死人、魔宮を出る
魔宮のラスボスを倒したことにより部屋の奥の扉が開く
アイラとレクサスは人化して扉に向かう
流石兄妹だけあってレクサスも金髪だった。地球だったらどっからどう見てもヤンキー扱いされそうな見た目をしている
フラム達が扉をくぐると中には見覚えのある奴がいた
「……なんでお前こんな所にいんの?」
俺をゾンビにした、あの幼女が中央にある椅子に座っていた
「まさかこの扉が開くとは思ってなかったです……。私のぐーたら生活が終わってしまいました!なんてことしてくれるんですか健さん!責任取ってください!」
久しぶりに本名で呼ばれたな
「おいまず俺の質問に答えろ。意味がわからん」
「あー……はい。この魔宮、神様が暇つぶしに作ったものの一つでして……。難易度が攻略不可能レベルに作られてるんです。一応魔宮なので攻略者に報酬を与える役が必要で、その枠を私が勝ち取ったということです。ですけど難易度が難易度なので攻略者なんて現れないだろうしずっとこのままここでぐだぐだしているだけの仕事最高!と思ってたのに健さんのせいで台無しです!バカ!こんな事になるならもっと弱々しい体にしておけば良かった!」
「いやちゃんと働けよ!」
なんで俺が責められているんだ????
「あのー?」
アイラが遠慮気味に話しかける
「どうしたアイラ」
「タケルって誰ですか?あと、その人って神様関係のなにかなんですか?」
「あー、もう全部話しちゃうか。ほらアス、レヴァ。お前らも出てこいよ。アスには前に話したのに信じねぇしよ。このロリがいた方が信憑性も増すだろ?」
「しかしいきなり自分はこの世界の人ではない!とか言われても頭おかしくなったとしか思えないのじゃ……」
……まぁ確かに。俺も地球にいた時友達がいきなりそんなこと真剣な顔で言い出したら迷わず119番に電話をかける
話さなけりゃ良かった
「え!?それ本当なんですか!?フラムさんが異世界の人だって!?」
龍二人とレヴァがめちゃくちゃ驚いてる。
「まぁな。ほらロリ。説明してやってよ」
「なんで私が……。まぁ貴方が説明しても信じてもらえませんもんねー、しょうがない」
ロリがため息をつきながら承諾する。
いや、俺が仲間から信用されて無いみたいな言い方すんなよ!
そうしてそのロリは説明を始めた。
途中でロリが自己紹介していたのだがコイツの名前、ラファエルらしい。 その名前、結構聞き覚えあるんだけど何こいつ意外とすごい感じのやつなの?
「フラムさんゾンビだったんですね……。どうりで変な匂いすると思いました」
話を聞き終わったらしいアイラが話しかけてくる
「悪かった。匂い消しが切れててな」
「つまりお前は魔物で更にもともとは別の世界の人だと、そういうことか?」
レクサスも興味があるようだ
「まぁ簡単に言えばそーいうことだ。だからって退治しようとか思うんじゃねぇぞ?めんどくせぇから」
「今更んなことしねぇよ。そもそも勝てる気もしねぇしな」
そして最後は魔剣たち
「やっぱりマスターはすごい人なのね!」
「うん、小学生並の感想ありがとうレヴァ」
前から思ってたけどこの子やっぱりアホの子なのか?言動が頭悪そうなんだけど
「何か失礼なこと考えてないマスター!?」
勘だけはするどいなこいつ
アスもやっと信じてくれたようだ。このクソ頑固ロリが
「さて、健さんと龍さん達。攻略されてしまったからには報酬を渡さないといけません。ですが今回の報酬のスキルは強力すぎるため、1人にしか与えることが神に許されていません。なので誰がその権利を受け取るか選んでください。話し合って決めるもよし、戦って奪い合うもよし。決め方は自由です。」
俺についての話も終わり、本題の報酬の話になる
神様もケチだな。人数分用意してくれりゃいいのに
「……どうするお前ら?俺としては是非ともそのスキル欲しいんだが、お前らもそれは同じだろ?じゃんけんでもするか?」
ここで龍族兄妹と戦う気はフラムには無かった
仲間を倒して得た力でフィリアを助けても、仲間という物を大切にしていたフィリアがこのことを知ったら悲しむと、そんな気がしたからだ。
こいつらはもう俺の仲間と言えると俺は思っている。だからダメだ
「じゃんけんって……。フラムさんに譲りますよ。フラムさんと出会ってから遭遇した魔物は大体フラムさんが倒してきたじゃないですか。さっきの鳥の魔物もです。フラムさんがいなかったら私達あそこで死んでましたもん。ね、お兄もそれでいいでしょ?」
「ああ、俺はスキルなんか無くてもつえぇからな!」
「……いいのか?」
「はい!どうぞ!フラムさんは魔王を倒すんでしょ?だったら力は沢山あった方がいいです!それに私達はこの魔宮から生きて出ることだけが目的でしたから」
魔王、という単語にラファエルがピクッと反応した気がしたが気のせいか?
まぁどうでもいいか
「……悪いな。ありがたく貰うよ」
フラムは一歩前に出る
「話は纏まったみたいですね。それでは健さん。手を出してください」
フラムは言われた通りに右手を差し出す
するとラファエルは自分の手を差し出された手に重ねる
触れたところがじわっと暖かくなり、何かが自分の体に流れてくる感覚がする
ピローン♪
『スキル、【冥王】を習得しました』
冥王?名前だけじゃどんなスキルか分かんねぇな。後でアスに見てもらうか
「はい終わりです。じゃあもうとっとと出てってください。私ももうすぐ天界に戻されちゃうんですから。あ、転移陣そこです」
「何だよいきなり。まぁ長居する理由もないし言われなくてもとっとと出るけどさ」
「私も暇じゃないんですよ。誰かさんが私の楽園をぶち壊してくれたお陰で」
「知るか!じゃあな!」
「ラファエル様、失礼します!」
「またなちっちゃい神様!」
フラムは悪態をつき、アイラは丁寧に、レクサスは適当に別れの挨拶をして転移陣に乗る
「はい。さようなら皆さん。健さん、これからも頑張ってください」
そうしてフラム達は光に包み込まれ、魔宮の最奥部から姿を消した
「ワオォン!!」
外への転移が完了したらしく、地に足がついているのに気付いて目を開けるとそこは魔宮の入口となっていた大穴の近くだった。
そしてギンとシロがお迎えしてくれた
「おう、久しぶりだなお前ら」
そう言って二匹をもふもふするとギンとシロは気持ちよさそうにそれを受け入れる
「お兄……。あれって神狼だよね?」
「いや妹よ。神狼ってあんなに可愛げあったか?」
龍達は目の前で起きている出来事を信じられないようだった。
「ところでここから龍族の住む所までどのくらいかかる?」
フラムが唐突にそんなことを二匹に向かって尋ねる
「ん?そうだな、俺らが飛んでいけば大体2日くらいだが、どうした?来てぇのか?」
「2日か……。俺が行っても大丈夫か?一応魔物なんだけど俺」
「まぁ俺らがいれば一緒に行って説明すれば大丈夫だろうけど、なんだ?龍族に興味でも湧いたか?」
「いやちょっと龍族の王に話があってな」
フラムは龍族に魔王戦に協力をして貰えないだろうかと、そう考えていた。
アスによるとフィリアの魂が完全に消滅してしまうまで後一ヶ月ほど余裕があるそうだ。
恐らく魔王の元へ助けに行けるチャンスは1度きりだろう。失敗すれば今度こそ殺される可能性が高い。なのでその1回で確実に取り戻せるように、打てる策は全て打っておきたかった。
「父さんに?何のようだ?」
「それはだな……。……ん?父さん」
ナンダッテ?
「ああ、言ってなかったか?俺らの父さんは龍王だ。」
「マジかよ。王様、後継ぎをこんな所に放り込んでいいのか……?」
「まぁ父さんはやると言ったら絶対にやるからなぁ…。」
レクサスは遠い目で虚空を見つめる
「で、どうだ?お前らの父さんに会えるか?」
「まぁ俺らに着いてこれば大丈夫じゃねぇか?」
「そうですね。だめと言われても私が何とかします」
王の子供2人が味方なら何とかなりそうな気がしてきた
「よし、じゃあ案内してくれ。ギン、また乗せてくれな。」
「ワォゥン!」
ギンも了承するように鳴き、今後の方針は決まった。
そしてフラム達は龍族の里へ移動しはじめた




