2-23アカネ
アカネ
世界で一番誰を愛しているだろうか。
それはハヤトである。間違いない。
でもすべてを許せるのかと問われれば、それはできないことであろう。
私は、キリストのようにすべてを与えるだけでは済まない。私自身も愛がほしい。
よく考えてみて、欲張りではないと思う。
私とハヤトならそれができる。なしえるんだ。
ハヤトは父になるといった。家族を守る強い父親に。なら私もなるべきだろう。
すべてを許せる母に。
私は、扉を思いっきり開ける。さながら蹴破るように。あまりの勢いに何処かネジでもゆるんだか、グラついたかしたかも。どこの扉って、トイレです。
リビングに入るとハヤトはちょっと嫌な顔をしていた。はいはい、扉はゆっくり閉めるってね。わかってますよ、でも今はいいじゃない。
「ハヤト、見て!陽性だよ」
「ほんとか!見せてくれ」
私の手には、陽性のしるしがしっかり出た妊娠検査薬があった。
もう冬に近かった。十一月だから。それでも私たちはよく頑張ったと思う。こんなに早くに授かるなんて私も思ってなかった。一緒に病院に行ったりいろんなことを試した結果。
私は優しく抱きしめられていた。頭をなでられて「よく頑張ったね」って。
あー、まじ幸せ!!
まずは病院に行った。そこできちんとした検査をしてもらう。そこでもちゃんとおめでとうございますって言ってもらえた。
今日、私たちは夫婦から家族になった。
今のこの幸せが、永遠になりますように。




