星降る夜にやってきた猫
流星が降り注ぐ冬の寒い夜、その猫は突然私の前に現れた。
足元が淡く光っている。
靴下模様の猫の足がぼんやり照らされている。
「みゃぁあ」
一鳴きすると、私の足にすり寄ってきた。
頭を擦り付けてくる。
私は今まで猫に好かれたことがない。
こんなことってあるんだぁと、びっくり。
少ししゃがんで猫に手を近づける。
すると猫はくんくんと匂いを嗅ぎ、頭を擦り付けてくる。
恐る恐る撫でてみると、ちょっと毛が硬い。
猫って柔らかい絨毯のようにもふもふしてるイメージだったから、そうかこんななのか。
ひとしきり撫でてさせてもらうと、また一鳴き
「みゃっ」
猫の体が強く光り、瞬きをした次の瞬間には忽然と消えていた。
びっくりして、辺りをキョロキョロして探してもいない。
『ねこちゃ~ん』と辺りを呼び掛けて見るも何も反応もない。
ふと空を見上げると、東の空が少しずつ明るくなり始めた。
夜はもう終わりだ。
私は体の伸びをした。
実はさっきあったのは夢ではないか?ちょっとそう訝しがってみた。
けれど、撫でた感触は明確にある。
手をグーパー握ったり広げたりを繰り返す。ふと、袖口に猫の毛がついてるのを見つけた。
あれはやはり夢ではなかったのだ。
『ふふっ』
自然と笑みが漏れる。
あの猫は突然現れて突然消えた。
しかも光ってた。
こんなこと、友人にも家族にも話してもきっと誰も信じないだろう。
今日あったことは、私だけの特別な思い出。
また流星群の季節に会えたら、いいなぁ。
おわり。
最初は星降る鹿にしようかな?と思ったのですが、どういう展開にするか思いつかなかったので止めました。
で結局、猫が好きなので猫と1人のちょっとほっこり?する感じの話にしてみました。
それとジャンルですが、何を選んだら適切かわからなかったのでひとまず純文学を選んでみました。
もしジャンルとか適切でなかったら、すみません。
それともし感想いただけるなら、作者豆腐メンタルなのでお手柔らかにしていただけると助かります(ヽ´ω`)
最後に、読んでいただきありがとうございました。