表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創作が楽しくなる言葉遊び集―しりとり・あいうえお作文・パングラム―  作者: マリアンナイト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/15

11話 渡せなかったチョコは最初から見ていた


 片思いの人がいる。


「チョコ、渡せた?」


 冬の風が、強く吹き抜けていった。


「ううん、渡せなかった」


 友人は、俯いてチョコを握りしめている。


「泣いた?」


 誰もいない校庭を冷たい風が流れていく。


「泣いてなんかない!」


 声は震え、唇をかみしめていた。


「嘘だね」


 風が強く吹き、髪が乱れる。


「なんでわかるのよ」


 風がおさまり、静けさが声を鮮明にする。


「分かるもん」 


 夕日がゆっくりと傾き、二人を赤く染めていく。


「見てたから」


「いつから?」


「最初から」


 冷たい風が、二人の頬を赤らめた。


「「なんで」」


 二人の声だけが重なる。


「なんで好きなんだよ」 


「あんたに言う必要ある?」


「あるから、ここにいる」


 遠くで部活の笛の音が聞こえた。


「なんで」


「言わない」


 帰宅途中の生徒の笑い声が、遠くから聞こえた。


「お前は何で、好きなんだよ」


「誰だって、アイドルみたいな人、ふつう好きになるでしょ」


「それって、本当に好きなの」


「……うるさいな!

 分からないのよ!

 分からなかったから渡せなかったんでしょ!」


 冷たくなった手を、ぐっと握りしめた。


「そうなんだ」


「それで、何で最初から見てたの?」


「なんでだろうね」


 チョコの箱が、ぐしゃりとつぶれる音がする。


 夕日は影を溶かしていった。


 ささやかな会話劇です。

 解釈はご自由にどうぞ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ