチーズケーキ。
とっても甘くておいしかったです。




