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お邪魔しますはマナーですから。

1月16日  最後をかなり変えました。

「ぁあのぉーえっとー」


 まさか言葉がわからないなんて思ってもみず、私は立ち尽くした。こういうのなんて言うんだっけ、青天の霹靂だっけ。


 黙っているわけにもいかず、もしかしたらわかってくれるかもしれないという、無いに等しい期待を込め、話しかけることにした。


「えっと、その、私、意味わからないと思うんですけど、ちょっと転生者かもしれなくて!気づいたら向こうの方で寝ていたんです、何か知りませんか!?」


 私は自分が歩いてきた方向をばっと指さしながら、必死に日本語で話しかける。しょうがないだろう!私は日本語しかまともに話せないのだから。


 しかし、女性は私の指した先と私の顔を交互に見て、ただ不思議そうに、いや、なにいってんねんこいつって感じで見られているような気がする。


 というか今思ったのだが私これ完全に不審者ではなかろうか。急に扉を叩いてきたかと思えばわけのわからぬ言葉をしゃべっている。不審者以外に何がいるのか。恥ずい!


 その場に気まずい空気が流れ私は内心半泣きである、見えないが顔は真っ赤になっているのではないか。顔が熱い。


 どうするべきかと悩んでいると、女性が話しかけてくれた


「~~~~~~~~~~~。」


 女性は手招きをしている。これは家に入るように促している捉えていいのか。


 日本は大体同じ意味だけど外国では向きによって手招きかあっち行けって意味か変わるらしいじゃない?


 どっちがどっちの意味だなんて覚えているわけがなく、あたふたとしていると、女性がそれはそれは深い息をはいて、もっとわかりやすく扉を開け家に入れとジェスチャーをしてくれた。ありがたい。


 お邪魔しますと一声かけ家に入った。

 私は常日頃から『お邪魔します』と『お邪魔しました』は絶対に言うようにしているのである。


 一歩踏み込むと、そこには牛や馬のような、干し草と獣の匂いが混じった強烈な空気が漂っていた。

家の中に家畜がいるのだろうか、お世辞にもいい匂いとは言えない。


 そして何より、靴だ。


 外国は靴を脱がないと聞いてはいたが、いざ実行するとなると変な感じがする。家に忘れ物して少し靴で家の中を歩いてしまった時のような。


 女性に付いて、私はギシギシと鳴る古い木製の階段を上がっていった。


 二階へ上がると、そこには木のぬくもりに満ちた、こぢんまりとしたリビングが広がっていた。

二階にリビングがあるなんてこれまた珍しいと思いながら進められた椅子に座る。


 椅子に座ると同時に体がすごい軽くなったように感じた。

 よほど疲れていたのであろう。 以前ならすぐに筋肉がプルプルしていたはずの道だったのに意外と疲れていない。不思議である。


 首をかしげる私を置いて、女性は台所らしき場所へ向かった、するとすぐに温かな湯気を立てている、木製のコップが私の前に置かれた。中の液体はハーブティっぽい香りがする。



「~~~~~~~~~~。」


 相変わらず何を言っているのかはさっぱりだが、飲んでもいいということなのだろう。


 一口飲んでみると、熱い液体が喉からお腹へとゆっくり流れ落ちていく。それと同時に、張り詰めていた糸がふっと切れたように感じた。


 それから、私はこの家で過ごすことになった。


最悪、野宿も覚悟していたが、どうやら屋根の下で眠れるらしい。ありがたや、ありがたや。



                ◇◇◇


 軽快な鳥のさえずりとともに目を覚ます。


 一瞬ここはどこだと思ったがすぐにあぁ転生したんだったと思い返す。

 蜘蛛の巣の張られた天井に硬い藁?かなんかの布団だが野宿じゃないだけ本当にありがたい。


 昨日は少ししたらここに住んでいる女の人の夫らしき人が帰ってきた。女の人と少し会話をした後にすごく驚いた顔でこちらを見てきたので軽く会釈をしておいた。


 そのあとに大きなベッドへ行き、みんなで川の字になって眠った。

 ので、今周りに誰も寝ている人がいないというのは、私が寝坊したということだろう。


 やばいやばいと急いで起きるとリビングで女の人が掃除をしていた。


「すみません。おはようございます。」


「~~~~。~~~~~。」


 相変わらず言葉はわからない。一晩たったしもしやとも思ったが、そんなことはなさそうだ。


「~~~~~~~。」


 指をさしながら何かを言っている。そして指の先にはご飯があり、スプーンを渡してくれた。


 食べてもいいのだろう。目の前には結構質素な見た目の、パンとスープがある。椅子に座り、いただきますと一言言いながらパンを口に運ぶ。


 一口かじろうとすると、パンが異様に硬い。歯が折れるのではないか。


 そういえば確かこの時代って、パン窯は共有で使うから、一度にたくさん作っても保存ができるようにパンが固いって、聞いたことがあるぞ。

 私はそういう昔の雑学とかはそこそこ詳しいのだ!


 このままだとパンは固くて食べれそうにないが、スープに浸せばふやかせれば食べれるだろう。

 パンがふやけるぐらいまで浸し、口に運ぶ。



 …う゛ぅん。せっかく作ってもらってるところ申し訳ないが、味が薄い。本当に薄い。

 例えるならば、野菜を切って、水で煮込みました。みたいな


 でもありがたいし食べるよ!



 ありがとう!オイシー!


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