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太陽の勇者と月の巫女  作者: 涙花
勇者召喚されたけど人違いでした。
18/100

初クエストに行こう!③

本日3話目。あと1話投稿します。

門を抜け、橋を渡った先には草原が広がっていた。

南には見える範囲には何もない。東には手前に森、奥には山。西には山。街の更に北側にも山。

ここは山に囲まれた国のようだ。山しかないと思うと魚が食べたくなる。サンマ食いたいな。


おっとサンマの塩焼きを思い浮かべている場合じゃない。クエストをやらないといけないんだった。

貸してもらった図鑑を開いて採取する薬草のページを見て、色と形を覚える。

大体の色や形が分かれば、それっぽいのを見つけたら『眼』で確認すればいいんだからな。

よし、頑張って探すぞ!






それなりの時間が経過して太陽はいま頂点に達している。

俺は宿でもらったお弁当を食っている。弁当の中身はサンドイッチだった。少し量が物足りなかったが、飯抜きよりは断然に良い。しばらくは弁当だけで我慢して、余裕が出来たら何か買うようにしよう。


そして俺の午前中の成果がこれだ。


  ポポル草 150束ぐらい

 ヨーギ草  20束ぐらい

 クコの実   0個

 フィアの花 10本ぐらい


ポポル草は比較的どこにでも生えているものらしくすぐに見つかった。ヨーギ草もすぐに見つかったがあまり群生しないらしく1か所で採れるのは3束ぐらいだ。クコの実はまだ見つけていない。フィアの花はたまたま見つけた。辺りを探したけど他に見つけられなかったからこれもあまり群生はしないのだろう。


でも3日で集めるのを午前中だけでこれだけ集められたのは運がいい。弁当も食べたし、あと半日頑張ろう。



散々歩きまわってクコの実以外の野草は集め終わり、やっと見つけたクコの実を取っているときだった。

ガサリと草が揺れる音がした。音のした方を見てみるが、何もいない。しばらく耳を澄ましていたが何も聞こえてこない。空耳だったのだろうと思い、再びクコの実を取っていく。するとまたガサリと音がした。

音のした方をみても、なにもいない。気のせいだろうか?視線を音のした方向から視線を外した時、ガサガサっと草がひと際大きく揺れて何かが飛び出してきた。とっさに逆方向によける。

飛び出してきたのは、水色の半球体だった。『眼』を使ってみる、


名 前 スライム(水色)

レベル 5

耐 性 物理

説 明 どこにでもいるが、生息地域や食べる物で色が変わる。

備 考 どこからともなく現れ、去っていく。

    どこから来て、どこに行くのか。

    それは誰も知らない。

    個体によっては2m近い大きさに成長する。

    スライムに(身長で)負けても気にするな。

    君もきっと大きくなる!


これがスライムか。中華饅のような形で大きな目と大きな口がある。但し、目の瞳孔は蛇のように縦長で口は三日月形に吊り上っている。全然可愛くない。某ゲームのスライムとは大違いだ。

それと備考。スライムがどこから来て、どこに行こうがどうでもいいだろう。そしてお前はどこまで俺の身長ネタを引っ張る気だ。


剣を鞘から引き抜き構える。耐性に物理とあったが、魔法はまだ覚えてないから仕方ない。剣が効くのか分からないが、やるだけやってみよう。


様子を窺っていると、正面から飛びかかってきた。

横にずれて正面からの相対は避けつつ、思い切り下から切り上げる。

スパッ

軽い手ごたえがあり、スライムは真っ二つになっていた。

物理耐性があるんじゃないのかとかレベル俺より高かったのにとか思ったが、無事に倒せてなによりだ。

ほっと息をついたとき、背後の茂みが大きく揺れた。


急いで振り返るとそこにはオオカミがいた。急いで『眼』で確認する。


名 前 ウルフ

レベル 5

耐 性 なし

説 明 この地域に生息していて、よく見かける。

    毛皮と牙は買い取ってもらえる。

備 考 毛皮はちょっとごわごわしている。

    ルーカスよりちょっと大きい。

    泣いちゃだめだぞ!


毛皮と牙は売れるのか。でも毛皮のはぎ方分かんないし、どこか教えてくれるところってあるんだろうか?

備考はもういい。つっこまないし諦めたから、好きにしてくれ。


牙を剥いてうなるウルフに剣を向けて睨みあうことしばし、先に動いたのはウルフだった。

飛びかかってくるウルフを剣で薙ぎ払う。手に嫌な感触が伝わってくる。


(躊躇うな。俺は元の世界に帰る為にも死ぬわけにはいかないんだ。)


嫌な汗が出てくる。スライムの時にはあまり感じなかった、生き物を殺す恐怖。分かってる、スライムだって生きてた。ゲームに出てくるような架空の生き物なんかじゃない。ここはゲームではない。斬ったら死ぬし、斬られたら死ぬ世界。殺されたくなければ、殺すしかない世界。


(覚悟を決めろ!俺は、俺が生きていくために、こいつらを殺す。)


大きく息を吸って吐き出す。そのタイミングでまたウルフが仕掛けてきた。

さっきよりスピードは若干落ちている。俺は襲いかかってきたウルフに向かって、剣を振り下ろした。



見下ろす先には、ウルフの死体がある。俺が振り下ろした剣の一撃で死んだ。俺が殺した。

吐き気が込み上げてくるのを必死にこらえる。冒険者になるってのはこういう事なのだ。

これからも俺は、命を奪い続ける。自分の為に・・・・・・。


スライムがいたところに目を向けると、そこには何もなかった。実はまだ生きていて逃げたのか、それとも地面に吸収されてしまったのか分からない。


しばらくして落ち着いた俺は、地面に穴を掘ってウルフを埋めた。毛皮は売れるらしいが、剥ぎ方が分からないからそのまま、牙だけ貰った。剥ぎ方もしっかりと勉強しよう。命を無駄にしないためにも。


クコの実を取り終わった俺は、重い足取りで町に戻った。



====================

本日の成果


ポポル草  622束

ヨーギ草  367束

クコの実  231個

フィアの花 126本


ウルフの牙 2本


スライム(水色) 1匹

ウルフ      1匹


====================

ありがとうございました。

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