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太陽の勇者と月の巫女  作者: 涙花
勇者召喚されたけど人違いでした。
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買い物に来たら呪われました④

本日2回目。

「そうか・・・。辛い事もあるかもしれんが、頑張れよ。腕輪は絶対に捨てるなよ。」

「これ以上呪われるのは勘弁だからな。捨てたりしないよ。ありがとう。

 それでさ、俺、武器と防具を揃えたくて来たんだけど。」


「おお、そうだった。買いにきてくれたんだったな。武器と防具だな。武器は何を使うんだ?」

「剣です。」


元の世界じゃ剣道やってたから、他の武器よりは少しはマシだろう。


「それならこのロングソードはどうだ?」


ロングソードを貸してもらい、軽く振ってみる。重さは問題ないな。でも竹刀よりちょっと短いな。


「もう少し長めのは無いですか?」

「うーん。あんちゃん、その剣ちょっと下げてみな。・・・剣帯は持ってるのか?」


剣帯?剣帯・・・ああ剣を下げる奴か。


「持ってない。」


「仕方ねえな、じゃあこれ使え。」

(使い方が分からん。)

「すみません。使い方教えてください。」


「剣帯の付け方も知らない癖に剣を使うのか?まさか剣も初めてじゃないだろうな。」

「実剣は初めてです。いままでは木刀を使ってました。」

「まったく、付けてやるから見て覚えろ。」


そういうと、カウンターの中から出てきて手際よく付けてくれる。


「どうだ?」


剣を鞘から抜いて、両手で握って振ってみる。次に片手でも振ってみる。

重さは問題ないな。でもやっぱりもう少し長いほうがいいかな。


「やっぱりもう少し長いのがいいな。」


「じゃあこれ使ってみろ。」


今度の剣は、竹刀と同じぐらいの長さだった

剣帯に下げて、鞘から引き抜・・・けなかった。


「ほらな。抜けんだろう。」


呆れたように親父さんが言う。


「長い剣が使いたいなら、でかくなることだな。」


しばらくは我慢するか。大丈夫だ、俺は成長期だから今から伸びるんだ。

・・・父さんはでかいから俺だってでかくなる。絶対さっきの剣抜いてやる。


剣と剣帯をカウンターに置く。


「あとは防具類だな。何を持ってるんだ?剥ぎ取り用のナイフとか持ってるのか?」

「冒険者に必要な物とかは何も持ってない。」


なにせ、寝ているところを召還されたものですから、・・・人違いだったけど。


「じゃあ揃えるからちょっと待ってろ。」


親父さんが奥の部屋や棚からいろいろと取り出してカウンターに置いていく。


「こんなもんだな。」


そう言って目の前に並べられて物は

はがねの剣

剣帯

鉄の胸当て

籠手こて

革の手袋

剥ぎ取り用のナイフ

道具用ポーチ

肩掛けバッグ

革の袋×3

水袋


だった。


「試しに全部着けてみろ。」


マントを脱いで、全部身に着けていく。重そうだと思っていただそんなでもない。これぐらいなら普通に走り回れそうだ。


「おお、似合ってるぞ!」


「ありがとう。でも、これ全部でいくらになるんだ?」

「小金貨2枚だな。」


うーん。買えはするが、残金がなぁ。まだ、他にも買わないといけないしな。

最低限にしてもらうか。


「ごめん。無理だ。」

「だろうな。まだ今から回復薬やら買うんだろう?だから残りの小金貨1枚は出世払いにしてやる。いつか立派な冒険者になったら返してくれ。」


「冒険者の出世払いって、途中で死んだらどうするんだ?」

「そんときは、見る目が無かったって事で諦めるさ。それに、この店に来なけりゃ余計な金は使わんで済んだ。ましてや呪いの腕輪を押しつけられたりもせんかっただろう。」


気にしてたのか。俺が呪いの腕輪を押し付けられたこと。


「呪いの腕輪を押し付けられたのは親父さんの所為じゃない。」

「そうだな。だが俺の気が済まん。気になるならこれからも俺の店で買ってくれ。」


確かにその申し出はありがたい。ここは好意に甘えさせてもらおう。


「ありがとうございます。早く払えるようにがんばります!」

「おう。」


俺は小金貨を1枚取り出して支払いを済ませる。


「ありがとうよ。」


小金貨を受け取ると、肩掛けバッグに皮の袋と水袋と剥ぎ取り用ナイフを入れて渡された。


「こっちのポーチはベルトに付けな。」


ポーチを受け取りベルトに付ける。これに回復薬や薬草を入れるらしい。

これならすぐに取り出せるな。

最後に肩掛けのバッグを斜めに掛けて、マントを着る。


「回復薬なら、時計塔の隣にある店が薬屋だからいってみな。」

「ありがとう。行ってみるよ。」


大分時間を取られたから急がないと暗くなる。

俺は親父さんに手を振ると薬屋目指して走り出した。



元気よく走っていくルーカスを武器屋の親父さんが見送っていた。


「元気のいい奴だな。さてと、今日はもう店じまいするか。」


看板を仕舞い、商品を片付けていく。黙々と片づけていたが、なにか引っ掛かる。

なんだろう?手は動かしつつ考えて、漸く(ようや)分かった。


「あいつの目、最初からあんな色だったか?」


目の色まで意識して見ていなかったが、違う色だったような気もする。


「目は見えてるみたいだったし、俺の気のせいだろう。」


あれだけ元気に走っていったのだ。元々あの色だったんだろう。

それにしても金色・・だなんて珍しい瞳だったな。

頑張ります。

ありがとうございました。

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