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Rule of Scramble  作者: こーたろー
第一編 法則戦争
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第四章 安堵友介 5.決意

 ズダンッ!! と小さな鉛玉と岩製の大蛇が真正面から激突する。僅かに火花が散る。

 弾丸と岩塊の衝突による結果。そんなもの火を見るよりも明らかだろう。考える必要すらない。小さな鉛の塊が巨大な岩に勝てる道理などない。

 だが——。


「なんでだ……っ」


 苦しげな声が一つ。

 それをかき消すように、土砂崩れのような轟音とガラスの破砕音にも似た音と共に、大蛇が木っ端微塵になった。


「なんで、届かない……ッ!!」


 タン、という軽いステップを踏む音。

 音源を見ても、そこに敵の姿はすでになかった。

 元々広い部屋だった上に、壁やらなんやらが破壊されてより行動範囲が広くなっている大部屋。だが、だからといって屋外のように空間に際限がないわけではない。床に瓦礫が散乱していることもあり、機動力も落ちるはずだ。必ず目の届く位置に、あの男は——安堵友介はいるはずだ。

 なのに。


「一体どこにいるんだ!?」


 ただの一度として彼の姿を視認できない。

 時に横へステップし、時に後退し、ヴァイスの魔術攻撃さえ利用して身を隠し続ける安堵友介。

 仕方なく、岩を殻のようにして自分の身を守る。

 直後、ずががががががが!! と岩の破砕音がヴァイスの周囲を埋め尽くす。


「く……っ!!」


 歯を噛み、友介を探す。こうしている今も、ヴァイスの脳は魔術によって侵蝕されていた。


(……そうか)


 そこで、気付いた。


(なら、この暴走を逆手に取ろう……っ!)


 あらん限りの力で歯を噛んだ。その結果奥歯が折れたが、不思議と痛みは感じなかった。

 一瞬にしてイノシシの面を外し魚の面を手に取る。

 それは、水を司る『マツヤ』に関する妄想を補完するために使われる魔術媒介。

 普段なら矛と盾、二つの使い道が存在する力を、ヴァイスはあえて暴走させた。


「おあああああああああああああああああああああああっ!!」


 矛でも盾でもない。

 ただの災害として使う。

 水の奔流が人間を襲う——。

 ズアッ!! と、ヴァイスの背後に回り込んでいた友介へ激流が殺到した。


「チィッ!!」


 ギンッ!! と友介の左目が見開かれる。同時に、巨大な体積を誇る水——その至る所に黒点が浮かび上がった。

『魔眼』。

 友介の左眼に宿っていた悪魔の眼がその猛威を存分に振るう。黒点へ弾丸を撃ち込むと、水が一瞬で蒸発するようにして消え去った。

 それを見た友介が、一際強く地を蹴ってヴァイスへと突っ込む。

 足音を聞いたヴァイスが振り向く。


(——遅い!)


 身を屈めて横へ跳んだ。それだけで、ヴァイスの視界から逃れられることを友介は知っている。


「お、ぉおおおおおっ!」


 右手の拳銃でヴァイスの体へ銃弾を叩き込んだ。

 鮮血が尾を引いた。

『魔眼』は使っていない。だが、ただ銃弾を体に受けただけでも、人の体は壊れるものだ。


「あ、ぐぅ!」


 ヴァイスのうめき声も無視して、弾が無くなるまで右手で引き金を引き続けた。

 やがてヴァイスは力が抜けたように地面へと倒れ込み——その寸前で踏み止まった。

 失ったはずの右腕もいつの間にか戻っていた。

 一度死んで——そして命のストックを消費して蘇生したのだ。

 だが。

 そんなことはすでに予想できていたこと。今更驚くようなことでもなんでもない。


「お前は、唯可を傷付けすぎた!」


 ヴァイスの視界の外から、友介は己の怒りをぶつける。

 周囲から水塊が一斉に襲いかかってきたが、それら全てを左の『魔眼』と右の『眼』でいなす。


「俺にはお前の事情なんてどうでも良い。お前の復讐が悪いことだとも思わない。俺には関係ない話だからな」

「だ、まれえッ! お前らが……お前らがぁ!!」


 彼の過去は、友介には想像することも出来ない。家族を殺された末、自分の体を捨てる——そんな決断をするほどの苦しみを、安堵友介は感じたことはない。

 だが、これだけは分かる。



 彼の言い分を、友介は認めるわけにはいかない。



 それは、正しさとか、正義とか、倫理とか道徳とか——そういう高尚な理由からではない。

 それを——ヴァイス=テンプレートの言い分を認めてしまうことは、友介の大切な人達もまた復讐されても仕方がない。——そんな横暴で理不尽な事実を認めてしまうことになるからだ。


(確かに、アンタの身には悲劇が降り注いだんだろう。お前のその表情を見ていれば。この眼が何度も見た、苦痛に塗れた表情を見ていれば嫌でも分かる。分かりたくなくても分かる)


 大量の打製石器が二つ上の階の天井から氷柱のように伸びているのが、友介の右眼の端に映った。

 友介はそれらが一斉に掃射される寸前に天井——否、岩の氷柱を作る魔術そのものに破壊の象徴たる黒点を作り出し、撃ち抜く。

 ベキン! という音と共に、岩の氷柱が全て砂塵へと変じた。


「クソがああああああああ!!」


 ずずずずずずずず……ッ!! と。今度は友介の周囲の地面が崩れ始める。


「無駄だっての!」


 火薬の爆発音が一つ。それと共に足場の崩壊が止まる。

 友介は弾丸の切れた右の拳銃から弾倉を抜き去り、ベルトに挿していた弾倉を瞬時に再装填する。これで杏里から貰った弾倉は最後。左手に握る純白の拳銃に含まれた四発の弾丸をあわせた、残り二十発で、勝負を決める。

 銃弾の雨をお見舞いしてやる。

 大量の鉛玉が上半身を蜂の巣にし、続く脳天への一発が決め手となる。


(残り二つッ!)


 友介は止まらない。そのまま崩れ落ちるヴァイスへと駆けていく。

 どさり、という音と共にヴァイスの体が地面に叩き付けられ、少し遅れて立ち上がった。


「回復速度が遅くなってるぞ」

「お前……こそ、僕を殺す時にその『魔眼』を使わない辺り、結構負担が大きいんじゃないのか!?」

「……ッ」


 友介は小さく舌打ちをする。

 彼の言う通りだった。魔眼を使用するたびに、脳に針をぶっ刺されているかのような激痛が襲ってくるのだ。

 だが。


「だからどうした……ッ!!」


 怨嗟すら含んでいそうなほど執念に溢れた声で、友介はそう返す。


「それに、自分のことを棚に上げて正義を振りかざすお前なんかに負けてたまるか!!」

「ああ!?」


 ヴァイスの顔面が見にくく歪んだ。それに構わず、友介はさらに言葉を重ねる。


「俺とお前は何も変わらないのに、どうしてお前はそんな方法しか取れないんだよ!! 何で間違ったんだよ!! なんで無関係な奴を傷付けるような選択しか取れないんだよ!!」

「変わらない、だと……?」

「ああ、そうだ。家族の仇を討とうと……大切な人のために戦おうとしているお前は、今の俺と何も変わらない」

「————ッ」


 その言葉に、ヴァイスの頭の中の何かがぶち切れた。


「ふざけるなッ! お前が僕と変わらないだと!? 人殺しの子孫が……悪魔の血を引くお前が!? 思い上がりも甚だしいぞ! 違う! 僕はお前らとは違うッ!」

「一緒だッ!! お前も、俺も、大切な人のために戦おうとしてる。ただ、俺は大切な人が生きてる。お前の大切な人は死んでる。俺たちの間にあるのは、その違いでしかないッ!」


 大切な人のためなら、どんな邪悪な手段も取ろうとする思考——その根本的な部分でさえも、二人は同じだ。

 生きている少女を守るために戦う安堵友介と。

 死んでしまった家族の無念を晴らすために戦うヴァイス=テンプレート。

 その違いはあっても、けれど戦う理由が己ではなく他者のためであるということに違いはない。

 だが——、


「ただ一つ、俺とお前では圧倒的に違う点が存在する!」


 四方八方から襲い来る小竜巻を、魔眼を使って全て破壊する。

 友介が竜巻に手間取っているそのタイムロスを利用して、ヴァイスは竜巻の風に乗って後方へと退避した。彼我の距離が二十メートルほどにまで離れる。


「————づ!!」


 それを追おうとする友介。だが、不意に激痛が左目を中心に発生した。激痛は左目だけに留まらず脳へすら伝播する。

 意識が一瞬跳びそうになるのを必死に堪える。


「そ、れは……ッ!! ぎ、ぃ……っ! ……っ、お前は、大切な人のことを、忘れてしまったことだ……ッ!!」

「————ッ」


 どくん! と。ヴァイスの心臓が一際大きく跳ねた。だってそれは、ずっとヴァイスの胸にしこりとして残っていたものだから。いつだって、胸の中心に小さな棘のように刺さっていた感情。


「お前は、復讐に捕われ過ぎていた。お前の目にはいつだって、俺しか映っていなかった……。標的のことしか……お前の家族を殺した奴のことしか覚えていなかった!!」 


 つまりそれが、違い。

 この違いは別に、戦いの勝敗には関係無い。

 けれど、これだけは言っておくべきだと思ったのだ。

 ついさっきまで、今の彼と同じように、一番大切なものを忘れていた友介だからこそ、言っておかなければならないと思ったのだ。


「だから俺は間違えない。俺はお前とは違うから。俺はもう、見失わないから! だから!!」

「黙れええええええええええッ!」


 ヴァイスが吠えた。


「お前になんか負けるかっ! 大体、僕は忘れてなんかいない! 僕は……僕はあ!!」



「嘘だ!!」



 一言で断じた。


「クソォオオオオオオオ!」


 直後、ヴァイスの怒りに呼応するように、竜巻がその数をさらに増した。二十、三十、四十とヴァイスの制御を離れ無秩序に暴れ回る。


「お前なんか……お前なんかァッ!」


 轟!! と風がうねり、そのあまりの勢いに吹き飛ばされそうになる。少し遠くで見守ってくれている唯可の顔が引き攣っているのが分かった。


(これは……まずい……!!)


 勢いは、時間が経つにつれて等比級数的に強まっていく。

 左眼の奥が激痛を訴えていた。

 これ以上魔眼を酷使すれば、脳に重大なダメージが残る可能性すらある。

 でも。

 だけど。



 ————それは、ここで立ち止まる理由にはならない。



 ズグン……ッ!! と今までとは明らかに異なる痛みが脳を侵蝕した。

 それら全てを意志の力だけで()()ける。

 止まろうとする脳を無理矢理に動かし、末端の神経へと命令を送らせる。


「————ッ!」


 腹に空けられた穴から大量の血がこぼれ、激痛を発する。


(たの、む……っ。今、だけは……今だけで良いから……!!)


 一歩を踏み出し——


「————ッァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 さらにもう一歩——大地を蹴り抜く!!

 勢いに任せ、友介は己の全てを出し切って駆け出す。

 ずあっ!! と四方八方から竜巻が殺到した。友介はそれら全ての動きを右眼で補足。未来視にも到達し()るその力で、全ての挙動を把握する。


「————全部、最初から見えてんだよ!!」


 短い呼気と共に三発の弾丸を射出。三つの竜巻それぞれに作り出した黒点を貫いた瞬間、その全てが虚空へと消え去った。

 空いたスペースを走り抜け、風の檻から抜け出す。背後で五つの竜巻が重なり合い、その勢いが増した。轟音と突風が友介の背へ叩き付けられたが、友介はそれを前へ進むための推進力として利用する。体が宙に浮き、前へ。


「ぉ、ォオオオオオっ!」


 視界に現れた竜巻を、魔眼と『眼』の力を上手く利用して全て破壊する。

 竜巻によって巻き上げられた砂塵が友介の皮膚を裂いた。

 魔眼の副作用か、どろりとした赤い粘液が左目から垂れてきていた。

 腹に開いた穴からは今なおドクドクと血が溢れ出している。一度引き金を引くたびに、一歩足を踏み出すたびに、一つ咆哮を上げるたびに、決して少なくない量の血液が消えていく。


 それでも止まらない。

 止まるわけにはいかない。


 竜巻の魔術ではダメだと考えたのか、ヴァイスは戦法を変えた。

 壁を——否、技術省という建物そのものを一つの岩塊として解釈し、利用したのだ。


 その結果。

 まるで靴下をひっくり返すように、技術省の建物の裏表がひっくり返った。ずるずるずるずる……ッ!! と天井がフロアを破壊しながら迫ってくる。

 それだけではない。

 硬い建材で作られた壁や床が意志を持つように変形し、友介へ殺到してくる。


 右眼だけでは間に合わない。

 魔眼だけでは壊しきれない。

 友介一人の足では辿り着かない。


「————これが、神話の力だ! これが、ヴァイス=テンプレートの信念の結晶だ!! 全て受けろ!!」


 友介はとっさにそちらへ注意を向ける。

 だが。

 ゴギンッ!! と。

 友介の横っ腹を、うねうねと動く岩の円柱が叩いた。

 少年の足が止まり、直後————。

 どごごぎぎごがぎががごががががごがぎがどごッ!! と轟音が鳴り響いた。四方八方から飛来した岩柱が友介を叩いた。全身のあらゆる骨が折れたのが自分でも分かった。


「がばああっ!? ぎ、がああああああああああああああああああああああああああああッ!?」


 意識が飛んだ。

 視界が真っ白に染まった。

 一瞬後には純白の景色が暗闇へと変じていった。

 暗黒の世界へと引っ張られる。

 結局、ダメなのか。

 どれだけ死力を尽くしても、

 己の命を投げ捨てても、

 圧倒的な力の前には膝を突くしかないのか。

 負け犬では、四年前の地獄をズルズルと引きずり続ける弱虫では、



 大切な人一人守ることも出来ないのか——?



 魔眼なんていうラッキーアイテムを得てなお、俺は勝つことが出来ないのか。


(ク、ソぉ……!!)


 涙があふれそうになった。

 悔しかった。


(ごめん、唯可。俺はもう——)



「がん、ばれ……っ!! 負けるな、私の英雄(ヒーロー)ォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」



 誰かの声が、聞こえた。

 今にも泣き出しそうな声。大切な女の子の声だ。守りたいと思った女の子。初めて自分よりも大切だと思った女の子。

 ああ、ダメだ。

 止まれない。

 止まらない。

 そこまで傷付いてなお、諦められない。

 ここで倒れてしまえば、唯可が死んでしまうから。


 折れた骨は治せばいい。

 裂けた肉は縫えばいい。

 流れた血は補えばいい。

 だけど——

 ここで立ち止まってしまえば、

 ここで倒れてしまえば、

 ここで折れてしまえば、

 空夜唯可を失うことになる。

 最も大切なモノを、取り戻せなくなる——。


(それだけはごめんだ!!)


 だんっ!! と四股を踏むように崩れかけた体勢を立て直す。力の限りを尽くして地を踏んだ。

 そして駆け出す。

 迫る天井に黒点を作り出し、そこへ鉛玉でぶち込んだ。天井は木っ端微塵に崩れ去り、崩壊が止まる。星のない夜空が四角形に切り取られた。


「ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」


 うねうねと蛇のように動き迫ってくる岩柱を、時に屈んで、時に破壊して、時にその上を跳んで、時にその上を走って。

 そうして作った僅かな隙の間に、一発の弾丸を、ヴァイスの腹に作り出した黒点に叩き込む。弾丸が飛翔する。あらゆる障害の間を抜けて、黒点を貫く。

 ガラスの割れるような破砕音と共にヴァイスの体が木っ端微塵に砕けた。

 砕けた体が、ビデオを巻き戻したように再生する。


 ヴァイス=テンプレートの命のストックはあと一つ。

 そして、安堵友介の拳銃に込められた弾丸も、残り一つとなった。

 もうすでに、一歩踏み出せばヴァイスの体に触れられる距離まで走ってきた。

 ヴァイスの体が完全に再生した。

 その顔には、真っ白な面。


「————ッ!!」


 あの異様な激痛が全身を包んだ。

 だから少年は、



 一秒の迷いもなく、銃弾を己の太腿に叩き込んだ。



 激痛で意識が跳びそうになる。だがそれと同時に、最後の弾丸と引き換えに、一瞬だけ、あの蟲に全身を喰われているかのような感覚が消えた。

 その一瞬を逃さない。

 友介は体を前へ倒し、左腕を大きく振ってヴァイスの左頬を打った。裏拳のようにしてヴァイスの顔面を叩いた結果、一緒に真っ白な面が外れてどこかへと飛んでいく。

 左手から真っ白な拳銃も抜けていく。


「な、あ……っ!!」


 目の前で驚顎に目を開くヴァイス=テンプレート。彼はギリ……ッ、と歯噛みすると、左手を軽く振って、もう一度虚空から真っ白な面を引き出そうとする。


「させるかあッ!!」


 しかし、ヴァイスの左腕に黒点を生み出した友介が、コンマゼロ一秒の差でその黒点を右手の拳銃のグリップで思い切り殴りつけた。ミシ……ッ!! という骨が砕けるような音が鳴った。そのまま拳銃で引っ掻くようにして皮膚に擦り傷を入れた。黒点に白い亀裂が走ると、その亀裂がヴァイスの左腕全体に広がっていく。真っ赤な鮮血が溢れ出し、左腕が崩れていく。


「————」


 その光景を見ても、ヴァイスはさして驚顎を示さなかった。ただ、消えていく自分の左腕を眺めながら、ポツリと漏らした。


「何なんだ、その力は……」


 安堵友介の右手からも拳銃がすっぽ抜け、すでに得物は存在しない。

 それでも。

 友介は右手を岩のように固く握りしめた。最後の力を、右の拳に集める。

 弓を引き絞るように、腕を思い切り背後へ引いた。

 そうして、彼の言葉に、拳と共にこう答えた。



「お前が、(なく)したものだよ」



 友介の拳がヴァイスの顔面に突き刺さる。

 轟音が炸裂し、瓦礫だらけの地面をヴァイスは何メートルも転がっていった。



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