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こんな夢を観た

こんな夢を観た「火を噴く大怪獣登場!」

作者: 夢野彼方
掲載日:2014/06/19

 ホテルの1室で目が醒める。枕もとの時計を見ると、10時を少し回ったところだった。

 カーテンの隙間からはまぶしい光が漏れている。今日もいい天気のようだ。


 いきなり、ズシンッという強い振動を感じた。やや間を置いて、部屋がゆら~と揺れる。

「地震っ?!」わたしは慌ててベッドから飛び下りる。するとまた、激しい地鳴りが響く。そしてぐらぐらと揺れるホテル。

 まるで、巨大な杭打ち機で地面でもつついているかのようだ。


 窓まで行き、カーテンを開けて外の様子を見てみる。ビルの密集する大都会が広がっている。

 数百メートルほど先で、何と、大怪獣が暴れていた!


 カボチャそっくりの頭、四方にパックリと開いた、大きな赤い口。そこから定期的にマグマの塊を吐き出しているのだ。

 マグマは家ほどの大きさもあり、周辺の建物はひとたまりもなく崩落してしまう。悪夢のような怖ろしい光景だった。

「大変だ、早くニュースを見なくちゃっ」わたしはテレビを付けた。NHK、日テレ、TBS、朝日、どのチャンネルもライブ中継で報道をしている。東京テレビだけは、いつも通りにアニメを放映してた。


 各テレビ局は、それぞれ別のアングルで映像を流し続ける。おかげで、どこがどれだけの被害を受けているかなど、状況が把握しやすい。

「自衛隊はまだ来ないのかなあ。このままだと、辺りは廃墟になっちゃうよ……」わたしは心配で居ても立ってもいられなかった。案外、世界の終わりというものは、こんなふうに始まるのかもしれない、そう考えたりもした。


 大怪獣はその場を動かず、ただ周囲にマグマを飛ばしていた。吐く時に、ドシューンッという衝撃音がし、建物を破壊するたびに、地響きと振動が起こる。

 怪獣を中心として、ドーナツ状に炎が上がっていた。その炎も、次第に外側へと広がっているように見える。

「この際、ウルトラマンでもいいから来てっ!」わたしは祈るような気持ちで声に出した。あんな怪獣がいるのだから、ウルトラマンだってきっと存在するに違いない。


 怪獣のはるか頭上で、何か銀色のものが光った。

 まさか、本当にウルトラマンが?!


 雲ひとつない青空の中、日の光を受けて輝きながら、それはどんどん大きくなっていく。どうやら、怪獣めがけて落ちてくるようだった。

「あれは、まさか……」初め、空飛ぶ円盤かと思った。雑誌で見たUFOの写真そっくりだ。けれど、地上に近づくにつれ、次第に形がはっきりとしてくる。「やっぱり、そうだ。あれは、コントでお馴染みの金ダライだっ!」

 金ダライは、ゴオオオ~ンっと派手な音を立てて、怪獣の頭を直撃した。「グウェッ!」と叫んで、そのまま押し潰されてしまう。


 各局のレポーターたちは、ポカンと口を開けたまま言葉を失った。

「平和が戻ってきた……?」あまりに突然のことで、頭のなかの整理が追いつかず、どこまでが現実なのかわからなくなってきた。

 テレビでは、NHKが慌てたように続報を伝え始める。

「た、ただ今入った情報によりますと、都心に出没した未知の巨大生物の頭上に、これまた巨大なタライが落下し、これによってこの巨大生物は絶命した模様です。繰り返し、お伝えします――」


 例のチャンネルに換えてみると、アニメの画面の上の方に、申しわけ程度にテロップが流れていた。

〈東京に「四面怪獣・フォーフェイスが現れ、金ダライでノックアウトされる……〉


 何もかも、平常運転。明日も晴れるといいな。 

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