第二話 元カレの悪行に草も生えない。
「田神?」
私の名前を呼ぶのは誰?
「田神……早まるな!」
私を自殺願望者にし
「え……?」
そこにいたのは一人の男の子。
「ま、松井……くん?」
そこにいたのは私の同級生、名前は松井和樹、少し長めの金髪に高身長が特徴のイケメン。
「松井くん、何でここに?」
ニコニコと松井くんが私に微笑む。
「付き合って」
えーと……私、松井とは面識ないけど?
「外、寒いだろ……暖かい所で少し話さない?」
じゃあ何で松井は、こんな寒いのにTシャツ一枚でこんなとこいるのか……ってか私と松井って何も接点ないのに、私に絡んできて何が目的?
……ほっといてほしい。
「待ち合わせ中だから!」
けれど松井くんが
「振られたん、曽根 海人に?」
聞き捨てならない事を!
「どうして、それを?」
松井くんは目を伏せて何か考え、溜息をついた後に、ポケットから携帯を取り出す。
携帯ケース、めちゃくちゃ飾ってる!
サッサと携帯を操作した後、ほいっ、と私に携帯の画面を見せてきた。
それは
「LINE?」
「そう、学級のグループLINE」
学級のグループLINE……
「学級のグループLINE……そんなのあったんだ」
初知りなんですが。
「本当?」
でも私が知らないってことは……そういう事?
「ここ読んでみて」
何となくイヤな予感……
「ん、【速報:腐女子JK田神、振られる!】……はあ」
何これ?
「曽根はグループLINEで田神を晒し者にしてる」
何で?
「田神……真実を知りたいか?」
真実……学級のグループLINEで私が振られたことを曽根が晒してる事、それと松井くんがここに現れた理由。
知りたい!
こくん、と頷く私。
「曽根海人は浮気してた。クラスメイトの別の女子と」
う、浮気……海人が他の女子と?
「え。じゃあ私が腐女子だから別れるっていうのは……」
松井くんは目を伏せて言う。
「建前だ……田神と別れる。実際には、クラスの一軍と付き合ってるよ。寝取ってやったぜって、LINEグループで自慢してる」
真実を話す松井くんの語気が……何で怒っているの?
「寝取られたの……俺の彼女なんだ」
うん、それは怒っていいと思う!
「もう同級生全員、俺達が振られたこと、寝取られたこと知ってる。」
何かキレた!
「今から一緒に殴りに行こう!」
首を横に振る松井くん。
「俺……いいこと思いついた」
それは以外な提案だった。
次話は書き下ろしサブキャラ視点エピソードです。