第四話 地味子をチャラ男がプロデュース?
「さて……じゃ本題に入るか。田神、アイドルにならないか?」
元彼と同級生達も、よもや私達が仲間だと思わないだろうな……え、アイドル?
「あ、アイドル?」
私が?
「そ、アイドル」
歌って踊る
「本気?」
アイドルに?
「もちろん!なんと今、アイドルグループの募集が行われていてな」
松井くんが携帯で見せてきたのは
「えーと……『S21』3期生募集開始のお知らせ、何で『S21』?」
アイドルグループ『S21』の公式ページ。
『S21』はプロデューサー兼任する看板娘を筆頭にカワイイ女子が沢山いる大人気アイドルグループだ。
「それは……今の『S21』に田神が必要だからかな」
何それ
「もしかして松井くんって」
やっぱり
「ああ、『S21』の観客……『仲間達』だ!」
松井くん、『S21』の観客……『仲間達』だったんだ。
でもさ……
「私よりカワイイ女子、いっぱいいると思うんだけど」
何で私?
「え、何言ってるの? 田神さん十分に美人じゃん」
「ふゃ゛あ!」
え、私の聞き間違い……だよね?
「そう、その声……」
あ、あの……
「今の『S21』が求めている声なんだ!」
何で、そんなに興奮しているの?
「すまん、つい……ともかく田神が『S21』のメンバーになったら、みんなビックリするだろ!」
「た、確かに……そう、かも」
アイドルになって今よりも綺麗になったら、みんなビックリする……かも?
「じゃあ?」
昔の私なら断っていたかな。
「やる……やってやるー!」
でも彼におだてられたら本当になれる気がしてきた。
「ありがとう田神!」
彼が出してきた、その手を握る私。
「みんなを驚かせような!」
「うん!」
こうして、私は元カレと同級生達に復讐するため、アイドルを目指す事になりました!
あ、もう遅い時間だから今日は自宅に帰って休もう!
次話は書き下ろしサブキャラ視点エピソードです。