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第9話 今回の活動報告!

 翌日の放課後。今日もまた、シャル達3人で下校していた。昨日の出来事を楽太が掘り返しては、愚痴を垂らしていた。

 過ぎた事をいつまで根に持つのかと、六花も楽太の脇を小突いたりする。


「楽太さんは、意外と心配性なんですね。ずっと、あの子の事を喋っていますので」


「違うって!」


「まあまあまあ!照れています!」


 べしべしと軽くだが、シャルの肩を叩いて僅かながらの抵抗をする。シャルは笑って受け流して、照れている楽太を更に弄り倒す。


「そういえばシャル、時間は良いの?この後寄る所があるって言っていたけど?」


「まあ、もうそんな時間ですか?では、楽太さんを弄るのはここまでにして、後の事は六花さんにバトンタッチで!」


「やめて頂けませんかねーと、切に願う俺なんだが人権はありますか??」


 シャルは大きく手を振って、2人とは別れて横断歩道を渡った。

 2人の姿が見えなくなった事を確認し、シャルは急いで建物の影に身を隠す。リュックからプリンセス・スーツを取り出して、その場で学校の制服から着替え始める。


 ローブを着て、深くフードを被って軽く屈伸運動をして準備が出来たら、大きく跳んで壁に張り付き、建物の屋根まで登って行く。


 今日も、わざわざプリンセス・スーツに着替えたのには訳がある。



 ////////



 とある総合病院の一室に、プリンセスは侵入していた。そこで、目の前で静かな寝息を立てている女性をジッと眺めている。ゆっくりとベッドの反対側へと歩き、その女性に寄り掛かって寝ているもう1人の人物に、優しく頭を撫でる。


「…誰?」


 プリンセスが撫でてしまったせいで起こしてしまい、顔を上げて尋ねてきた。プリンセスはその子を知っている。相手の子もプリンセスを知っている。


「ご機嫌よう、舞子ちゃん。怪盗ヒーロープリンセスです」


 舞子は、バッと腰を上げてプリンセスが居る事に驚いた。そこまで驚かなくてもと、プリンセスは内心凹んだ。


「約束、守ってくれるかしら?」


「あのお金、アンタだったんだね」


 舞子の言う"あのお金"というのは、プリンセスが匿名で寄付した手術の費用である。今日、この総合病院に立ち寄ったのも、手術を終えた舞子の母親の様子を見る為である。

 見た様子、ちゃんと手術は上手く行ったみたいだ。


「ありがとう」


「それじゃあ、私はこれで失礼しますね────お母様を大切に」


 窓を開けて勢い良く外へ飛び出して行った。


 建物の屋根を跳んでは舞い、それでいて風の様に夜の街を駆け抜けて行く。


『プリンセス様はお優しいですね』


「私は優しくはありません。悪い子です」


『と、申し上げていますが』


「黙って下さい」


 フードを外して、強制的にダ・ヴィンチとの会話を切断する。


 夜の街は少し冷える。ブロンドの髪が風に靡かれて、その美しさを醸し出している。後はリュックを回収して、学校の制服に着替えて帰宅。


 また明日からも、怪盗ヒーロープリンセスの活動を始めよう。

怪盗ヒーローメモ

シャルのお嬢様風な喋り方は、テレビを観て「お嬢様とはこういう風にあるべき」というのを学んで今の喋り方になったらしい。

因みに、政宗からは「変」と目の前で呟かれた。

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