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死人、拾い物をする

一休みして戦いの疲れを癒やしたタケルは森に向けて再び歩き始めた

森に入ると綺麗な空気をおもいっきり吸い込んで思いっきり癒される

マイナスイオン最高

暫く歩きながら自分のことについて少し考えてみた

前世での名前はタケルだが、ゾンビの名前がタケルってなんか違和感しかない。前世の映画とかの知識でしか考えられないからこの世界でどうだかは知らないが

となると、自分で偽名のようなものでも考えておくか。なんだか魔物も全然出てこないし。ゾンビくーん、あの情報は確かなんだろうなー?


「うーん。ゾンビ…ゾンビ…ゾン太郎…ゾン吉…。いやないな」


犬の名前は無難にポチだったしネーミングセンスの欠片もねぇな俺


「うーん、じゃあ人の名前でもパクるか。」


思い出すのは昔見たゾンビ映画。結構小さい時に見てガチでビビったその映画の登場人物の名前を思い出そうとしてみる。


「えーっと…確かフラムとか言うのがいたような気がするな。じゃあそれでいっか、そっちの方がゾンビっぽいし異世界っぽい。やっぱりゾンビの名前が和名ってのはあれだよな、うん」


こうしてタケルの自己満足によりタケルはフラムとなった。


フラムが自分の名前を決めながら森を探索している間、結局魔物は一度も姿を表さなかった。


「もしかして魔物って夜行性みたいな感じ?でもさっきの犬は魔物っぽかったけど朝っぱらから襲いかかってきたしなぁ。まぁ日も暮れてきたことだしそろそろ寝床を探すか」


なんともまぁぐだぐだとした生活を送っていると自分でも思っているが敵がいないことにはどうしようもない。明日からは魔物に出くわさなくても自主トレくらいはしよう。そう決心して枕代わりの木を探した。

そういえばこの世界に生まれてから一度も食事を取っていない。けど別に腹もすかないし体にも影響はない。ゾンビは食事をしないんだろうか。まぁそれならそれで食料を集めずにすむから楽でいいんだが。

そうしてフラムは二度目の夜を迎えた。



次の日の朝、俺はジョギングをしていた。

何をするにも体力は必要だろうと思い、とりあえず走ってみた。昨日の一度の戦闘だけであれだけ疲れたってことは結構ゾンビって体力ないんだろうか。

ジョギングも10分も走ればへとへとになってしまい、20分休んでまた走る、ということを繰り返していた。

そうして森のなかを走りながら探索していると段々と枯れた草木が眼に入ることが多くなってきた。足場もなんだかぐちゃぐちゃしてる。うへー気持ち悪。こちとら裸足だぞこら

そう心のなかで悪態をつきながら進むと開けた場所に出た。草木などただの一つもない場所へ

ただしその場所は真っさら、というわけでもなかった。


草木の代わりにフラムの視界に入ったのは数えるのも馬鹿らしくなるほどの数の、魔物であったと思しきものの死体だった


「…こいつはひでぇな」


胃の中に何か入っているわけでもないので吐くようなことにはならなかったがそれでも気がまいる光景だった。


「日本生まれ日本育ちの俺には刺激が強すぎるぜこりゃあ」


呆然と立ち尽くすフラムはあるものに気づいた。魔物の死骸の中心に突き刺さっている一本の剣。この光景と関係がないとは思えなかった。

あれは絶対に危険なものだ。俺はどうするか考える。

普通の人間だったら引き返す一択しか無い。でもフラムはゾンビだ。これが聖属性だったり炎のしわざだったりすることは無いだろうし死ぬことはないだろう。

そう結論づけたフラムは魔物の死骸の山をかき分け、剣の下へたどり着く

その剣は妖しく紫色に光っておりその剣の異様さを際立てていた


「これはなんていうか…強そうだ」


まさに小学生並みの感想であった

フラムはためらいなく剣を握り、地面から引き抜く。するとすこし体がだるくなった気がしたが、それもすぐに治まった。


「なんだ今の感覚?まぁいいか。それにしても都合よく剣が手に入ってよかったー。やっぱり物理で殴る!じゃ俺では火力不足が心配だったんだよね。これからは剣を使う練習もしなきゃだなぁ」


剣を扱う経験など学校の授業ですこし竹刀を振るった程度だ。

火力は心配なくなっても技術が心配だ。まぁ拳で殴る技術があるかと言われればそんなこともないのだが。


「なんじゃ。新たな主は剣の素人か」


不意にどこからか声がした。


「ん?誰だ?」

「誰ってお前が抜いたんじゃろうが、まさか何もわからずに抜いたのか?」

「抜いたって、もしかして喋ってるのはお前か?」


おれは剣を見つめて話しかける


「当然じゃ。ワシは魔剣じゃからの、話もするわ」

「へぇ魔剣は喋るのか」


ゾンビくんにある程度は常識を教えてもらったがそんな細かい常識は流石に知ったこっちゃない。


「まぁそういうことだ。抜いた以上は責任を取るんじゃぞ?責任をもってワシの主となれ。ワシは魔剣アスタロト。よろしく頼むぞ主よ」


半ば押し売りのような感じでフラムに武器兼話し相手ができた


「それにしても主の毒耐性はすごいのう。ワシを握っても全く動じないとは」

「ん?なんかあるのかお前?呪われた魔剣的な?」

「んーまぁそんなとこじゃ。ワシから出る毒は力が強すぎて敵はもちろんのこと使用者自身も傷つける。前の使用者もワシのせいで死んでしまったしの!」

「そんなこと言われると投げ捨てたくなるな!まぁ俺は毒じゃ死なないけども!」

「それはどういうことじゃ?」

「正確には死なないっていうかもう死んでるんだけどな。俺はゾンビだ」

「ほう!それだけ自由に動け、肉体も綺麗なゾンビは初めて見たわ!前のやつも割と耐性が高かったから結構もったんじゃがのう。主と比べるとダメダメじゃな。剣の腕は主のほうがダメダメなようじゃが」

「厳しいなぁ。戦ったことなんて無いんだから仕方ないだろ?それよりお前なんであんなところに刺さってたんだ?前の主はどうしたんだよ」

「ん?ああ、前の主が死んだのはもう500年ほど前の話じゃ。それから今の今まで人族に封印されておったのじゃがの?なんか上層部で魔物退治に有効活用すればいいんじゃね?ってなったらしくての。数日前にあそこに突き刺されたというわけじゃその時ワシを握ったものは翌日死んだそうじゃが、罪人でも使ったのじゃろうな」

「いや魔剣の管理雑すぎないか!?」


こんな危険なものを放置なんてこの世界の人族はアホなのか!?人族は知性で他の種族に対抗してるんじゃなかったのか!?

そんなことを考える元人間かつ現在進行形でその危険なものを持ち歩いてるフラムであった。


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