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死人、合流する

「ギンちゃん!もう少し耐えて!」


「ガウッ!」


フィリア達は未だに魔族達と攻防を繰り広げていた。

ギン、村長、サイロスが、集まって来てしまった幹部クラスの魔族相手に時間潰しをし、フィリアは村のみんなと一緒に防御障壁を維持し続けている。しかしそろそろ魔力も限界だし、戦っている2人と1匹はいつやられるか分からない。いずれジリ貧になって負けてしまうだろう。


「みんな!もう少し!フラムさんが来るまで意地でも持ち堪えて!」


「「「おう!」」」


こんな絶望的な状況だが、フィリアは、フラムが来れれば何とかなると信じて防御に全力を注ぎ続ける。というか縋れる希望が最早それしか残されていなかった。


その時、また1人の魔族が空を飛んでやってきた。



「あ?まだ片付いてなかったのかよ。こんだけの数で攻めといて何してやがる雑魚共が」


「申し訳ありませんマナフ様!相手の防御が思った以上に固く…」


「うるせぇ。言い訳はいらねぇんだよ」


「も、申し訳ございません!」



その魔族を見たフィリアはぞわっという強い悪寒を感じた


(なにあの魔族!他の魔族とは明らかに格が違う!)



「マナフだと…?」



村長がポツリと呟く


「村長!アイツを知ってるの?」


「皆用心しろ。奴は魔王のいない今、魔族界最強の存在。魔族幹部の長、マナフじゃ」




「ちっ。仕方ねぇ。あとは俺がやっておく。お前らは儀式の準備でもしてろ」


マナフがエルフの集団を一瞥して部下に指示を出す。


「「「はっ。ご武運を」」」


そうすると今までフィリア達を襲っていた魔族が引いていく。

しかし、状況は悪化したと言っていいだろう。明らかに規格外の悪魔が自分達を殲滅対象としてその歩みを進めてくるのだから



「【魔弾】」



その魔族が魔弾を無数に放つ。魔弾は闇魔法の初歩的な魔法の筈なのだが、威力が一般的なものと明らかに違う。


「ぐっ!」


フィリアは全力で障壁を張ってこれをなんとか凌ぐ


「ほう。俺の魔弾を防げるような奴がエルフにいたとはな。しかしこれが何度も襲いかかればどうかな?」


再び大量の魔弾がマナフの後ろに現れ、エルフたちに向かって放たれる。


「精霊さんお願いっ!」


フィリアは他のエルフと協力して強固な障壁を貼り直し、二発目も防いだ。


しかし


(あれ…?どうしたのかな私。目の前がぼやけてきた…頭もふらふらする…)


魔力切れの症状だった。

フィリアは意識が薄らぐのを抑えきれず、そのまま倒れてしまった。


「フィリアっ!大丈夫!?」


障壁を貼るのに参加していなかったアルクがフィリアに駆け寄る。しかし、フィリアは目を覚まさない

基本的に魔力切れを起こすと半日は目を覚まさないのだ。

そしてフィリアを失ったエルフの障壁は、最早マナフの攻撃を受け止められるような代物ではなくなってしまった。村長やサイロスなら一瞬だけならなんとかなるかもしれないが、彼らは他の魔族幹部だけで精一杯の状況だ


「はっ。魔力切れで終わりとは無様な最後だなエルフ共。とっとと死んで魔王様の糧になれ弱者よ。【魔弾】」


三回目の魔弾がエルフ達に向かって放たれる



「うわぁぁぁぁぁぁ!!もうだめだ!」


「クソ!こんなことなら村に止まるべきだった!」


「精霊様、どうか来世でも幸せに生きられまそうように…」


皆が死を覚悟し、口々に最期の言葉を口にし始めたその時





「【氷壁】!」





突然エルフ達の周りに氷の壁が現れ、襲い来る魔弾からエルフたちを守った。

死を覚悟していたエルフ達は何が起きたのかわからない、という風に目をパチクリさせている。

しかし一人だけはずっと待ち望んでいたその人の名前を思いっきり叫ぶ


「フラムお兄ちゃん!!」


アルクの視線の先にはシロと一緒に魔族の部下達を突破して、こちらに向かって突き進んでくるフラムの姿があった。


「わりぃな。遅くなった」


ようやくフラムとエルフが合流できたのだった




「お前がカミラの言っていたイレギュラーか?お前の相手はカミラに任せていたはずなんだがな、まさか倒してきたのか?」


「あぁそうだ」


「…なるほど。確かに普通の相手では無さそうだ」


「そうだな、普通じゃない。俺と戦ったらお前もただじゃすまないかもよ?退却したら?」


「ぬかせ。カミラを倒して調子に乗っているようだが頭を冷やしたらどうだ?それに負けるのが怖くて退却する戦士などいてたまるか」


「やっぱりそうだよな。まぁ期待してなかったけどな。ところであそこに倒れてる女をやったのはお前か?」


フラムはフィリアを指して問いかける。その目に強い殺意が見え隠れしている気もする



「あの女か。なかなかいい防御障壁を貼っていたようだが魔力切れで自滅しおったわ」


「なんだただの魔力切れか…」


「何だ想い人か何かなのか?」


「違うわいっ!ただの仲間だわいっ!」



フラムは全力で否定する


「まぁいい。そのお仲間を守るのは勝手だが相手は俺だけじゃなくてそこら辺にいる俺の部下共もだぞ?あいつらも一応魔族なんでな。さっきの女がいない状態での障壁なら【轟力】を使って攻撃すれば割ることは難しくはないはずだ。」


「んなアドバイスくれなくてもわかってるっつーの…。それじゃ、まずはゴミ掃除から始めようか。おいギン、サイロス、村長。さっさと戻ってこい。これから少しの間エルフを全力で守れ」


「ガウッ」「おう!」「了解じゃ」


フラムの指示でそれぞれ魔族との距離を取るとそのままエルフの集団に駆け込み、全力で結界を張る

それを確認したフラムはスキルを発動させる



(【絶氷】)



絶氷もエルフの村に来る途中で覚えた新しい魔法スキルだ。通常では自分を中心に半径10メートル程の範囲を凍りつかせるというものだが、フラムのものはそんなに生易しいものではない

ぶわっとフラムから冷気が放出され、戦場全体を包み込んだ。

そして、数秒後には辺り一面は氷に覆われ、瞬間的に範囲外へと逃げ切れなかった魔族はその身を氷漬けにされ、地面に落ち、そして凍死していた。


「ふぅ…さすがに魔力を結構食うな…。【魂喰(ソウルイーター)】」


すぐさまフラムは氷漬けになった魔族たちを次々と食らっていく


ピローン♪

『スキル、【毒爪】【暗視】【回復阻害】【呪縛】を習得しました』


スキルの習得とともに使った魔力を回復していく

うーん【毒爪】はいらないかな、アスいるし

このスキル、餌がある限り魔力が無尽蔵に使えるってことだしなかなかチートだよなぁ…

それにしても【絶氷】を使っても生き残っている魔族が結構いるみたいだ。幹部クラスの奴らはだいぶ残ってそう。もうちょい減らしとくか。


(【超速】)


フラムは地面を蹴り、一瞬で幹部クラスに見える魔族の目の前に跳び上がる


「何っ!?」


驚く魔族を無視し、アスを抜き放つ。

アスは魔族の首元を傷つけた


(【無玉】)


フラムは魔族に毒が回るのを待たず、他の魔族に向かって右手を向け、触れれば即死させることのできる玉を連続で発射する。その速度はカミラが使っていたそれより速い。

そしてフラムが自由落下しながら放つそれは正確に魔族たちに当たっていった。

次々に魔族が消滅していく


しかしすぐにその殲滅も終わりを告げる

【無玉】を放っていた右腕が突如切り落とされたのだ


「何時までも貴様の好きにさせると思うか?」


マナフだった


「ちっ。お前も相当速いな」


【超速】状態のフラムでも今の一撃に反応出来なかった

フラムはそのまま地面へと落ちて行く。そのあいだに斬られた腕は再生していた


地面についたフラムはエルフの元に駆け寄る



「お前ら、あのくらい減らせば耐えれるか?」


「うむ。おそらくは、な」


「そうか…まぁ頑張ってくれ。ギン、シロ。お前らもな」


「「ワンッ!」」



マナフも地上に降り立ち、こちらを睨む


「…まさかそれ程の力を持っているなど思いもしなかった。これならカミラが負けたのにも頷ける。俺と互角に渡り合えそうな敵は久しぶりに見る。いいだろう。私の全力をもって貴様の相手をしてやる」


空に羽ばたいているマナフの体が赤黒く光り始める。【轟力】を使ったのだろう。




「うっし、じゃあラスボス戦と行きますか」





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