惜しい
【人物紹介】
直人 なおと。19歳。大学1年。根が真面目。初デートは焼肉でテンパる。キスLV.1 天然の甘え上手
聡志 さとし。52歳。係長。美人局の経験あり。ガラケー打ち。頬にキスで満足。ハラスメントを恐れる。老いを感じる。義弟と出会い系で再開。解説好き。
空 あおい。33歳。聡志の義弟。アプリで再開。アプリではソラ名義。甘えたい。聡志にべったり。カールな髪。
義人 よしと。24歳。社会人2年目。現在休職中。精神疾患。
部下 ぶか。28歳。聡志の部下。アプリを紹介した。ツッコミ役。
聡志「でもさ、それくらいで家賃の足しになるの?もう少し小まめに会おうか?週3か4くらいで。それではさすがに毎日は私の方が疲れそうだ」
なおと「毎日なんて申し訳ないです。会える時に会うようにしませんか?お互いRINEやってますし。連絡取り合って」
聡志「いいね。なんか若い子とって感じがすごくするよ!じゃあ期限は、お昼休みの13時までに連絡無かったらその日は無しってことでどうかな」
なおと「はい。それでお願いします」
聡志「ほら。運ばれてきたよ。とりあえずいただこう」
いただきます。
運ばれたカレーを小皿に入れて食べ比べてもらう。
なおと「ごちそうさまでした。ひよこ豆のカレー美味しいですね。サッパリしてて」
聡志「だろ?まぁ、おじさんだからこういうのだと胃がもたれなくていいんだ」
なおと「ははは。聡志さんって思ってた以上にお若いですよ。49歳くらいに思いました」
聡志「3歳しか違わんわ!」
ごちそうさまです。
その後、街中をぶらぶらと歩き、時々、バスに乗って移動してみたり。
一緒にいるだけで幸せな聡志だった。
聡志「忘れないうちに。はい」
パパ活報酬として1万円札を手渡す。
なおと「え。さっき6000円で、と」
聡志「ごめん。ちょうどがなくて。ああ。でもコレでとっといて。お釣り要らないからね」
なおと「でも。。」
聡志「いいんだよ。気にしないで。残りの4000円はこないだの焼肉の後のキスだと思えば」
よみがえる拙いキスに耳まで赤くなる。
小指が触れる。
聡志「え?」
なおと「バスの中ですし、誰にも見えません。手を繋いでもいいですか」
聡志「ん。ああ」
手の指を絡める直人。
手の指と指を絡め恋人結びに持ち込む聡志。
なおと「えっ。それは」
聡志「いや?」
なおと「いいえ。ちょっと。驚いただけです」
聡志「良かった」
じっとりと手が熱くなるふたり。
なおと「なんだか少し前に向けた気がします」
聡志「そう?良かった」
なおと「もう少しこのまま一緒に居たい」
聡志「いいけど。なおと君は(小声で)ストレートだよね」
なおと「えっとなにがですか?」
聡志「ちょっと待ってね。。。RINE見て」
なおと 今でも充分得してます
聡志 分かった。間を取って6000円にしとこうか
聡志 ストレートとは、同性愛者ではなく異性愛者であり、なおと君は女性が好きなんだよね。無理しなくていいよ。私はこうして一緒に居られるだけで満足だからね
なおと「まだよくわからないんです。でもなんか。ご迷惑でなければ。と。おもって」
聡志「ありがとう。でも今日はこれで帰ろう。近いうちにまた会おう。なおと君と会えるのが楽しみなんだ。年甲斐もなくね。ふふふ」
先にバスを降り別れた。
自宅に戻り
聡志「くああああああああああああああああああああああああ」
ベッドに突っ伏し
聡志「惜しいことをおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ぴんぽーん
聡志「はい。はい。はい。すみません。はい。はい。はい」
隣人から注意が入った。そこそこ良いマンションに住んでいるが、隣人に聞こえる程煩かったようだ。
どうやら窓を開けていたのを忘れていたようだ。
また見てね