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Rule of Scramble  作者: こーたろー
第五編 楽園侵食
104/220

行間三 赤の■

 そんな私でも。

 そんな私だから。

 叶えたいものがあった。

 色んな後悔を抱いて。

 色んな罪を犯して。

 色んな罰を求めて。

 色んな恐怖を抱いて。

 そんな私だからこそ、抱いた何かがあった。

 逃げて逃げ続けて。

 断崖の前で立ち尽くして、時計の針を止めてしまった私にも、やりたいと思うものができた。

 生まれて、初めて抱いたものがそれだった。

 それがナニカなのかは分からない。

 けれど、気が付いた時にはこの胸の中にあったもの。

 私は、

 私の■は――――


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