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秋の夜話  作者: ふりまじん
前略剛様

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7/18

始まり


剛。あんたの事を考えると、あんたの面白い話ではなくて、私のガサツで悪い話を思い出してしまう。

あんたは私を嫌いではないけど面倒臭いとも思っていたよね?

まあ、あんたも、空気読めない人間だったけれど。だから、よく、言い合いになったりしたよね?


でも、やっぱり、私が言った、『あんたは思いやりが無いから本当の友達がいない。新居にも呼ばれない。』ってコメントは言い過ぎだったと思っている。

だから、いつか、あんたのいいところをみんなに認めてもらえないかって考えていた。

小説とかになったら、人気になるんじゃ無いかって思っていたよ。

悪さと言っても、あんたのは小5程度の子供っぽいものだったし、性格は良かったもの。


だから、フリマ文学とかいうワードをあんたのスマホで見つけた時は少しトキメいたんだ。

昔、ブログを書いたことがあって、少し、人気だったんだ。

だから、ちょっと、自信があった。


まさか、こんなになるなんて思わなかったわ。


本当は2025年で終わりたかったよ。でも、未完ばかりが増えて、でも、読まれてるんだよ。

一緒にサイトに登録して、ファミレスで使えるようになった時はワクワクしたね。

でも、ほとんど読まれなかったね。

私は一週間でもう、退会したくなったんだ。

だって、誰も読んでくれないし、なんだか、凄い感じの作品ばかりで場違いな感じがしたんだ。


でも、書いてきたのは、あんたが金も無いし、貯める気もないくせに名古屋に行きたいって言い続けたからだと思う。もう、ネットの笑い物にでもなってくれって、そう思った。

とはいえ、私も最近のインターネットは良くわからなくて炎上とかしたら怖いなって思った。

ネットで世界の人が知らない言葉で文句を言っても平気だったけれど、近所の人にはバレたくなかったもんね。

ああ、夢を見たね。みんなで。


本当に今は思う。こういうサイトの登録は1人でこっそりとするものだって。


でも、小説を書くんだよ?うまく行ったら、書籍化作家なんて言われたら、なんだか凄く素敵で、いいことだって思うじゃない。

私たちは、みんなで決めたクループ名を使って登録したよね。

私は、あんたも心配だったけれど、野心もあったんだ。

私の住む町の小さな物語を書いて、『赤毛のアン』や『ピーターラビット』のように地元が人気になって観光客が少し増えないかなって、そんなことを考えたんだ。

そして、書籍化したら、図書館に自分の本を寄付しようとか思ってた。

あの、図書館の前の掲示板に、私たちの名前と、そして、あんたの愉快な本の題名が燦然と輝く、そんな未来が、ノストラダムスの再現ドラマのように浮かんだよ。


まあ、あとで、書籍化しても、仕事を辞めるなとか、個人情報は死守しろとかネットで見てビビったけれど。まあ、身バレも、バズりもぜずに生きてるよ。今でも。


まあ、書籍化なんてのは、大きな途方もなくてどうでもいい夢だった。

私はファミレスであんたや皆んなに偉そうに講釈したわ。


書籍化なんてのはきっと無理だと思う。でも、剛の話は絶対にウケる。1000円は高いかもしれないけれど、100円なら買ってくれるかもしれない。


強気だった。ああ、強気でいられたよ。だって、私はフリマで100円で不用品を沢山売り捌いてきたんだもん。その後、そんな便利な機能がないって知って目の前が真っ白になったもんね。


それから、皆んなは物語を書いてはくれなくて、アンタも面倒くさそうで、私がサイトを引き取って1人で書き始めたんだわ。ああ、そうね。あの時、アンタだけでも、何か話を考えてくれていたら、私だって、ノストラダムスなんて書かなかったと思う。

人気も、ブックマークもなくても、ひっそりと底辺で完結して終わっていたと思う。


まあ、それはともかく、小説を収益化できるサイト、増えたんだよ。

だから、やっぱり、アンタの物語を書いて行こうと思うんだ。

だって、私が奢った分は、倍にして返してくれるって言ってたもんね?


そんなこと、絶対に無理だって、私、そう思っていたんだ。



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