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幻の館~たった5日の物語~第5話「ループをする者」

この話は第5話です。まだ前の話を読んでいない方は先にお読みください。

前の話の終わりとこの話の始めは続けて読むことをおすすめします。

もしかしたら関西弁が入っているかもしれません。ご指摘いただけると幸いです。

by霧崎刀

3週目 1日目

藤井「最後に…当旅館は夜9時30分~朝6時までは旅館内の出歩き禁止となっております。」俺の意識が戻ると、隣には千夜がいた。

千夜「分かりました。」

藤井「それでは…」そう言って藤井さんは去っていった。

千夜「夢都。あの後どうなったんだ?俺が死んだ後。」

夢都「あの後は…2階見て…中央ホール開けて…少し探索したとこ。」

千夜「つまりはそんなに重要な情報はないと。」

夢都「まあ一つだけ、2階の中央ホール開けて進むと、箱があって、横にメモが落ちてて、そのメモに、本郷…なんちゃらさんって書いてたぐらいかな。」

千夜「本郷ね…どっかで聞いたことあるな…まあとりあえず部屋に入ろう。」

夢都「ああ。」そうして俺らは部屋に入った。俺はどうしてもあのメモの内容が思い出せなくって、悩んでいると、千夜が、

「なあ夢都。」

夢都「なんだ?千夜。」

千夜「その名前って、本郷舞夜だったりしないか?」この時俺はそういえばそんな名前だったと思いだした。その時、鐘の音が鳴った。

夢都「千夜!隠れろ!」俺はとっさにそう言い、千夜を窓の外に出し、鍵で閉めた。これでぜったい千夜は助かる。そう思い、俺はクローゼットに隠れた。それからしばらくの間、ずっと鐘の音はなり続けた。もう無駄かと思ったその時、鐘の音が止まった。そうして二人とも出てくると、二人とも安心した。

千夜「まじで死んだかと思った!」

夢都「よかった…じゃあカギと箱取りに行くぞ!今はまだ11時半だから取りに行ける!」そうして俺らは黄色の鍵を回収し、2階へ上がった。

千夜「ここか…2階は…」

夢都「じゃあ中央ホール開けるよ?」そう言って中央ホールを開け、奥にある箱を回収して、部屋まで戻った。

千夜「4桁のパスワードか。もしかしてこれか?そして千夜が入力したが、開かなかった。」

夢都「なんて打ったんだ?」

千夜「0304。本郷先生の誕生日だ。」

夢都「なんで誕生日なんか知ってるんだ?」

千夜「おい覚えてないか?3年の担当の先生いただろ。本郷先生。」

夢都「居たわ!女の人っぽいけどただのかわいい男の教師だった先生だ!」

千夜「ひどい覚え方してるな。まあそれはさておき、なんで本郷先生のメモがここにあるんだ?」

夢都「それはわかんないな。そういえば縁也の誕生日も試しとくか。1224。嘘だ…空いたんだけど…」

千夜「空いた⁉まさか本当に誕生日だとは…」そして俺が開けると、緑のタグが付いた鍵が出てきた。タグには、「2階作業員室、2階作業員室2、2階会議室」と書いてあった。中には、メモが入っており、こんなことが書いてあった。

メモの内容

yに入る数字がダイヤルの答え。

42=(-8京538兆7388億1207万5974)の3乗+(8京435兆7581億4581万7515)の3乗+xの3乗

y=x-1京2602兆1232億9733万4407

ヒント 適当に考えた数字

あまりにもわかるわけがなさ過ぎたが、まあなんかどうやらたまたま1224だったようだ。まあそんなことは置いといて、とりあえず解放されたどこかに行ってみることにしよう。とりあえず2人の相談で2階の作業員室に向かうことにした。無事着くと中でだれか倒れているようだった。すぐ入ると、そこには、無残に転がる遺体があった。ただ一人、壁にもたれかかって息をしている人を見つけ、話しかけた。

夢都「今喋れるか?」

生きていた人「(首を横に振る)」

夢都「白い仮面をかぶった人?鬼?かどうかわからないけど、見たか?」

生きていた人「(首を縦に振る)」

千夜「その時鐘の音はしたか?」

生きていた人「(首を横に振る)」

千夜「そうか。ひとまずカウンターまで運ぶぞ?」

生きていた人「(首を縦に振る)」そうしてカウンターまで運ぶと、藤井さんが、

藤井「皆さんも手伝っていただけますか?1階の食堂前の廊下の左のほうにあるんです。」そうしてその人を運び、藤井さんは赤色のタグが付いた鍵を使い、1階救急室と書かれた扉を開け、そこに寝かせ、救急車を呼んだ。そして俺らは紙とペンで筆談することにした。

([]は筆談の文字を表しています。)

千夜「お名前は?」

生きていた人[本郷舞夜]

千夜「本郷先生⁉本当ですか?覚えていますか?あなたが教師を辞めてしまった年の生徒の南千夜と」

夢都「春道夢都です。久しぶりです。本郷先生。」

本郷[そうか。元気だったな。千夜。夢都。お前らはヤンチャだったな。]

千夜「そうでしたっけ?で聞きたいことがあるんですが、あなたはここで雇われているのですか?」

本郷[そうだ。]

夢都「先生。信じなくてもいいです。もしこの世界がループしているとしたらどうしますか?」

千夜「(小声)なんでそんなことを聞くんだよ!」

本郷[ループしているって…お前らもか?]

千夜「お前らもってことは先生もループしているんですか?」

本郷[まだそこまでループはしていないが、今は3週目ぐらいだな。]

夢都「僕らと同じタイミングでループしてるんですね。」

本郷[だいたい1日目のどこかで襲撃されたのだが、今回は初めて生き残ったな。]

夢都「そうなんですね。話してくれてありがとうございました。もう僕らもいかないといけないので。また。本郷先生。」そう言って出ようとすると本郷先生はコクリとうなずいた。

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