表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽の勇者と月の巫女  作者: 涙花
勇者召喚されたけど人違いでした。
5/100

冒険者になろう!①

ギルド支部の前まで着いた時にちょうど串焼きも食べ終わったので、早速扉を開けて中に入ってみる。

室内は思っていたよりもきれいだった。カウンターがいくつか並んでいて、各カウンターの上に看板がぶら下がっている。そういえば、屋台のおっちゃんもギルド支部って言ってたな。もしかして、いろんなギルドが集まってるのか?まあいいや。とりあえず冒険者ギルド・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・読めない。

言葉は分かるし話せるから安心してたが、字はまったく読めない。文字から勉強しないといけないのかよ。てゆうか、この世界の識字率ってどれぐらいなんだ?文字書けないと冒険者ってなれないのか?


腕を組んでどうしようか考えていると


「そこのガキ、なに突っ立ってやがる!邪魔だから退け!」


振り返ると、筋肉隆々で強面のおっさんが立っていた。


「すみませんでした。」


謝りつつ端に避ける。そのまま通り過ぎていくのかと思ったが


「お前、見ない顔だな。新人か?」

「はい。冒険者になりたくて来たのですが、冒険者ギルドがどれか分からなくて。邪魔をして申し訳ありませんでした。」

「仕方ねえな、ついてこい。冒険者ギルドはこっちだ。」


おお。見かけによらず親切な人だ。


「ありがとうございます。」

「ふん。」


筋肉なおっさんの後ろについて行く。向かったカウンターは入口の正面にあるカウンターだった。


「おかえりなさい。いかがでしたか?」


カウンターの前におっさんが立つと、受付のお姉さんが声を掛けてきた。


「ふん。この俺がたかだかC級クラスの討伐に失敗するわけないだろう。」

「見たところ、お怪我もないようですね。安心いたしました。では、ギルドカードをお預かりいたします。」

「おう。」


おっさんが懐から取り出した金属のカードっぽいのをお姉さんに渡す。その様子を伺っていると、おっさんが振り返った。


「おい、姉ちゃん。」

「はい。どうかされましたか。」


おっさんが俺を前に突き出す。


「こいつ冒険者になりたいんだとよ。手続きしてやってくれ。」

「あら、新人さんですか?」

「入り口で冒険者ギルドのカウンターが分からないって突っ立ってたから連れてきた。後はよろしくな。」

「はい、かしこまりました。まずはアンドリューさんの手続きを終わらせますね。」

「ああ。」


アンドリューさんってゆうのか。見た目はかなり怖いけど、面倒見のいい人だな。顔は怖いがな。

若干失礼な事を考えているとアンドリューさんに呼ばれた。


「お前名前は?俺はアンドリューだ。」

「ルーカスです。」


とっさに出たのは、長らく使っていなかったセカンドネームだった。

俺は母親が日本人、父親がイギリス人のハーフなのだ。父親の血が濃く出たのか外見は髪が金髪、目は碧。この外見のお陰で学校では不良どもには目を付けられるし、散々だった。

うん?そういえば、お城では名前聞かれなかったな。まあ俺は勇者じゃないから興味無かったんだろう。

ちなみに、日本名は龍宮タツミヤ 彰斗アキト、イギリス名はアキト・ルーカス・ハワードだ。


「んじゃあルーカス、詳しい事はこの受付の姉ちゃんに教えてもらえ。」

「はい。いろいろとありがとうございました。」


「お待たせしました。こちらが今回の報酬です。」

「ああ。ありがとよ。」


アンドリューさんはお姉さんから小さな革袋を受け取ると俺を見た。


「俺はもう行く。」

「はい。本当にありがとうございました。」


俺は改めて礼を言って頭を下げる。


「じゃあな、精々死なないように頑張るんだな。」


そう言い残してアンドリューさんは去って行った。

その背中を見送っていると、受付のお姉さんに話しかけられた。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ