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Rule of Scramble  作者: こーたろー
第二編  陰陽の死角
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第一章 五人 3.駆けっこ

 燃える空。焼ける地面。

 絶命した祖父。殺された祖母。

 泣き叫ぶ少女。

 助けを求める少年。

 地獄があった。地獄に遭った。

 夜が深まった丑三つ時だというのに、闇はどこにも無い。全てが赤く染め上げられていた。

 赤い炎。紅蓮の炎。

 少年の周りにある全てが凶器だった。

 世界の全てが自分の敵。そう考えなければ生き残ることなんて出来なかった。



 だから、しょうがなかったのだ。



 見捨てるしかなかった。生き残るためには、まとわりつく全ての甘えを振り払うしかなかった。誰かを助ける暇なんて無かった。

 あそこであの少年を助けることなんて出来なかった。

 安堵友介は、級友を殺すしかなかったのだ。

 それしか選択肢が無かった。

 罪悪感なんて感じる暇は無かった。そもそも、あの地獄の中で生き残るためには、罪悪感なんて切り捨てなければならなかったのだ。

 だから……。


(だから……?)


 それが正しいと?

 あの少年を見捨てた選択は正しいと言うのか?

 世界が理不尽だから。ちっぽけな存在には何も出来ないから。

 そんな理由で、他人を蹴落として生きていても良いのか?


『蜘蛛の糸』と似たようなもの。

 ただ、あの世界では自分だけが生き残ろうとする行為こそが正しかった。

 卑怯者こそが正義だった。

 だから、少年も卑怯者になった。

 安堵友介は、カンダタになったのだ。

 それが間違いだと分かっていても。

 あの場では、紛れも無く正義だったのだ——。


☆ ☆ ☆


「はい、起きるー!」

「う、ぐ……っ」


 カーテンが勢い良く開かれ、友介は悪夢から目が覚めた。

 朝の斜光が友介の顔を照らし、意識を無理矢理覚醒させられる。


「まったく……。今日は初任務の日でしょ? そんなんで大丈夫なの? 死なないでよね」

「大丈夫だよ……。つかあと五分だけ寝かせてくれ……」

「だ! め!」


 そんな掛け声と共に、敷き布団を思い切りひっくり返され、乱暴に寝床が奪われた。持ち上げられた布団の傾斜を転がるようにして畳張りの床へ投げ出される。


「はい、もう布団はありません。良いから起きて、歯を磨いてご飯を食べて支度する! 早く早く!」

「ああもう、うるさいなー」

「うるさくても何でも良いから。早く!」

「はいはい」


 妹というよりも、どう考えても母親と言った方が近かった。

 口うるさい妹の言う通り、友介は寝ぼけ眼を擦りながら洗面所へと向かった。

 二年前の渋谷事変の折、友介達が住んでいた一軒家は壊されてしまった。立て直すためのお金もなかった河合家は、仕方なく土地を売り払い、同区にある安いマンションの一室を買い取って暮らしている。

 今まで暮らしていた家とは勝手が異なるため、最初のうちこそ苦労したが、今ではすっかり馴染んでしまった。

 当然狭いし、集合住宅ということで気も使わなければいけないが、住めば都という言葉があるように、すでに居心地の良い家になっていた。


 歯を磨き、ダイニングへ行くと、先に杏里が席に座って友介を待っていた。

 目の前には大好物のホットケーキがあるにもかかわらず、先に食べずにずっと待っていてくれたらしい。


「おそーい。早くしてよー」

「はいはい、悪かったよ。すまねえな」

「いいよ」


 杏里の返事を聞いて二人は手を合わせて「いただきます」と小さく言った。


「おいしー!」

「だなー」


 食べながら、友介は密かに二年前のことを思い出していた。


(そう言えば、唯可と出会った日の朝もホットケーキだったよな)


 彼女とは二年間全く連絡を取っていない。当然会ってもいない。

 けれど、もうそれを不安がったり、それで精神がおかしくなるようなことはない。

 最初の頃こそ、目も当てられないほど酷い有様だったが——。


「……」


 隣で美味しそうにホットケーキを食べている妹のおかげで、ここまで回復した。

 もちろん、唯可を助けるという目的は失っていない。

 ただ、もう焦りはしない。

 心には余裕ができている。

 彼女は魔術圏の女王になるとかなんとか言っていた気がするが、別にそれで彼女が酷い目に遭うということもないだろうし。


「で、時間は大丈夫なの?」

「…………ッ!」


 時計を見ると、家を出る時間まであと五分もなかった。


「だから早く起きなって言ったのに」

「ああくそ! 悪い杏里! ホットケーキ一個食ってくれねえかっ?」

「いいよー!」


 すると杏里は、ひょいとホットケーキを一つ取ると、そのまま口の中に放り込んだ。


「さんきゅー!」


 友介は急いで残ったホットケーキを口の中にいれ、水で流し込んで席を立った。


「もったいない」

「うるせえ時間ねえんだよ」

「あら友介ちゃん、もう行くの?」


 台所で洗い物をしていた夕子が顔を出して友介に尋ねる。


「あ、はい! ごちそうさん!」


 友介はリビングに置きっ放しになっていた鞄を手に取り、


「友介パジャマのままだよ」

「忘れてた!」


 玄関でUターンしてリビングへ戻ってきた。

 パパッと着替えると、今度こそ家を出た。

 こんな小さなことで焦ることが出来るのも、家族のおかげなのかもしれない。


「いってきます!」


☆ ☆ ☆


 玄関を出て階段を急いで下っていると、背後からドタドタと慌ただしい足音が近付いてきていた。

 友介と同じように会社に遅刻しそうな人がいるのだろうか。

 エレベーターではなく階段を使っている辺り、友介と同じく相当焦っているのが窺える。

 足音の主は二段飛ばしで階段を下っていた。

 一段飛ばしで下っている友介よりもさらにリスキーな行為だ。つまり、その人はそれほど切羽詰まった状況なのだ。


 足音はどんどん近付いてきて……とうとう友介に追い付いた。


「——と、すいません!」

「あ、こっちこそ!」


 振り返って足音の主を見る。

 カルラだった。


「ってお前かよッ!」

「げっ! 気持ち悪い……」

「気持ち悪くないわ。どうせお前の朝ご飯が重かっただけだろ!」

「はあ? カレーのどこが重いのよ?」

「ヘビー級じゃねえかっ! ていうかマジで朝食重かったのか!」


 軽口を叩き合いながら、二人は二段飛ばしで階段を下りていく。


「ちょっと早く行って! 三段飛ばし!」

「馬鹿か! 転ぶわっ!」

「転んで死ね!」

「別に良いけどお前も巻き込むからなッ!」


 一階に辿り着き、着地と同時にダッシュ。

 自動ドアの前で一旦停止する様は少しシュールだった。

 道路へ出ると、良い歳をした男女がかけっこを始めた。


「てか、俺は電車で行くつもりだったんだけど、お前は!?」

「アンタとは違う交通手段!」

「そうか。群馬まで頑張って走れよ!」


 そう吐き捨て、友介はさらにスピードを上げた。カルラも負けじとそれに追いすがる。


「はっ!? アンタが走んのよ! 私が電車!」

「勝手なこと言うな!!」


 昨夜、少し遅い夕食を杏里と共に終えた後、友介がスマートフォンを開くと昨晩送られてきたメールを確認する。

 内容はとても簡素なもので、それと一緒にマーカーが付けられた地図の画像が添付されていた。


『×印の場所へ明日の午前九時までに行け』


(大体、どこの世界に翌日の予定を午後十一時半に送る上司がいるんだよ! ブラックにもほどがある!)


「クソッ! なんてブラック企業なの!?」


 どうやら同じことを思っていたらしい。

 口に出していなくて良かったと心底思った。


「駅が見えた!」

「ク……ッ!」


 二人はさらに速度を上げる。足の回転を速く、一歩一歩を大きく。

 流れる景色が、己が前へ進んでいることを実感させている。


(負けられない……!)


 ここで敗れれば、群馬まで走らなければならない。それだけは嫌だった。

 走らないにしても、タクシーを使わなければならない。

 学生のなけなしのお金をそんな下らないことで使うわけにはいかない!

 ……別に負けた方が電車は使ってはならないなんてルールは誰も決めていないのだが、そんなことは既に些末なことだった。


「クク……っ」


 すると突然、少し離れて友介を追いかけてきていたカルラが暗い笑みをこぼした。


「あん?」


 この状況でどうして笑う? 敗色は濃厚で、ここから逆転することは不可能なはずだ。

 どれだけ足が速くても、あとたった数メートルでこの距離を詰められるとでも言うのか?

 確かに彼女の身体能力は大したものだ。

 女子の中ではもちろん、平均的な男子よりも速いだろう。

 だが、だからといってこの距離を覆せるものなのか?

 背後の少女に薄気味悪いものを感じ、友介はさらにスピードを上げる。

 駅はすぐそこ。そして切符売り場まではあと五歩で辿り着ける。


(何を企んでるか知らねえが……俺の勝ちだ!)


 勝利を確信したその瞬間。


「これがある限り、私に敗北はなぁい!!」


 背後のカルラが何かを取り出した。

 振り返って友介が見たもの。

 それは。それは——!


「定期券……だと!?」


 マズい。マズいマズいマズい!

 カルラは突如方向転換して、切符売り場とは全く別の方向——すなわち改札へと足を向けた。

 切符売り場にたどり着いた友介は、五〇〇円を入れて二〇〇円の切符を買った。


「させるかあああああああああッ!」


 お釣りも取らず、彼は切符を持って改札へ。

 視界の先ではカルラが改札へ定期券を滑り込ませた所だった。

 彼女はこちらを向き、悪意全開の笑顔を浮かべながら、僅かに口を動かした。



 ——お先に。



「くそ……ッ」


 絶望しかけた、その時!

 キンコーン! と。

 まるで拒絶を告げるような、無慈悲な電子音が鳴り響いた。

 定期券が入れた箇所から戻ってくる。


「……………………………………………………きれ、てる……?」


 不憫な少女へ哀れみの視線を送りながら、少年は回れ右してお釣りの三〇〇円を手に取り、悠々と改札を通った。



 その後、風代カルラは見事なまでの土下座でもって電車賃を勝ち取ったという。


☆ ☆ ☆


 電車では一言も言葉を交わすことなく友介とカルラは群馬県へ出た。

 私鉄を乗り継いで辿り着いた先では、すでに草次と蜜希、そして千矢が退屈そうに待っていた。

 目的地である館は山奥にあるということで、途中からは五人全員で行くことになっていたのだ。

 草次が友介とカルラの存在にいち早く気付くと、大きく手を振ってきた。


「おーい! おは! 今日も元気そうじゃん、二人ともー」


 友介とカルラは当然のごとくそれを無視する。


「こっからは歩きだよな」

「う、うん……そう、だよ……」


 友介の問いに、蜜希がおどおどとした様子で答えた。


「そ、それよりも……草加、くんは、大丈夫なの……?」

「あん? どういうことだ?」

 友介の後ろでは草次が手を振った状態で固まっていたのだが、あまり興味が無かったのですぐに視線を前へ戻した。

 目の前には鬱蒼(うっそう)と草が生い茂る森があった。ただしそれは、人の手の加えられていない自然ではなかった。どこか人工の臭いが漂ってくる、人が心地よく感じられるような森。人間に危害を加えようと言う意志を感じさせない森だ。


「招待券は?」

「ここだ」


 千矢が五枚のカードのようなものを右手に持っていた。彼はそれを他の四人に投げ渡した。草次と蜜希は取り損ねて地面に落としてしまっていた。


「これを持ってれば中に入れるだろ。酔狂な人な人だ。一人で屋敷にいるのは退屈だからって、コネを使って『おともだち』を紹介してもらうだなんて」


 カードには『安倍(あべ)涼太(りょうた)』とだけ書いてあった。これから行く館の主人の名で、これが入場券みたいなものだそうだ。


「行くか」


 気怠げな声を上げて友介が先行する。その後にカルラ、蜜希、千矢と並び、最後尾に草次が付いて来た。


「てかさー、蜜希ちゃん。ずっと気になってたんだけど、その黒い手提げ袋みたいなやつ、何が入ってんの?」

「これ……ですか? これはパソコンです、よ……」

「ほーん」


 後ろでは相変わらず草次と蜜希が実のない会話をしていた。若干挙動不審気味でコミュニケーションが苦手そうな蜜希だが、度を超えたおしゃべりである草次とは相性が良いのかもしれない。


「ほう、パソコンか。ということはネトゲとかするのか?」


 声は千矢から。彼も彼でよく喋る。……とは言え、彼は草次のようにただおしゃべりというよりも、もっと裏がありそうな感じがする。


「はあ……」


 背後で楽しく談笑する三人とは対称に、友介の真後ろから気の重そうなため息が聞こえてきた。


(……まだ土下座のことを引っ張ってんのか?)


 電車に乗る前から彼女はずっとこんな調子だった。全力で走った上、頼みの綱の定期券が切れていただけに留まらず、嫌いな相手に土下座までしたのだ。ため息くらい吐きたくもなるだろうが……


「はあ……」


(うっぜえ!)


 だがさすがに、ちょっと……というかだいぶ鬱陶しかった。いくらなんでも引きずりすぎだ。

 と、思っていた。

 だが、真相は全く違った。

 友介がいい加減ウンザリしてきたので振り返ってカルラに一言と言ってやろうとした、ちょうどその時だった。



 ぐるるる……、と。腹の虫が鳴る音が友介の耳に届いた。



 後ろでくだらない話をしている三人には聞こえていなかったのか、気付いている様子はない。ただ一人。振り返った先で顔を真っ赤に染め、下を俯きながらぷるぷると体を震わす少女がいた。


「…………」


 少女——風代カルラはゆっくりと顔を上げる。そして、真顔で自分の顔をまじまじと見てくる友介と目が合った。

 瞬間。

 彼女はキッと眉尻を吊り上げ、眼光を鷹の如く鋭くしたかと思うと、犬歯を剥き出しにして拳を振りかざした。


「おい待て待て! 今のはお前の自滅だろうが!」

「う、うるさいうるさい! 笑いたければ笑えばいいじゃない! この……この野郎!」


 悪口にもキレがない。


「はあ……」


 友介はカルラと同じようなため息を吐くと、背負っていたリュックから手提げ型の小さな弁当袋を取り出し、中に入っていたおにぎりを手に取った。

 それは、少し形の悪いおにぎりだった。


(これ……杏里が作ったな)


 どうやら、友介の初出勤ということで張り切ったらしい。袋の中には他にも七個ほどおにぎりが入っていた。


「ってこんなに食えるか!」


 突然叫んだ友介に、後ろの四人がビクリと肩を振るわせた。それに気付く様子もなく、友介は手に取ったおにぎりをカルラに放った。


「うあ、わわ!」


 危うく取り損ねそうになったそれを、カルラはギリギリの所で両手の中に収めた。さらにポンポンと二つのおにぎりが投げ渡される。


「ちょ、ねえ。何これ?」


 怪訝な声を上げるカルラ。彼女は両手いっぱいになった三つのおにぎりを呆けたように見つめると、すぐに顔を上へ向けた。

 当の友介はすでに前へザクザクと進んでいた。


「ねえって、ば!」


 ぐいっと友介の服の襟首を掴んだ。「ぐえっ」と蛙みたいな声出して友介が立ち止まる。


「おい……何すんだお前……ッ!」

「アンタこそどういうつもりよ。何? 好感度上げようとしてんの? 言っておくけど、こんなのじゃあフラグは立たないわよ。これだから童貞は……。女子に優しくしたらそれだけでモテるって勘違いしてるんだもんね。残念ながら、この程度では惚れないわよ」

「お前の好意だけはいらねえ!」


 友介はそう吐き捨てると、前へ向きなおって再び歩き出した。草次達は歩く速度が遅いのか、結構距離が離れてしまっていた。


「つうか勘違いすんな。誰がお前なんかのために好き好んで昼飯やらなきゃならねえんだ。あまりに量が多かったからお前にも手伝ってもらおうと思っただけだ」

「ツンデレアピール? 男のツンデレとか需要ゼロだから」

「お前にツンデレアピールして俺に(とく)があるのか?」


 どうやら調子が戻ってきたらしい。罵倒に悪意が染み込んでいるのが分かった。


「さっさと食えよ」

「はいはい、ありがとうございます」


 そう言うと、カルラは小さな口で一生懸命おにぎりを食べ始めた。


「……美味しいわね」

「そりゃ良かった。塩と砂糖間違えてなかったか?」

「ええ。妹が作ったの?」

「ああ」

「できた妹ね。こんな兄を持ったあの子がとても不憫だわ」

「安心しろ。あいつはもうすでに受け入れてる」


 話している間に目的地に着いていたらしい。顔を上げれば、大きな洋館が建っていた。


「館って言うから武家屋敷みたいなもんを想像してたんだが……」

「ま、何でも良いわ。さっさと任務を終わらせましょう」

「土御門字音の殺害だな。まあ、まずはこの館に隠れているっていう土御門字音を探す所から始めるか」


 友介の言葉に、しかしカルラは何も返さなかった。

 不審に思った友介はカルラの顔を見た。


「……ッ」


 彼女は、責めるような顔でこちらを見ていた。

 怒気すら含んだ顔で、彼女は真っ直ぐこちらを射抜いてくる。


「……な、何だよ」

「別に」


 短くそう答えたカルラは、友介の横をすり抜けて洋館の方へと歩き出した。

 後ろで喋っていた草次達が友介に追い付いても、彼は動けずにいた。


「……意味が、分からねえ」


 どうやら彼女にも、曲げられないものがある。

 友介には、まだそんなことしか分からなかった。


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