第7章 それぞれの任地へ
其々の場所へ旅行後、晴れて第一高等術式学校を卒業する若者たち。
若者たちはそれぞれに仕事に就くことが許される。軍事・文武・生命・科学、4軍の部署で働く者も多い。5軍と例えられる統括軍では、決められたものしか働くことは許されない。
クラストでは入試や入社試験のような概念はない。最初の仕事は星府から配置決定される。その後、適不適を見ながら職を変えていく。別に職が変わることは悪いことではない。自身にとって幸福度が高くなるような仕事を探す、と思えば納得いただけるだろうか。
また、給与という概念は無く、その生命体が満足でき人々に奉仕することを目的としている。どの生命体がどういった仕事に就いているか、星府は全て把握している。星人の皆を保護下に置くに当たっては、星内の環境把握であり、意識体把握が最重要命題なのだ。
第一高等術式学校卒業、第1グループは、毎年5軍の中でもほとんどが管理部門に配属される。
管理部門とは、軍事、文武、生命、科学、統括の5軍10部。
特殊なガードを施した大地に聳え立つ5軍基地。
各軍の指揮官の下、星府の業務を遂行する。人間でいえば国家公務員といったところか。星人の間では人気の職務であり、高等術式学校に通う生徒の憧れの職業でもある。
エクス3人組は、有無を言わさず統括軍統括部に配属された。統括軍とは、その名のとおり全てを決定する部署であり、必要とあらば他の軍に兼務配置されることも有る。エクス達のように強靭な意識を持つ星人のみを必要とする部署であった。業務の中には秘匿事項も多い。禁止術式絡みは総て統括軍で扱う。
「あ―――――――――。来るとは思ったけど、やっぱり来たか」
「冷徹な総督と統括指揮官が居るらしいわよ」
「って、どの口がそれをいう?」
「いいじゃない。それよりさ、SPでいいオトコ、いないかしら?」
「そうねぇ、楽しみだわね」
「そのうちギア・チェンジもあるだろうし」
「楽しめるときに楽しむ。アタシ達が此処にいる所以じゃなくって?」
「あ、総督と指揮官来たわ」
ルーラとレイは軍事軍軍事部に所属した。
指揮官はおなじみ、エレノアである。普段エレノアは術式学校の先生の職務に就いているため、副指揮官が通常時は軍事部を総括している。
「あらら、またエレノア先生いないし。ミレイル副指揮官が総括するみたいだね」
「絶対軍事部だってこと忘れてるに違いない。でも、ここぞという時はすごいからな」
ラニーは生命軍生命保護部に配属が決まった。
地球でいえば、医師団というべきか。元々は軍部を目指して勉強していたが、ワムとヘイルを失い、絶望の淵に迷い込み自分を責め続けた。仲間たちの説得と、エレノアからの「失いたくない意識を失わずに済むよう生命保護を目指せ」という助言で、生命保護の勉強に切り替えた。それこそ、一からの勉強だったので、並大抵の苦労ではなかったはずだ。それでも、支えになったのは、ワムとヘイルの面影である。彼らのためにも、挫けない、そう心に誓ったラニー。生命保護部に配属決定した時は本当に喜んだ。
「ラニー、おめでとう。これからだね、二人のためにも頑張ろうね」
「セーラ、ありがとう。どちらかといえば試験研究部と一緒の仕事、多いよな。一緒に頑張ろうぜ」
セーラは文武軍試験研究部に所属した。
文武軍は地球でいえば、学校の先生だ。第一術式学校の講師も務める。セーラの部署は、科学軍術式開発部にて開発された術式を学生に講義するための試験およびを研究行うことになっている。それが終了したら講師として学校に派遣される予定だ。もっとも、禁止術式の講義だけは、統括部が秘匿事項として扱うことになっている。
マーズとデュランは科学軍術式開発部と科学軍情報収集部に配属決定。
科学軍では術式開発などを主な業務としている。その他銀河内及び銀河外状況の情報収集も受け持っている。科学的な見地から争いなどの兆候が見受けられる場合、統括部を経由して全軍に情報が入り、必要であれば軍事軍が出動するといった具合だ。
マーズは術式開発に携わりたいという夢を持っていたから、心から喜んだ。
「嬉しい!小さな頃からの憧れだったから。皆のためになる術式を考えたいな」
「お前はいいよぉ。なんで僕が情報収集部なんだ?どう見ても違うだろう?」
「いや、合ってると思うけど」
一方のデュランは、何故自分が軍部でなく科学軍の、それも情報収集部なのか納得がいかなかった。その職業を馬鹿にしていたわけではない、自分の才能はそちら向きと思えなかったのだ。
しかし、覚えているだろうか、デュランが地球で図書館に入り浸っていたことを。元々彼はそういった情報を集めるのが得手だし、好きなのである。
学校及び上層部でもデュランに関しては情報収集のプロとして銀河内外の情報収集にあたってもらいたいとの願いがあったようだ。
配置決定から、半年の研修期間が設けられる。試用期間のようなもので、適切な配置であったかの検証も含まれる。殆どの意識体は、研修期に業務を覚えるので精一杯。同期の名前を覚えるのがやっと、という状況だ。やっと覚えた同期でも、たまに業務に適さない旨の通知を受け、配置換えになっている者もいる。
9人は、いや、エクス組を除いた6人は、研修で基礎から職務に対する講義続き。疲れは毎日マックス状態。廊下で会っても声だけで笑うのがやっとである。
「ああ、ラニー。生きてる?」
「なんとか、セーラは?」
「同じよ」
「研修期もあと少しだ、頑張ろう」
「そうだね、マーズにも会ったら言ってて」
◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇
軍事部と統括部は、別棟にて研修している。
レーゼ、ヴェキ、スーニャのエクス3人は元来のサボリ魔性格が災いし、統括部教官に追い回される毎日である。それでも、本気を出した時の3人の能力は教官たちも舌を巻くほど。ギャップの大きい3人をどのように指導するか、悩める日々の教官たち。
軍事部精鋭部隊との合同教習では、3人が3人、超ド級の意識操作を連発したため軍事部から横恋慕されてしまう。
それでも、統括部ではエクス3人組を手放すわけにはいかない。
別棟内の休憩室でルーラたちが休憩していた。そこにひょっこり、スーニャ。
「元気―――――――?」
かしましいと噂が絶えない今期配属エクス、3人組の登場に周辺がざわめく。ルーラはスーニャにこっそりと告げる。
「お前ら、五月蝿すぎ!こっちまで恥ずかしいったらありゃしない」
「どーしてアンタが恥ずかしがんのよ」
「お前らと同類に思われていそうで」
「アンタ、それ以上言ったら明日はないと思いなさい」
おおおっ!っと声の響く室内。感嘆しているやら、呆れているやら、二分しているといったところか。そこにレーゼ、ヴェキ、レイが現れ騒然たるバトル勃発の様相を呈した休憩室。
そんな時、エクスの意識を沸騰させるような悪口が飛んだ。
「うるせえよ。エクスって言われていい気になってんじゃねえ」
「自称エクスっていえば誰も怖がって相手にしないからな。本性なんぞわかんねえさ」
「禁止術式もさぼってるらしいぞ?覚えられないんじゃないのか?」
「ああ、3人揃って頭悪そうだしな。成績率50%以下だったりして、はっ」
無論、成績率100%で卒業した三人の意識が暴走しかけたのは言うまでもない。
あのレーゼ、ヴェキ、スーニャとは思えない言葉が口を突く。
「そこのおっさん、軍か?統括か?」
「ICPにOK取り付けな、即禁止術式の標的にしてやるよ」
「てめえらみたいな出来損ないに何だかんだ言われる筋合いねえんだよ、このクソ野郎」
エクスたちが本気で怒ると、意識の色がどす黒く変色する。
それを見た瞬間、ルーラとレイが3人を宥めにかかった。
「怒るな、お願いだから怒らないでくれ」
怒りは収まる様子が無い。沸点をとうに超えている。
「ぶち切れた。腹の虫が収まんねぇ。この程度のおっさんならチョロい」
「失透でも被雷でもしてみなきゃわかんねぇ連中さ、お前ら被雷しろや」
「ICP待たずに発動しよーぜ。出来の悪い奴らなんぞ、この星に要らねえし」
レイがもう一度頼む。
「お前たちがそんな言葉遣いになったら、この世の終わりだよ。この星すら吹っ飛ぶだろ、お前たちの意識結合したら、な?この星は争わない星なんだ、止めよう、考えるな」
エクス3人は、先輩の方を指してふてぶてしく言い放った。
「なら、そこのおっさんよお、がん首揃えて謝罪しな」
言われた先輩たちもヒートアップしている。
「こっちは成績率90%で卒業してるんだ。お前ら見たいなバカと違うんだよ」
「先輩を立てろって、教わらなかったのか?」
「まったく、使えねえやつばっかりだ」
エクス3人の堪忍袋の緒が「プチッ」と切れた。
その時、ドアのガードが開いた。
「なんの騒ぎだ」
入ってきたのはエレノアだった。
何故か先輩方はエレノアを指揮官と認識していなかった。
術式学校の教師と思っていたようだ。
「学校の教師如きが此処に何の用だ。なんかあるならミレイル副指揮官に指示を仰げ」
「自分の教え子だから助けに来たってわけか?」
「ますます今年の新期生は使えねぇってわけだ、ピヨピヨだな」
エレノアは、傍にいたアシスタントに何か指示すると、先輩方の前に立った。
「軍部か。お前、名前は?」
「教師如きに教える名前はない」
「ほう、何期生だ」
「秘匿する」
「そうか、秘匿するか」
「俺たち何もしてませんからねぇ。そこのバカなエクスさんたちが悪いんでーす」
エクスたちは黒くなった意識が爆発する寸前だ。エレノアは、すっと黒い意識の前に手を翳し、一振りした。すると、意識の色がみるみる元に戻っていくではないか!その様子をみた先輩方も、見たことがない術式だったため、声も出せず驚いていた。
何か情報を受け取ったような仕草を見せたエレノア。と同時にミレイル副指揮官が姿を見せた。
ミレイル副指揮官が先輩方を呼ぶ。
「ビル、トマス、セバス。君達は今、現時刻をもって除隊とする」
先輩たちは戸惑いの声をあげた。もっともな話だ。
「どうしてですか?」
「残念ながら、君たちの言動は軍事部の者として相応しくなかった」
「本当のことを言っただけです」
「あのまま被雷されていてもおかしくない状況だったろう」
「まさかあいつらに禁止術式が使えるわけがない!」
「その、まさかなんだよ」
「それでも、あいつらがそれを使えたとしても、俺たちは悪くない!」
ミレイルが聞く。
「本当に悪くないのか?先ほどのエレノア先生に対する暴言をどう説明する」
「先輩を先輩とも思わない馬鹿な後輩と、それを擁護する教師如きに囲まれただけです」
「教師如きだと?今、教師如きと言ったのか?わかった。その一言で十分だ。去れ」
言い終わるか終らないかの間に、先輩たちの意識は何処かに消えた。被雷してはいないようだけれど、どこかに追いやられたのだろう。
レイとルーラは副指揮官の前に立った。
「申し訳ありません。同期が騒ぎを起こしたのに止められませんでした」
「無理もない。相手はエクスだ。凄まじい破壊力と頭脳の持ち主だからね」
「あの、副官殿。先輩方は何処に行ったのですか」
「コーサ術式を使った。今はトレスβにいる、もうこちらには戻れないだろう」
明確なルール違反を犯した場合、5軍10部の意識体はトレスβ区域に強制居住させられる。トレスαは元々術式に縁のない人たちの区域だから保護体制も確立しているが、β区域は違う。いうなれば刑務所のような区域だと聞く。
「副官殿、先輩方は本当に戻れないのですか?」
「違反を反省し心が真っ新になったとICPが認めれば別だが。通常、βに行く者は性格などに問題がある場合が多いからな。いいか、君たちも平和を重んじる心を忘れるな」
「承知しました、副官殿!」
レイとルーラは少なからずショックを受けた。
自分たちは恵まれた環境で学問を修得しある種恵まれた職に就いた。それは同時に、相応の義務を果たさなければならないことを意味する。初心を忘れず、奢らず、常に平和を重んじる。平和を護るための軍部。
二人はそれをあらためて痛感したのだった。
◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・◇
エレノアがきょろきょろと辺りを見回し、レイとルーラに声を掛ける。
「あのエクス組、何処に消えた」
「あれ?先生に怒られると思って隠れてますね」
「おい、エクス。怒らないから出てこい。出てこないと本気で怒るぞ」
3人がバツ悪そうに姿を現した。
「エレノア先生♪意識色、戻していただき有難うございまーす♪」
「星ごと飛ばされたくはないからな」
レイが聞く。
「先生、どうしてご自分が軍事指揮官だと名乗らなかったのですか?」
「面倒だ」
「学校教師で居る方が動きやすいということですか?」
「そんなところだ。ミレイルは優秀だしな。さ、持ち場に戻れ」
陰でミレイル副官がエレノアに懇願している。
「そろそろ教師の方を休んでこちらに腰を据えていただけませんか、指揮官」
「お前が居る限り大丈夫だろう。ただし、先ほどのような輩は必要ない。排斥しろ」
「無様極まりない例をお見せするなどお恥ずかしい限りです」
「今年のエクスたちは今までより強烈な個性を持っているからな、衝突も起こるだろう」
「軍部にも参加する予定ですか?」
「最悪の時はそうなる。それも、中枢を担う」
「今期の新期生は頼もしいのが揃いました」
「2名が途中で被雷したのは痛ましい事件だった。最高の人材だったのに。悔やんでも悔やみきれない」
「それにつけても、彼らが命を懸けた件、絶対に抑え込まねばなりません」
「科学部で研究が進んでいるだろう。星種の見分け、意識パターンの違いも」
「それらの飛躍を望みたいところです」
半年が過ぎた。
長く感じられた研修期間もようやく終わった。
禁止術式騒ぎを起こしたエクス3人は、散々注意を受けたものの、お咎めは無かった。その代り、またミッションを課せられる。
「またミッション?え?何?今度はマジ後方支援ですって!」
「姿見せちゃいけないの?どうしてかしら?」
「つーか、またあいつらの子守するわけー?疲れるんだけどー」
「陰ながら支える子守って裏方稼業じゃないの!アタシは表でバリバリが好きなのよ!」
言いたい放題だが、その割にミッションはきっちりこなす。
本当は仲間が大好きで大切で、最大限の努力を誓う3人娘(?)なのである。
やっと研修が終わり、ほっとしたのもつかの間のこと。
5軍全体にミッション実行命令が下った。
統括軍主導、ミッション先は、とある銀河系の惑星だという。ミッションに参加する者は、軍の上層部から命を受けるらしい。どんなミッションなのか、ワクワクする新期生9名。
久しぶりに本棟休憩室で寛ぐ9人。
「なんか、こちらを見る目が怪しくない?」
ラニーとマーズ、デュランも共感だ。
苦笑いのルーラとレイ。
どこ吹く風のエクス達。
「レーゼ、ヴェキ、スーニャ。なんかやらかしたでしょ」
「知らな―い。アタシ達、ホラ、忠実に訓練してたしー」
「お姉様方、嘘はいけません。本当のことをお話いただかないと」
「何の事かしら―――――――――――?」
すっとぼけるエクス達。仕方なく、レイから事の顛末を明かす。
「実はさ、軍事部の先輩方と反目しちゃって、禁止術式騒ぎになったんだ」
「え!いくらなんでも先輩との反目は不味くない?」
「だって―――――――――――――!あのバカども、アタシたちをコケにしたのよっ」
「先輩方の発言が不穏当だったのは確かなんだが、そのあとがな、聞いてくれよ、ラニー」
「どうしたんだ?」
「お姉様方の意識色、どうなったと思う?どす黒くなったんだぜ」
一同、真っ青になった。
マーズが恐る恐る聞く。
「まさか、行動起こさなかったのよね、ヴェキ」
「アラ、やーね。術式使ってないからアンタがまだ生きてるんじゃない」
「ああ、星は救われた」
レーゼがヴェキの言葉を引き継ぐ。
「ホントはアタシ達、本気だったの。アタシ達だけならまだしも、後輩を後輩とも思わないような不遜な輩、エレノアまで馬鹿にするような意識内花盛りの能無しは要らないから」
「エレノア先生?なぜ軍部にいたの?」
「あのオババ、軍事指揮官だも―――――――――――ん」
「え――――――っ!そうなの?知らなかった!」
レイとルーラ以外は知らなかったらしい。レイはスパイ潜入時に正体を知ったがルーラは今回知ったはずだ。エレノアは、さらりと声を低くして口止めするのである。怖い。
「あのオババも狡猾よぉ。自分の正体隠してるの。普段は総て副指揮官に任せてあるみたい。オババに盾突く先輩見てて、腹抱えて笑っちゃったー」
デュランとラニーもエレノアの真の姿に驚きを隠せない様子だ。
「まあ、それはある。自分とこの総指揮官知らないで暴言吐くなんぞ、あり得ないだろう」
「じゃあ、かなりきつい処分にあったんじゃないの、先輩方」
レイが少し残念そうに呟く。先輩方が可哀想になったのだろう。トレスβ区域の実情を知らないからこそ、余計にお気の毒様、という心情にあった。
「うん。先輩方はミレイル副指揮官がトレスβに飛ばしちゃった。お前らとの喧嘩が原因じゃなかったな、あれは。エレノア先生への侮辱が総てだった」
勝ち誇ったように笑うエクス達。
「人は見かけによらないからねー。アンタたちもさ、みすぼらしい意識体だとしても見分ける目を持たないとダメよー?」
「エレノア先生、みすぼらしくないだろ」
「バッカねー。コレから先、どこでどういう人に会うかわかんないでしょ。5軍10部の上には、総督府があるんだからね、CPOだって居るし」
「そうよー。総督なんて見るからに総督って雰囲気ではないわよ。見間違えて飛ばされないようにしなさいよ、まあ、CPOは会っても会わなくても変わらないけど」
「そういうスーニャやレーゼは総督を見たことがあるのか?CPOの顔を知ってるの?」
「あるわよ、CPOも見当ついてるし」
エクスを除いた6人は、目が点になったと思ったら、はっと気が付き全員が目を見開いてエクス達を見る。
「なんで?」
「だってアタシ達、総督の家に住んでるモノ」
「はあ―――――――――――――――――ッ?」
レイが聞く。
「エクスって全員総督の家に住むのか?」
「いいえ、アタシたちだけみたい。暴走する危険分子なのかしらねぇ」
「シャレにならんだろう、お前らが言うと」
「此処はボケるところでしょ!地球でお笑いトークみたでしょが!」
6人が一斉に首を振る。
「笑えません、“的を得た表現”に他なりませんから」
「何よ、それ!」
「だって禁止術式OK出したら使いまくりそうじゃん」
「アタシたち、普通に禁止術式使ってるわよ」
「え、解除されてるの?」
「うん。ホントにマズイやつは自動的に発動できないようにしてあるけど」
「なんで?」
「知らな――――――――――――い。総督からCPOに連絡したみたい」
その時、本棟のサイレンがなった。
どうやら、ミッション内容の発表のようだった。