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思いの丈

いじめられる理由

作者: 月岡 結

とある考え方に対して、否定的な言葉を使っていますが、その言葉を貶す意図は一切ありませんし、特定の誰かに対して否定的な考えを持っているわけでもありません。

また、いじめを容認したいわけでも断固としてありません。


ただ、あの頃身の回りにあった言葉では納得できなかった「いじめ」に対する考え方に、数年の時を経て、ようやく自分の中でまとまりがついたから。ここに書き記させて頂きます。

卑屈な私の、ひねくれまくって、世の中の正論を否定するような考えです。

何万人もの人を敵に回すかもしれないけれど。悩んで、後ろを向いて立ち止まるしかできなくなった、ただ一人のあなたに届きますように。


いじめられる側は、いじめられる理由を持ち合わせていないのでしょうか。


いじめについて語るとき、いじめられている人間に寄り添う言葉を発するとき、決まって選ばれる『君は悪くないよ』という言葉が私は嫌いでした。


丁度、私が学生の頃。「いじめ」という言葉が全国的に話題になり、テレビで特集が組まれたり、本が出版されたりしました。


「君は悪くないよ」


まっすぐ語りかける芸能人のその目が、力強い帯の文字が。

私は大嫌いでした。


幸せなくせに、私にはない「何か」を持ってるくせに。

綺麗ごと言ってんじゃねぇよ。と思いました。


私の自我が何かの手違いで分裂して、一つが目の前のあの子に入ったのなら。

乗り移った私は、絶対に目の前の私のことをいじめます。


だって、気持ち悪いから、くさいから、頭悪いから、ブスだから、ちゃんと話せないから、空気読めないから、面白くないから、何もないから。


同じ空間にいるだけで不愉快だから。



だから、「君は悪くないよ」と言う言葉が嫌いでした。

だって、私に理由があるのは私が一番わかっているから。


だけど、前を向いた今の私から、あなたに聞きたい。


「いじめは、人間の権利ですか」


どれだけ自分がいらない人間だと思っていても。

絶対にそれは違うって答えられると、信じたい。


相手が、どれだけ自分の比じゃない程の友達を持っていたって、どれだけ頭が良くたって。

相手が、どれだけフォロワーを持ってたって、どれだけかわいそうな家庭環境にいたって。

相手が、どれだけ仕事が早くたって、どれだけ責任あるポジションに居たって。


貴方に対して、「あなたが必要ない」って、言葉で、行動で示す必要も、それを容認する理由も、絶対にない。どんな綺麗ごとを並べたって、言い訳でしかない。


こんなの、いじめなんて大層なものじゃない?だって私が悪いから?

呼び方の問題じゃない。

貴方が生きてきたこと、頑張ってきたこと、考えてきたこと、「あなた」という存在自身を。

暴力的に、ただ一方的に否定する行為は、誰であろうと許されない。


「いじめをする人間が悪い」それだけは、紛うことなき事実なのだ。


だけど、悲しいかな、人間は立場の強さに逆らえない生き物です。「空気」を作りだして、少数派を排除しようと動く人間です。そして、コインに裏表のように、対局の考え方を持つ人間同士が同じ空間で共生していかなくてはならないのです。


人が人として関わり続ける限り「いじめ」は、常に可能性として付きまとうのです。


じゃあ、なんで人は生きるのでしょうか。関わり合うのでしょうか。

人が、人と関わらなければ、いじめだって、マイノリティを否定されることだってないのに。


そもそも、この社会のお荷物でしかない私が、生きる理由って一体何なのだろうか。


そこに理由なんてありません。

ただ、人間として生まれたから。人間として生き続けるしかないのです。


絶望的な話ですよね。


今、死ねない理由が家族なら。

今、死ねない理由が友達なら。

今、死ねない理由がペットなら。


何も考えたくない。ただ、このまま家を飛び出して、走って。

走って、遠くで死にたい。いや、死ぬべきだ。


だけど、私は生きている。

今なら言える


「ここまで生きた責任があるから」


私があいつらに対して「苦しんで死ね」と思うよりも強く、私に対して「呪われて死ね」と思う人たちがいる。絶対に。


それも抱えて生きていくしかない。


否定されて生きて来た人間は、否定される苦しさも、それを理解してもらえない苦しさも知っているはずだ。

「相手を肯定してあげよう、優しくなろう」なんて思わなくていい。

絶対に無理だから。出来なくて苦しむだけだから。


だから、1つだけ生きるルールを決めよう。

絶対に曲げないルールを。


私は、「弱さを忘れない人間でいること」。


誰かを傷つけるかもしれない可能性をはらんでいても、私は私の思う正義を発信し続ける。自然に抱く「嬉しい」「楽しい」の感情を大切に。

好きにまっすぐに、誰かと比べるんじゃなくて、自分で自分を肯定できるような話を書く。

それを、絶対に曲げない。誰になんと言われようと、続ける。

後はちゃんと生きる。自分で稼いで、自分で食べて。

当たり前のことだけど、ちゃんと生きる。


それが私の生きる理由だ。


死ななきゃいけない理由も、全部を辞めなきゃいけない理由も、生きる理由と向き合うのから逃げるための言い訳でしかない。


もう逃げない。絶対。


お付き合い下さりありがとうございます。

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