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太陽の勇者と月の巫女  作者: 涙花
転移したら女の子を拾いました。
66/100

禍々しき創作物

ブックマークありがとうございます。

翌日、二日酔い気味の師匠と先生、元気一杯なレティンシアと一緒にギルドへと行く。

もちろんレティンシアのギルドランクを上げる為だ。

初めての依頼(クエスト)は薬草採取。手続きをして依頼(クエスト)をこなす為に街の外に出る。

驚くことにレティンシアは薬草については知識があった。調合で使っていた薬草は分かるらしい。間違えることなく目的の薬草を採取し、初めての依頼(クエスト)は無事に達成条件を満たす事が出来た。

思っていたより早くに依頼(クエスト)を達成できたので残りの時間、俺は師匠と組み手や剣の稽古、レティンシアは先生に弓を教えてもらっていた。


そして日が落ちる前に街に戻ってギルドに達成報告をして報酬を貰った。

次の日から毎日同じように、ギルドで依頼(クエスト)を受けて達成条件を満たした後は修行、日が完全に落ちる前に街に戻って達成報告、途中パーティーでの討伐依頼(とうばつクエスト)を受ける日もあったが、1ヶ月これを繰り返してレティンシアのギルドランクをGランクからEランクに上げる事ができた。もう1ヶ月すればDランクに上げることが出来るだろう。


今日もパーティー限定討伐依頼(とうばつクエススト)の達成報告にギルドに来たのだが、最近絡まれることが多い。


「レティンシアちゃん。俺達とパーティー組まない?」

「お断りします。」


「僕達と一緒に狩りにいかないか?レティンシア。」

「嫌です。あと呼び捨てにされるのは不愉快です。」


「レティちゃん。デートしてくれ!」

「親しくない方に愛称で呼ばれるのはもっと不愉快です。デートもしません。」


「レティンシアさん。結婚してください。」

「お断りします。」


「レティンシアちゃ~~ん!ぼくとイイコトしよう!!」

「興味ありません。」


「レティンシア!俺の物になれ!!」

「断固拒否します。それと呼び捨てにしないでください。」


レティンシアに絡む男がとにかく多いのだ。俺達が一緒にいてもお構いなし口説きに行くのだが、レティンシアには全く相手にしてもらえない。たまに物理的にも特攻していく奴がいるのだが、容赦なく棍で返り討ちにされるか、人数が多いと風魔法で吹き飛ばされることを毎日繰り返している。いい加減諦めればいいのにと思うのだが、諦めるどころか人数が増えていく。最近返り討ちにされるのを期待して突撃する奴もいる。自分の中の新しい世界の扉を開くのは勝手だがこちらを巻き込まないでほしい。


討伐完了の報告をして報酬を貰うと、男共は無視してギルド支部を出る。途中棍で撃退され床に伸びている奴もいたが、レティンシアは容赦なく力強く踏んでいく。このままだとレティンシアが危ない世界の扉を開いてしまいそうだ。


宿に戻り食事を食べたあと、今レティンシアは入浴中だ。


「師匠、先生、一刻も早くこの街を離れましょう。」

「急にどうしたんだい、ルカ。」


流石に師匠と先生にレティンシアがS属性に目覚めそうだからとか言えないな。


「先生、レティに群がる男が増えています。一度この街を離れて北にあるエーレにでも行った方がいいと思います。このままだと(危ない世界の扉を開きそうで)危険です。」

「まあエーレにもギルド支部はあるしそうするか。レティも人数が多いと撃退するの大変だろしな。ギャレットもいいか?」

「私にも異存はないよ。明日発つのかい?」

「俺はそれでもいいと思います。」

「よし、じゃあ明日ここを発ってエーレに向かおう。」


浴室から出てきたレティンシアに明日ここを発って北にある街エーレに向かうと告げると嬉しそうにしていた。男たちを撃退するのは面倒だったらしい。


翌日、宿を引き払うと北の街エーレに向かって出発した。


刺客に襲われることもなく、1ヵ月程でエーレに着いた俺達はレティンシアのランクを上げるため依頼(クエスト)を受けまくった。

そして、エーレに来て2カ月後レティンシアは無事Cランクに上がった。全力を出さないように70%ぐらいにセーブして試験を受けるように言ったのが功を奏したのだろう。実力的にはBランクでもおかしくはないのだが、レティンシアもいろいろ規格外な部分があるからCランクに抑えたのだが上手くいって良かった。


この街でも勇者と巫女の伝承について調べたが、出てくる話は俺達が知っている事ばかりで目新しい情報はなかった。まあ簡単に見つかるとも思っていないのでそれはいいのだ。

レティンシアは自分の容姿が目立つということを理解したらしく、人目がある場所では絶対にフードをおろさなかった。徹底して顔を隠していたお陰で、エーレでは最近まで静かに過ごせていたのだが残念な事にベルンから来た冒険者の中にレティンシアに付きまとっていたストーカーがいた為この平穏は脆くも崩れ去った。美少女だというレティンシアの顔を見ようと仕掛けてくるのを撃退するのも面倒になってきた俺達は次の街に移動することにした。


「でも、他の街に行ってもレティに付きまとっていた奴はいると思うぞ。」


そうなんだよな。他の街に移動してもそこにレティを知ってる奴がいたら状況は変わらない。ストーカー男の話によるとその他のストーカー共もベルンを離れたと聞いている。きっと他の街にいるだろうな。


「じゃあせめて街を離れられるような依頼(クエスト)でも受けませんか?」


毎日毎日懲りもせずにやってくる奴らの相手をするのは面倒だ。


「そうするか。」


明日はギルド支部に行って遠方の依頼(クエスト)を受けよう。

俺と師匠で今後の予定を決めてしまったが、レティンシアと先生はちゃんと部屋の中にはいる。ただレティンシアはザクザクと音がしそうな勢いで刺繍をしている。先生は怪しげな道具を取り出してなにかしている。師弟揃って無表情で作業していてものすごく怖い。そっとレティンシアの刺繍を見てみたら綺麗なのだが、俺は持つのは絶対嫌だと思わせる何かがあった。

先生はブツブツと何か言いながら…人形を作っていた。何する気ですか⁉︎


もはや一刻の猶予もない。明日絶対ここを離れよう。

ありがとうございました。

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