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エヴォルブ・サバイバル  作者: モチモチ大福
第一章 進命の泉
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第二話 初戦闘

 グラグラグラグラッ! ポツ、ポツポツ、ポツポツポツ、ザー! ピカッ! ゴロロッドガンッ!


「始まった……まさに天変地異といった感じだな。至る所でとんでもない地震が起き、激しい風と雨、雷もそこら中で鳴り響いてる。これは地球ごと変異しているのか?」


『はい、地球も変異後は既存の地形がほとんど崩壊し、何倍もの大きさへと拡大するでしょう』


「現代世界に転生したけど、そこまで変わるともはやファンタジー世界だ」


『マスターも悠長に眺めている暇はありませんよ、マスターにも他の生物同様変異進化が起き、それに加えここからも脱出しなければいけません』 

 

「そうだな、気合い入れろ〜俺」


 俺は、ヒレで頬を叩き気合いを入れ直す。


ドグンッ! ドグンッ!

 

 俺の心臓が突然大きく鼓動する。 


〘世界より通告、これより地球は変わる。短き終末を迎え新たな星へ生まれ変わるのだ〙


 世界中にそんな言葉が響く。


『変異が始まります、生まれ変わった新世界でお会いしましょう』


「あぁ、新世界で会おう!」 


〘全生物の変異が始まります〙


 そんなアナウンスを最後に俺の意識は途切れた。



 


 地殻変動と豪雨は、周辺の地形を大きく変え、水たまりに横たわる小さな魚を水の流れるままにどこかへ運んだ。


「ッ!」


〘マスターの意識覚醒を確認、システム保護モードを解除します〙


「変異は終わったのか?」


『おはようございます、マスター』


「あぁ、おはよう」


『無事全ての変異が終わりました。マスターも新たな姿を見てみては?』


「その前にここはどこだ? まさかまだあの水たまりじゃないだろうな!」


『周りを見てみてください、マスター』 


 システムにそう言われ、周りを見渡す。


「広い! 深い! 沢山の生き物がいる!」


『ここは地殻変動によって出来た地底湖、水深もあり広さもある。他の変異生物も豊富に生息しています』


「よっしゃ! とりあえずの危機は回避したぞ!」


『それでは、ステータスを確認しますか?』

 

「そういや、俺も変異して強くなったんだよな。どれくらい変わったんだ?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〈名前〉未定

〈種族〉変異ハクギョ(幼体)

〈性別〉オス

〈階級〉一般獣

〈ランク〉1級 


【スキル】

呑喰Lv_、変異した魚鱗Lv1、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これが変異後のステータス、最初見た時より色々項目が増えてる」


『階級は、変異生物の強さを大きく分けたもの。ランクは、階級の中の細かい強さ分けです。ランクを上げていけば階級が上がりより強くなれます』


「なるほど、ランクはどうすれば上がるんだ?」


『ランクは変異生物を倒したり捕食する事で上がります。また、変異元素と呼ばれるものがこの世界に生まれ、自然に宿りました。それが集中的に宿ったものを捕食したり吸収する事でもランクを上げることが出来ます』


「ふむふむ、基本的には他の変異生物を倒しながら、変異元素が宿ったものを探すことが基本の行動になりそうだな」  


『次に、スキルの説明をします。スキルは変異生物なら誰でも持ってる特別な力です。力の種類は様々で、状態異常を起こすスキルだったり、精神に干渉するスキルだったり、スキルは生前から持っていた能力や得意だった事が強化されたモノの場合が多いです。マスターの場合は、変異で大きく変わったのが鱗だったので変異した魚鱗というスキルを獲得したのだと思います』


「じゃあこの呑喰っていうスキルは?」


『呑喰、これはマスターの固有スキルです。固有スキルは、身体機能から派生しない特別なスキルです。こちらも種類が様々で、普通のスキルより特殊なスキルが多いです。呑喰の効果は、捕食した相手の変異元素を完璧に吸収し、捕食した変異生物のスキルを奪います』


「めちゃくちゃ強力なスキルじゃねぇか!」


『固有スキルは、こういう効果のスキルが多く、固有スキルを持っている変異生物は間違いなく強くなれます。あと、一応変異した魚鱗についても解説しますね。変異した魚鱗は、常時発動しているスキルで、鱗の防御力を高め相手の攻撃を防ぎます。しかし、酸や強力な貫通攻撃には気を付けてください』


「ありがとう、肝に銘じとく」 


『解説はこんなところでしょうか』


「最後に自分の姿を確認してから動こう」


 俺は、見える範囲で自分の姿を確認する。


 全身が白い……ちょっと角度によっては金色も見えるか? 目の錯覚かもしれないけど。

 体型は、ベタっていう魚に近いな。ヒレが大きくて我ながらかなり綺麗な身体だ。


「よし! じゃあ確認するべき事も確認したし、行ってみるか初戦闘!」


 俺は、その場を離れちょうどいい戦闘相手を探す。



❖ 

  

 

「ピュシーピュシー」


「チキチキ!」


「チキッ!」


 ん? なんの声だ。


 戦闘相手を求め、泳ぎ回っていると、水底から何かの争う鳴き声が聞こえた。


 危険かもしれないが、行ってみるか。


 俺は、声の主を確かめるため発生源である水底に向かう。

    

「チキチキ!」


「ピュシー!」


 あれは、小さな魚とエビ? 

 ふむ……両者共に疲弊気味、簡単に奇襲出来る状況……。


「こんなチャンス逃す手はないよなぁ! 漁夫の利じゃ〜い!」


 俺は、疲弊の酷い魚の腹に噛みつく。


「ピュシーーー!」


「チキチキ!?」


「チギチギ!」


 このまま、噛み……千切るっ! 


 俺は、小魚の腹を噛み千切った。

 

〘変異タナゴを倒しました。変異元素を獲得しました。ランクが4になりました〙


「続けてエビもいただきま〜す!」


 俺は、困惑していたエビ達を丸呑みにする。

  

〘変異クロカワエビ×4を倒しました。変異元素を獲得しました。ランクが9になりました〙

 

 ふははは、卑怯とは言うまいな。

 この世は弱肉強食、勝者こそ正義! 

 経験値うまぁ〜! 一気にランクが上がった。


『初戦闘、無事勝利ですね。この調子なら進化もすぐです』


 何かランクが上がって身体が大きくなったか? 少し身体を動かす感覚が変わった。

 それと、戦闘への躊躇いはなかったな。他の生物を殺し喰らう事にも、何も思わなかった。死んだ事を自覚してるからか、それとも心まで変異生物と化したか……。


「まぁいい、躊躇いない方がやりやすいし、無駄に悩まず済む。それじゃ、小魚も食べとくか」


 そう言って、俺は倒した魚を捕食する。


〘固有スキル呑喰が発動、変異タナゴの捕食によりスキル変異した魚鱗を喰奪しました〙

〘既に所有しているスキルの為、所有スキルに統合されます。熟練度が一定に達しました。スキル変異した魚鱗のレベルが3になりました〙


「お、新スキルは獲得出来なかったけどスキルのレベルが上がった。こんなふうに発動するのか、これから新スキルを獲得するのが楽しみだ。そういや、エビを食べても呑喰のアナウンスがこなかったが……」


『変異元素は確実に手に入るのですが、スキルは運でして。手に入る時もあれば手に入らない時もあります』


「なるほど! まぁ、毎回手に入れられたら強力なスキルすぎるし、そういうデメリットっていうか制限はあるよな」


『この後はどうしますか?』


「う〜ん、しばらくランク上げかなぁ。他にやる事もないし」


『変異元素が宿ったものに近づいたらお知らせします』


「ありがとう、助かる」


 そう言って、俺は再び地底湖の中を泳ぐ。 


  

 

 

 数十分後……。

  

 今のランクは13、順調に成長しスキルのレベルもまた2レベル上がった。けど、今の所新たに獲得出来たスキルはない。


「う〜ん、変異生物はたくさんいるんだが、どれも似たような魚ばかりで、しかも大半が俺より弱い。ランクも、同じ変異生物は上がりにくいのか、バンッと上がらなくなったし、変異してから数十分で早くも成長の速度が落ちてきたな」

 

『陸上を移動できたらいいんですけどね……』


「まじでそれ、水中に縛られてるのが俺の成長を妨げてる」


『……これはあんまりいいたくなかっ……っ!』


 ジャバンッ!!


「何だ!? めっちゃデカい音がしたぞ!」


 システムが何か言いかけた時、突然水面で大きな水しぶきが上がった。  

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