主治医
【人物紹介】
直人 なおと。19歳。大学1年。恋愛LV.1。根が真面目。初デートは焼肉でテンパる。キスLV.1 天然の甘えLV.3。世間知らず。話題豊富。父は元プロ野球選手、現在高校野球の監督。兄宅を出る準備中。
聡志 さとし。52歳。係長。恋愛LV.15。美人局の経験あり。ガラケー打ち。頬にキスで満足。ハラスメントを恐れる。老いを感じる。義弟と出会い系で再会。解説好き。年甲斐もなくはしゃいぐ。プライベートは思考停止しがち。普段の一人称「私」、素の一人称「俺」。直人の父を思い別れる。
空 あおい。33歳。聡志の義弟。美容師。恋愛LV.22。アプリで再開。アプリではソラ名義。甘えたい。聡志にべったり。カールな髪は写真用。普段ストレートパーマ。
義人 よしと。24歳。社会人2年目。恋愛LV.11。現在休職中。精神疾患。毎週通院。船生に押し切られるように仲良くなる。直人との散歩が楽しい。尾行LV.1。
佐伯船生 さえきふなお。20代。恋愛LV.19。依存性パーソナリティ。2週に1回通院。義人と仲良くなる。
部下 ぶか。28歳。恋愛LV.24。聡志の部下。アプリを紹介した。ツッコミ役。
佐伯船生が声を掛けてきた。義人は気づかず病院の待合室のソファーに座っていた。
義人「ビックリした!」
船生「隣に座ったからわかってだと思ってたんだよ」
義人「いや。ごめん。知らずに座ってた」
船生「そっか。なにかあった?」
義人「んー。まぁ。ね」
船生「そっか。わかった。そのことも主治医に言うんだよ。心のモヤモヤは話していいんだからね」
義人「あ。うん。気にかけてくれてありがとう」
船生「そんな。その言葉だけでもうなんか嬉しい」
テンション高めの船生とテンション少し回復しているもまだ低い義人。
しばらくすると義人が呼ばれる。
主治医「その後いかがですか?」
義人「えーっと。まだ波はありますが、先週は落ち着いてました」
主治医に先週の記録表を手渡す。
主治医「ふーん。なるほどそのようですね。ですが4日前ガタっと落ちてますね。なにかありましたか?」
義人「あっああ。えーっと」
口ごもりながら息を整え。主治医は待つ。何か言いたそうだと。
義人「えーっと、一緒に暮らしてる弟が常識外なことをしてしまいまして、あっ。でもそれは、オレのためにとやってくれてたことなんです。でも、あまりにも常識からかけ離れていたので。共倒れしては意味がないとして、家から追い出しちゃったんです。それが4日前で昨日引っ越し業者が来て追い出したと言う感じです」
主治医「それは大変お辛い出来事でしたね」
精神科の医師にありがちなパターンが2つある。1つは、患者の顔を見ずに入力や書類に書いている。2つは、患者の顔を見ながら話を聞く。どちらも優秀な医師ではあるが、患者からしてどちらでも良いとしていながらも話を真面目に聞いてくれてるかどうかで信頼度が変わることがある。
どちらも話は聞いているが、印象の問題なため顔を見ながら共感するように頷いてくれるだけで、スッキリすることもある。
医師によっては、それはカウンセラーの仕事だからと考えている者もいる。
義人は前もって、話をよく聞いてくれる医師を希望として話してあった。
主治医「それでも思ったほど落ちてないようですね。なにか別にありましたか?」
義人「はい。先々週に弟と一緒に歩いた遊歩道に行って百日紅の花を眺めに行ったんです。まだ夏なんだなと思いながら眺めてて、あの時弟は私の事を励ますつもりで散歩に出たんだなと今になって思ったんです。優しい弟なんです。オレが守ってやらなきゃいけなかったのに。なのに。追い出してしまって」
一人称が定まらない。それくらい気の波が激しくなっているようだ。
主治医「どこに住んでるかわかっているならば、たまに顔を見せにおいでと話してあげると喜ぶかもしれませんよ」
義人「そうですね。可哀相なことをしました。忙しい身なのに」
主治医「その心根の優しさが義人さんの良いところじゃないですか。気づいたことであまり深く落ち込まずに済んだのでしょう」
義人「そうかもしれません」
主治医「お薬はこれまで通りで。辛いことがあったときは、この記録表にメモってください。それは医師の私からの指示と言うより義人さんの気持ちを後から読み返したときにどうすれば対処できるかわかるかもしれません。メモは強制ではありません。書けないときは書かなくても良いですよ。書けたら書いてはどうですか。という意味です。無理せずに。いきましょう」
一礼して待合室へ。
船生「義人さん!」
支えてくれる人を失ったことに気づく義人。
病院での友人の佐伯船生との会話に癒される。
患者視点からすると共感もって話を聞いてくれるとどこか嬉しくなります。
またみてね




