2-9休日
休日
こんにちは。ハヤトです。
五月も頭で、今年は二つに分かれてしまったゴールデンウイークが来ました。
休みだと良いですけどね。休みじゃないんですよ。今年は仕事があります。社会人万歳!労働万歳!ううぅ。いやだぁ。
俺の会社は比較的カレンダー通りの休みがもらえるのだが、今年だけはそういかなった。残念なことに、仕事が残ってしまったのである。それもこれもひとえにあいつのせいだ。
「先輩。暑いです。なんでエアコンつかないんですか」
「……、黙ってろ。俺もつらいから」
支店には俺と、シズクの二人だけいる。他はいない。当然だ本来仕事などないのだから。まだ夏前というのに、この暑さ。しかし当然、営業日じゃないのでエアコンなど……。
どれもこれもシズクのせいだとかたずけることは簡単だった。今の現状を元を辿れば、シズクが先を見越さず次々と仕事を安請け合いしてしまったためだ。
いや、ちがう。もとは俺のせいか。
今見ている仕事を目の当たりにすれば、理由はわかる。
どれもこれももともとは俺がやるべき仕事だった。
今年は、アカネのためといいつつ、俺は、むやみやたらに仕事を休んでいた。わかっている。その分仕事を誰かがまかわなければいけない。
俺の仕事を肩代わりしてくれていたのは、俺が指導すべき俺の後輩である、社会人間もないシズクだった。
「先輩、手が止まってますよ?オーバーヒートですか?」
なんちゃってと。すぐ隣のシズクがちゃちゃを飛ばす。
さっさと終わらせよう。そして、何かおごってやってそれでチャラだ。
「よし、俺はここからエンジンかけるぞ。さっさと終わらして飲みに行くか。おごってやる」
「行きます」
一言だけで、シズクはもう集中している。現金な奴だな。
さっきから俺も額から汗がおちて、少しだけ書類にかかってしまっていた。天井の照明が熱いからだ。意を決して一気に取り掛かる。
俺は仕事をしているが、今アカネが何をしているか。それを説明しておきたい。
俺が今日仕事になることは事前にわかっていたので、アカネは旅行に行かせることにした。もちろん一人ではない。アカネの両親と一緒にだ。いろいろ行かせるのには苦労した。結局はお義父さんの湯治だということで納得させた。
俺のせいでせっかくの休みを潰させるわけにはいかないからな。申し訳ない。
「先輩、これどうぞ」
シズクが紙コップに麦茶を注いで出しくれた。そうか、あっちは終わったのか。俺もあと少し。
集中していると、時間も暑さも忘れる。日はもう沈んでいる。なるほど、少しは涼しくなるはずだ。出されたお茶を一気飲みし、残りを一気に仕上げる。
「それじゃあ、先輩行きますか」
「ああ、いつもの所でいいか?」
「いいですよー。なんでも飲むので」
支店の鍵を閉め、いつもの居酒屋に向かう。
もうすっかり夜になっている。日が落ちるとまだ寒いか。
手に持った上着を着て、いつもの居酒屋に向かう。さてさて、晩飯も一緒に済ませるかな。
「先輩の仕事のせいでこうなったんで、いっぱい飲みますよ。もちろんいいですよね」
「……、わかっているさ」
ああ、いつもの店ってカード使えたかな。
元気いっぱいシズクに引っ張られて俺は町に飲み込まれていく。
次回更新は19:00です。




