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死人、転生する

「こんにちはタケルさん。ご機嫌いかがですか?」


気づいたら俺は高級そうな椅子に腰掛けており、目の前には頭の上に輪っかが浮いている小さな女性の方がいた。まぁ簡潔に言うと幼女。無表情だけど可愛いですねお持ち帰り希望で


「あの…ココハドコ?ワタシハダレ?」


目の前の幼女が可愛いこと以外今の状況が理解できずに思わずそんなことを呟いてしまった。あれ?俺はさっきまで部屋でポチと戯れてたはずなんだが。


「ご質問にお応えします。あなたは鳴沢 健。そしてここは死後の世界です。」


目の前の幼女は顔色を変えないままそう告げた


「えーと…死後の世界に生きている人間が来ることもアルンダネーハハハ…」


とりあえず現実逃避スタート


「そんなことは起こり得ません。我らが神の仕事はそんなガサツではないです」


若干ムッとした顔でそう言われた。本当に死んだのか俺は…?


「でも俺死んだ覚えないんだけど…一番新しい記憶ってポチと遊んでたってのだし死ぬようなことしてないはずなんだけどどうしてこんなことになってるのさ」


「ご質問にお応えします。あなたの死因は飼い犬に首を噛み切られて死んだ。です」


ポチィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!何してんだお前えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!


「飼い犬に手を噛まれるどころか首を噛み切られるとか・・・俺なんかしたかポチィ?」


ったく。前から駄犬だとは思っていたけどまさかここまでとは


「そういうわけでとってもしょーもない死に方をしたタケルさんを我らが神が不憫に思い、特別に転生させてもう一度現世で楽しんできてもらおうとおっしゃいまして。それでここに魂を連れてきたということです。」


なんというサービス精神。


「それで今から転生先の肉体を作るのですが何か希望などございましたらなるべくそれに沿う形で作りますがなにかございますか?」


「待って展開早いまだ心の準備できてない!」


ハイスピードにも程があんだろなんだこの幼女


「じゃあ早くその心の準備とやらをしてください私もヒマじゃないんですよ?もたもたしてたら地獄にぶち込みますからね?」


あれ???神の慈悲は???

はぁ…まぁ実際こんな状況にいるのは事実だしなぁ。夢であってほしいぜまったくもう。

適当に心の準備を済ませ、何になりたいかちょっと考えてみる。

そう言われてもな…なにがどうしてどうなったら良い感じになるのかぜんぜんわからんからなぁ


「まぁ適当によろしく。あーでもできれば死ににくい方が良いかな。せっかくだからすぐこっちに戻ってきたくはないし」


神様だかなんだかが折角手を差し伸べてくれたんだ。分けわかんないことは分けわかんないまんまでいいや。前向きにいこう前向きに


「了解しました。ではそのように」


そういって幼女は空中で指を動かし、何かを操作している。もしやゲームとかによくある空中にメニュー画面みたいなのが出てくるようなあれか!?あれをやってるのか!?かっけぇ幼女さん!


「はい。調整が終わりました。飼い犬に噛まれても大丈夫なようにしておきましたのでご安心して転生なさってください。」


変な気を使われた(?)がまぁいい。神様がわざわざ転生させてくれるんだからきっといいとこなんだろう。そう考えると楽しみになってきた。


「それでは今から転生を行います。準備はいいですか?」


「よっしゃ来いやぁ!」


そう叫ぶと同時に意識が遠のきやがて俺の視界は黒に染められた。


しばらくすると意識が回復してきた。そして本能のままに俺は目をあけた。

するとそこは墓地だった。そこら中に墓がある

そして


「くっせぇぇ!」


これが俺、鳴沢健が新たな世界で初めて口にした言葉だった。



くせぇ

さいっこうにくせぇ

腐卵臭ってやつか?

辺りを嗅ぎまわって気づいてしまった。この臭いの根源は俺だ

転生先の俺はありえないくらい臭かった


今世の中で一番ファブリ○ズが欲しいっ…

この体臭を嗅ぎながら生きていかなくちゃいけないのかと思うと憂鬱で仕方ない。

はぁ。神様め、何が不憫に思ってーだ。この状況は不憫じゃないのかおい。

絶望しながらぼーっとしていると突然近くの地面がぼこっと音を立てて膨れ上がった。

そしてそこからはどろどろとしている人の形をした何かが現れた。


「おはよう同志。あれ?お前さん新入りか?」


それは映画とかでよく見たゾンビそのものだった。さすがファンタジーだゾンビさんが気さくに話しかけてきやがる

いやちょっと待てさっきコイツなんて言った


「同志ってどういうことだおい」


そう問いかけるとソイツは不思議そうな顔をしながら


「あ?お前もゾンビだろ?臭いでわかるぜ」


そう返してきやがった

俺は真っ先にソイツの体を嗅いだ。俺と同じような匂いがした。

あの臭いは肉体が腐ったものだったんだ

落ち着け。あの幼女が言っていたことを冷静に想い出すんだ。

『飼い犬に噛まれても大丈夫なようにしておきましたので』

確かにもう死んでるから喉噛みちぎられても死にませんけどぉ!?大丈夫ですけどぉ!?だからってなんでこのチョイスなんだよおい!もっとなんかこうかっこいい感じのを期待していたよ俺は!


「おい大丈夫かお前…」


悶絶している俺を心配してゾンビくんが声をかけてきた

当然大丈夫なわけがない

が、大丈夫じゃなくても現状が変化するということもない

とりあえずゾンビとしてでも生きていかなければならないんだからまずはこの世界の知識を身につけないとな…


情報源が目の前のゾンビしかいないのでとりあえずいろいろ聞いてみることにした。

その結果この世界のこととゾンビというものについてだいたい理解は出来た。


まずこの世界はアルカーダ大陸という一つの大陸によってできているらしい。この大陸には人族、魔族、エルフ、龍族の4種類の種族がいてそれぞれが土地を奪い合って戦争を繰り広げている。この4種族の中では魔族と龍族が合わせて大陸の半分以上の土地を所有しており、それだけ力も強い。人族は力こそこれらの種族に及ばないものの、知性とそれによる銃器などの技術によって対抗しているらしい。そして最後に残ったエルフは力は人族にも及ばず、魔力は人族や龍族よりは高いものの魔族よりは少なく、劣化魔族として扱われることの多い不遇種族だそうだ。

そしてそれらの4種族とは別に魔物という生物がいる。魔物は強さで言えばこの4種族と引けをとらないようなものもいるが、基本的に魔物同士で共闘するようなことはないので勢力の一つとしてはみなされていない。

ちなみに俺たちゾンビもこの魔物の一種であるそうだ。

そしてこの世界にはスキルが存在するらしい。魔法はすべてスキルによるものでいくら魔力があっても魔法スキルを持っていなければ宝の持ち腐れらしい。

人族以外の3種族はそれぞれユニークスキルというものを有しており、魔物も幾つかの種類はそれを持っているそうだ。

そして我らがゾンビはなんとそのユニークスキルを持っている!その名も…


【速度半減】!!!!!


…はい。完全にデメリットスキルですありがとうございました


でもなんでか知らんが幸いなことに俺にはそのスキルがないらしく割りと不自由なく動けてるんだけどさ、まぁこれから生きていくにあたって同種の仲間には期待できないってことだな。まぁ簡単にいえばゾンビは雑魚ってことか

ため息をつくと考えてることがバレたのかゾンビくんが白い目で見てきたが気にしない

それにしてもゾンビなのは間違いないはずなんだけどなんで俺だけ動けるんだろな。体臭いしゾンビくんと話してる時に驚いて目を見開いたら目ん玉取れちゃったから間違いじゃないだろう。神様が頑張ってくれたのかな、そうだったんならさんきゅーゴッド。願わくばこのとてつもない体臭もなんとかしてくれ



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