2-14六月といえば
六月といえば
私にとって、六月といえば何だろう。
昔は紫陽花のイメージだったなぁ。だって、よく咲いていた。
花言葉的なことは関係ないよ?だって紫陽花の花言葉はあまり好きじゃない。
そうそう、この家の庭にも紫陽花が咲くんだ。ハヤトはいつも大きな木々のほうに目が行くらしいけどね。
そう、六月になりました。
「ハヤトと部屋で何もすることがないとは、なんだか久々じゃないかな」
「そうだっけ、あー、確かに結婚してからは何か生活面が出てきて、それまでとは変わった感じだったな」
相変わらずハヤトは、部屋でだらだらする時、クッションを枕にして、横になっている。
私はというと、やることがないのをチャンスに、通帳の中身を全部計算してみていた。ハヤトと私と、色々と。全部合算するとどのくらい今貯金できているのかな。
流石のなーこもこの日は部屋で伸びている。
最近はよく外にいなくなっていることが多かったけどね。
「おやおや?ハヤトくーん?お給料上がりましたかあ?
その言葉を待ってたといわんばかりに、起き上がって気持ち悪い笑顔を見せる。
ハヤトのにやけ顔はどこか、犯罪臭がするのはなぜだろう。
「ふふふ、そうなのだよアカネくん。私は給料が上がったのだよ」
わざわざそんな言い方しなくても……。
「それだ、こっちの通帳にさ、貯金しているんだけど見てくれない?」
私は別の銀行のものを渡す。これまでハヤトに見せてなかった奴だ。
「お、おお!こんなに溜まってたのか。でもこれ、俺の給料だけじゃないよな。こんなにあるわけない。
アカネ、お前バイト増やしてやっているだろ」
「あ、あー、わかっちゃったか」
「そりゃな。俺にはちょっと食費に回す分だけって言ってたけど、違うでしょ」
うん。違うんだ。
ハヤトにはバイトはちょっと、食費にする分だけ稼いでるって言ってた。
「そうか、アカネはアカネで頑張っているんだな。ありがとな」
「うん。いやいや、当然だよ。だって奥さんだもん」
「くっそー。俺がもっと働いてアカネに楽させなきゃいけないのになー」
もう、テーブルを挟んですぐ近く。
なんとなく、ハヤトの言葉に答えられなくなった。ちょっと、いろいろ考えちゃった。
そのあとは、ハヤトがなーこの相手をしていた。
テレビのCMで紫陽花が流れて思う。うちの紫陽花は白かった。確かそう、覚えている。
「さぁ、ハヤト!買い物に行くよ。スーパー行かなくちゃ」
「よーし行こう……」
なーこを抱えたまま、クッションに顔を埋めて答えた。まったく、ハヤトは変わらないなぁ。
ハヤトの頭をくしゃっと撫でて、私はハヤトを待った。
次回更新は明日19:00




