2-4やりやがった
やりやがった
「なぜだ。なぜやってしまったんだ」
ちょっと目を離した。
寒そうに毛布に包まるアカネを置いて一人でお出かけだ。
寒かったんだな。
凍えそうだったんだな。
俺が帰ってくるまでにこたつを出してくるほどだったんだな。
「おい!!何こたつ出してんだよ。もう4月だよ。先月までにはもう片付けたのに何出してんのよ」
「……」
「寝てやがる」
なーこを抱えて、こたつから頭だけ出して、ご丁寧に枕持ってきて。
アカネ。俺は泣けてくるよ。
今日は少し寒い。今日は土曜日で昨日はつかれていたアカネが遅く目を覚ました。それまでに朝食と洗濯物を一人で終えていた。
どんより雲で渇きは悪いかなって思っていた今日だ。なーこのエサがないのに気が付いて、買いに行く。
久しぶりに一人の朝を満喫しようとしたハヤトだ。
もう少し今朝のことを思い出してみようと思う。だいたい8時くらいかな。
ベッドにうつぶせになったアカネを見た。寒そうにしていたから毛布を掛けなおそうと思ったけど、抱き付いて離さないようだったからあきらめていた。
玄関に向かう。そういえば最近靴かってないな。革靴もすり減ったから買いたいなって思う。
スニーカーを出してそれに足を通す。靴ベラを使ってきちんと入れよう。それが靴の寿命を延ばすんだ。
ちょっと寒いと思ってジャケットの上に簡単なコートを羽織った。
外は肌寒いのかもしれない。コートがなかったらそう思ったかもしれない。階段を下りながら外の風景を見た。吹きっさらしの外階段だからね。
「4月の陽気は少し離れていくってテレビで言ってたもんな」
そうして俺はなーこのエサだけ買いに出かけた。
帰ってきてこのざまだ。
もともとリビングのテーブルはこたつを付けたままだ。コードを引っ張り出して布団と掛ければすぐだが、やらんだろう!普通。もう4月だし。
俺はこたつが嫌いではない。好きだ。
だからこそ、自制心をもって片づけた。
今俺の前にこたつにのめりこむアカネがいる。こたつむり、というやつだ。
「アカネ、起きてくれ。ほらアカネ」
エコバックにエサを入れたままキッチンの床において、アカネを揺さぶる。
「ん、……うおぉ。寝すぎた。おはようハヤト」
「こんにちは!アカネ!もう昼前だよ」
なーこがいない。アカネの寝返りに巻き込まれない様に逃げたかな。
次回更新
明日19:00




