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死人vsカミラ

フラムとカミラは一瞬でお互いの距離を詰め、互いの剣を打ち合わせる

常人には視認できないような速度で剣を打ち付け合う二人の戦いは常識はずれのレベルだった。

既にフラムは【超速】を、カミラは【轟力】を使っている


「魔族でも竜族でもないアナタが【轟力】を使っている私と対等に打ち合うなんて!いいわアナタ!ねぇ、今からでも魔族の仲間にならない?悪いようにはしないわよ?」


「アホか。そんな言葉一つで寝返るようだったら最初っからエルフに手を貸したりしてねぇよ」


「やっぱり?じゃあ…死になさい」


カミラが洞窟の時にも使用した、触れたものを消滅させる玉を剣を打ち合っているフラムの目の前で発生する


「ちっ、あれはやべぇっ!」


フラムは剣を弾いて後ろに飛び退く。


「隙だらけよっ!」


カミラの剣の刺突による追撃がフラムを襲う。

だが、フラムはそんな攻撃を受けた風な様子もなく、そのまま飛び退いて玉から離れる。するとすぐに玉は消滅した。



「前に潰してあげた時も全然無傷だったしまた…。あなた一体何なのよもうめんどくさい。でも【無玉】は今回も避けるのよねぇ。あれは効くのかしら?」


「俺にも分からないから避けてんだよ。もしかしたら効かねぇかもよ?」


「なるほど、やっぱり言う気は無いみたいね」


「いやホントなんだけどな…」



フラムはゾンビなので大抵の攻撃では死なないし傷もすぐに回復する。しかしそれは「破壊」に対しての「再生」だ。再生するものが「消滅」してしまったらどうなるかフラムは知らない。

それ故あの攻撃は避けている。自分の体で実験なんて絶対に嫌だ。


「うーん。あなた、もしかしてゾンビなの?前にあった時はなんか変な匂いしたし、すごい再生能力持ってるし…。いやでもゾンビ程度が私と対等に戦えるわけないか」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・当たり前だろ?んなわけねぇよ」



だらだらと冷や汗が背中を流れる。バレたらひじょーにやばい。絶対に炎をぶっ放し始めるぞコイツ。


「…【轟炎】」


「うおっ!?」


フラムの周りを突然炎の壁が囲む。


(【潜地】!)


フラムは地面の中に潜って炎の壁を、炎の影響のない地中から通り抜ける


「やっぱりアナタ…」


「違うっ!断じて違う!俺はゾンビじゃなぁい!」


必死に取り繕うが、もうバレバレだった


「ふふっ、まぁどっちでもいいわよ?アナタが何者であっても炎が効くっていう事実は間違い無さそうだし」


そう言ってカミラは炎魔法を放ち始めた。ちくしょおおおおおおおおおおおお!!!





「【炎弾】!」


カミラは炎弾を連続してフラムに放ってきた。


「くっそがぁ!【水弾】!」


カミラの放つ炎弾を水弾で相殺する

やはり炎には水を当てるのが一番いい

消火消火


しかし使える水魔法の一部が氷系魔法なのはちょっと、というかだいぶ困る

【氷壁】とかで受けようものなら壁を溶かして貫通してきそうだしな。

こちらの勝利条件はアスで傷を付けること。

でも炎弾の弾幕を凌ぐので精一杯だ。

しかもその弾幕を抜けられたとしてもその先にはカミラとの剣戟が待っている


さっき打ち合った感じだと剣の腕は互角だと思う。この世界に来たばかりの頃からよく成長したものだと思うが今はそれでは足りない。それでは奴に傷を付けるには至らない


「早くフィリアの所に行かなきゃならねぇってのに…クソが」


「マスター!わーたーしー!そろそろ私の出番よ!」


うーわまたレヴァが騒ぎ出したよ


「うるっさいわ空気読め戦闘中だろ!」


「ちょ!ちょっとぉ!そんな事言っていいの?私ならどうにかできるかもしれないわよ?」


「…どういう事だ?」


「私ならあの女の剣を切れるかもしれないって言ってるの!」


「マジで?」


「マジよ」


「…その言葉、信じるからな」


「任せなさい!」



フラムはアスを鞘に収め、レヴァを抜く


「よし、ならまずはあの炎弾をなんとかしなきゃな」


フラムは炎弾の飛び交う中を前に進む


「あら?そろそろ焼け死ぬ準備は出来たのかしら?」


「ちげぇな。出来たのはお前を殺す準備だ」



(【烈風】)



フラムはスキル名を念じ、その魔法を発動させる


轟っ!


フラムを中心にして強力な風の渦がフラムを囲う


「何!?」


その様子はまるで小型の台風のようであり、フラムはその台風の目のようだった

突如生みだされた強風はフラムへと放たれた炎弾を尽くかき消していた


「やっぱり魔法の威力も段違いね…困った坊やだわほんとに…。っ!?」


魔法による強風が消滅したその瞬間、強風の渦の中からフラムが飛び出し、カミラに向かって切りかかる


「あの剣、さっきまでのとは違うわね…赤い?」


カミラは反射的に剣を使ってその斬撃を受け止める。



「おいレヴァ。今だ」


「オーケーマスター!」



フラムがそう呟いた瞬間レヴァの剣心が赤く、燃え上がるように光輝き、受け止めたカミラの剣を焼き切った


レーヴァテインは本来その圧倒的な熱量により、レーヴァテインによる攻撃を防ぐための盾や鎧などの防具を、触れた先から溶かし、防具を無効化できる防御不可能の剣なのだが、フラムは残念ながらそんなことは知らない。聞いてない。


「なっ!?鉄すらも焼き切る炎剣…まさかその剣は太古の魔剣、レーヴァテイン!?なぜこんなところに!」


「なんだお前有名人かよ」


「そうなのよ!もっと敬いなさい!」


「はいはい。ちょっと静かにしてましょうね」


「えっちょっとマスター!?もうちょっと使ってくれてもいいのよ?」


フラムは容赦無くレヴァを鞘に戻し、再びアスを抜いた。


「おおおおおおおっ!!」


フラムはその剣先をカミラに向けて振るう

もうアスを受け止める為の剣はない

その結果、カミラの頬に一筋の傷を入れることに成功する


「さよならだカミラ」


「こんな傷くらいで何を言って…っ!?ごほっ!」


カミラの口から血が吹き出す


「その剣まで魔剣だったなんてね…」


「ああ、だからさよならだ」


「くっ…私に勝てる程の力を持っていたなんてね…。魔王様…今一度あなた様に顔をお見せすること叶わなくなってしまったこと、申し訳ございません。」


そう言い残すとカミラの目は光を失った



「ああそうだ、やっておきたいことがあるんだった」



(【魂喰(ソウルイーター)】)



フラムはこの間習得したスキルの一つを発動させる

するとフラムの右腕に獣の顔のようなものが生え、それが死体となったカミラを喰らう


ピローン♪

『スキル【無玉】【炎弾】【轟炎】を習得しました』


魂喰(ソウルイーター)】。死後1分以内の死体にのみ発動でき、対象の持つスキルの一部と残っている魔力を吸収するスキルだ。このスキルは長年生きてきたアスやレヴァも知らないものらしく、かなり珍しい様だ。まぁこのスキルの保持者が魔族にいればフィリア達があそこで実験体にされる必要はない。少なくとも魔族全体にもこのスキルを持つ者はいないだろう。

それにしても、俺やっぱり炎魔法頑張れば覚えられたんじゃね?


「魔族幹部カミラ、いいスキルをありがとよ。さてと、シロ!いるんだろ!フィリアたちの元に連れてってくれ!」


ギンは戦力になりそうだったのでエルフ組に同行させたが、シロは戦いの後の移動手段として残しておいたのだ。【超速】レベルのスピードを出せるギンとシロは魔力と体力を温存しておきたいこの状況では非常に頼りになる


「ガウッ!」


シロが近くの岩陰から飛び出して来る


「よし、じゃあ行こうか」


フラムはシロに飛び乗り、フィリアたちの元へと向かった

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