冒険者になろう!②
「お待たせしました。冒険者ギルドへようこそ。受付担当のネイダです。よろしくお願いします。」
「ルーカスです。こちらこそよろしく。」
「冒険者登録ですね。ギルドへの入会金として銀貨3枚が必要ですが、お持ちですか?
お金がいるのか。貰ってて正解だったな。
上着から巾着を取り出すと、その中から銀貨を3枚取り出す。
「はい。銀貨3枚確かに頂きました。それではこちらの申込書を記入してください。」
しかし、申込書を渡されたが何が書いてあるのかまったくわからない。
仕方ないので代筆してもらえるか聞いてみる。
「すみません。代筆はしてもらえますか?」
「大丈夫ですよ。では申込書をこちらにください。」
もらったばかりの申込書をネイダさんに渡す。
「お名前は『ルーカス』さんですね。おいくつですか?」
「15才です。」
「魔力はありますか?」
「魔力?たぶん無いと思います。」
勇者ならともかく、俺は勇者じゃないらしいからな。たぶん無いだろう。
「魔力の有無はここでも調べられますけど、どうされますか?」
「(ここで調べられるなら念のため、調べもらうか。)お願いします。」
「分かりました。少しお待ちください。」
ネイダさんは後ろの棚に向かうと、そこから小さい箱を持ってきた。
カウンターの上に置いて蓋を開ける。箱の中にはピンポン玉ぐらいの大きさのガラス玉のようなのが入っていた。
「これを持ってください。」
魔力があると光ったりするんだろうか?ドキドキしながら箱からガラス玉を取り出して、手のひらに置いてみる。
・・・・・・何も起こらなかった。無いと思ってても、実際に突き付けられると少しへこむな。せっかく異世界に来たんなら、魔法とか使ってみたかった。
変化しないガラス玉を見てがっかりしていると、
「おめでとうございます。しかも、片手で持てるなんて魔法適性も高いみたいですね。属性の適性は、専用の部屋があるのでそちらで確認しましょう!」
驚いて顔を上げるとネイダさんがニコニコと笑っていた。
「俺、魔力あるんですか?」
確認の為聞いてみる。魔法適性も高いって言ってたから間違いないとは思うが念のため。
勘違いとかだと恥ずかしいからな。
「はい。ありますよ。調べてよかったですね!」
出来たら治癒魔法は使えるようになりたい。でもさっき適性属性って言ってたよな。なんの属性なら治癒魔法って使えるんだろう?
「あの、治癒魔法とかも覚えられますか?」
「治癒魔法は治癒、水、光のいずれかの属性を持っていれば覚えられます。ただ、光属性はかなり希少ですし、治癒属性にいたっては月神殿と太陽神殿の巫女様方だけだと思いますよ。」
「(水属性があることを期待するしかないか。)分かりました。ありがとうございます。」
「どういたしまして。えっと、魔力は『有り』ですね。・・・・・・では今からギルドカードを作成するので少しお待ちください。そうだ、ギルドカードを作っている間に適性属性の確認をされませんか?」
(待ってるだけじゃ暇だし、そうするか。)
「確か、専用の部屋で調べるんですよね。どこの部屋に行けばいいんですか?」
「ご案内しますね。」
ネイダさんに連れられて向かった先には階段があった。そのまま階段を上って2階に行くと、階段の正面に扉があった。
「ここが適性属性を確認する部屋です。」
ネイダさんと一緒に部屋の中に入ると、部屋の中央にテーブルが置いてあり、その上に大きな水晶玉がある。
「水晶玉に両手を置くと、色が変わります。茶色が土、緑が風、水色が水、赤が火、黄が雷、白が光、黒が闇、銀が治癒です。」
「白と銀って見分けられるんですか?」
「説明するのは難しいですね。でも見れば分かるみたいですよ。」
そんなものかと思いながら、水晶玉に手を置こうとしたらネイダさんに慌てて止められた。
なんでも、部屋の中に複数人いる状態で調べると、稀に他人の属性と交ざってしまうことがあるらしい。
たとえば、火属性持ちと水属性持ちの場合は紫という感じになる。それを防ぐために、結界で隔離した個室で一人ずつ調べるんだってさ。
「確認が終わったら、さっきのカウンター前まで戻って待っててくださいね。」
そう言って、ネイダさんは部屋を出て行った。
よし、それじゃあ早速やってみるか。
行き当たりばったりで書いてます。
矛盾したところも出てくるかとは思いますが、寛大な御心で読んで頂けると嬉しいです。ありがとうございました。