課題曲の意図
強化合宿初日、最初の練習は開始数十分で中断。
急遽、私達三期生メンバー達で自主練習することになった。
「ねえ田神さん」
話しかけてきたのは谷田さん……広島のダンススクール出身で、三期生メンバー屈指のダンス技術の持ち主だ。
「どうしたの?」
この感じ……
「あの時と同じ質問になっちゃうけど……何で『禁止』を完璧にパフォーマンスできたの?」
やっぱ他の三期生メンバーも気になっているのかな。
「オーディション前から練習していたのと、その練習を確認してくれる友達がいたからかな」
懐かしいな……松井君。
「その友達について詳しく聞いても?」
うーん、どうしよ。
「ごめん、友達については言えないかな」
誤解されてスキャンダルに発展しても困るし。
「そう……でもたった一つ言えるのは、田神さんは天才だってこと」
大袈裟だな!
「違うと思うけど」
私は凡才だよ。
「田神さんが天才じゃないなら私達は何?」
何で谷田さん、怒ってるの。
「谷田さん、やめなよ」
他の三期生メンバーが谷田さんを諫めると
「おやすみ」
谷田さんは練習場を後にする。
谷田さんにつられるように何人かの三期生メンバーが練習場を去る。
それからしばらくして……
「もう遅いし、みんな寝よう」
誰が言ったか分からないけど残っていた三期生メンバー達も去って、気づけば練習場には私一人に。
「それにしても課題曲が『禁止』……もしかして」
ここで私は課題曲の意図について、ある仮定が思い浮かんだ。
「問われていたのは課題曲への姿勢?」
初心者の私に指摘されずとも『禁止』が高難易度の楽曲であることは明確……もちろん完璧にパフォーマンスすることも大事だけれど、それ以上に今の三期生に求められているのは課題に対する姿勢だとすれば
「だから練習を中断したのかな」
あの時の私は、練習にふさわしくないと判断されてしまったのか。
「次こそは!」
明日の練習が完遂出来るように、これまで以上に謙虚な姿勢で練習に臨もう。
こちら本日更新分です。
本日、あと一回どこかの時間帯に更新もしくは投稿話の再編集を予定しております。
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明日は、0時以降いずれかの時間帯、数回更新予定です。
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