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4 爾後

「床下点検口がひとつもないのが気になっていたんだ。まさか井戸を放置したまま家を建てていたとは……」


 翌日、リビングの床を剥がした後、その下から現れた古井戸を眺めながら、老大工が呟いた。


 古井戸は大昔に掘られたものだろうということだった。かなりの深さで、水質検査をしたところ、飲用も可ということだった。


「長く放置された井戸は本来もっと汚れているものなんだが、こんなに清浄とはな……この古井戸は埋めない方がいいだろう。しっかりお祀りして、利用する方がいい」


 老大工の勧めに従い、私は古井戸を利用することにした。神事を執り行い、ポンプを庭に設置するなどした後、床下点検口を設け、リビングの床を元に戻した。


 不動産屋によると、今回の井戸再利用の費用は、全て建売業者が負担してくれるということだった。


 新たに設置した庭先の蛇口をひねってみた。ひんやりとした綺麗な水が勢いよく流れ出た。


 手ですくい、ひとくち飲んだ。全身に染み渡るような不思議な美味しさを感じた。妻も息子も喜んでいた。


 これ以降、あの「水滴の夢」は見ていない。

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