ネガティブ令嬢は婚約指輪を迫られる
幼いころに付けられたあだ名は、泣き虫、ネガティブと付けられていた。
そんな自分に情けなく思う度に自信も無くなり、人目を気にするようになった。
私に友人はいたのだろうかと振り返ると、そこにはたった一人を除いて他に誰もいなかった。
「おーい、スキラ?何そのうわの空」
ちょうど春の入り目なのか少し寒さがあるがお昼ということもあり少し暖かい時間だった。
伯爵の落ち着いたガーデンでオレンジのハーブティーとお菓子を添えて友人、伯爵令嬢リーナと
2人で悩み相談をしていた最中にまた考え事をしてしまっていた。
「また何かいつもの考え事?」
「違うよ」と言うがスキラは少し苦笑いをしながらオレンジ風味のハーブティーを少しだけ飲む。
「どーせしょうもないこと考えて、結局夜泣くんでしょ?ほら言いなって」
「あはは...はぁ」
そう彼女は少しどころか明るい一面がない超が付くネガティブ令嬢なのだ...。
「そういえばさ、スキラは誰と結婚するの?」
急にいわれた『結婚』という言葉にほど遠い彼女は少し前まで冷静さを取り戻しつつあったが、慌ててしまい、目尻に涙がたまってしまった。
「はわわ...」
「あんたまさか一生独り身なんじゃないわよね?」
もちろんそのつもりとは言いずらいスキラはつい最近20歳という年を迎えてしまっていたが、生まれてこの方男性との付き合いが一ミリもなく、そんなことないよと目でリーナに訴えるが
「スキラ、あなたは昔から内気な性格だから男性との付き合いは少し難しかったかもしれないけど、私も一応あのアホの婚約してるから、スキラ、あなたにも将来は幸せになって欲しいから私も真剣に手伝うから頑張ろうね」
「いつもこんな私でごめんね...無理はしなくていいから」
「何いってるの?ガンガン行かないと将来大変だよスキラ、そうだ今度「王国流男の落としかた」の本を貸すからちゃんと勉強しなよ?」
すると後ろからポンッと頭を少し撫でられ振り向くとそこには王国の剣と言われている公爵の公子リジエントがいた。
「駄目だよスキラには刺激が強すぎる」
またしても驚いたスキラはどこか逃げ場がないかキョロキョロと目を泳がせ、口をパクパクさせてしまう。
「何?リジエント、あなたいつでも来ていいって言ったけどやけにスキラがいる時にだけくるわね。呆れた、私は邪魔者ですか、ハイハイ...」
といってリーナはガーデンの散歩に行ってしまった。
「まって...」と虫の息のような小さい声をスキラが発するがリーナに届くわけもなく。
リジエントはスキラの正面に座り、真剣な表情で私の顔を見つめた。
「スキラ、これを受け取ってくれるか?婚約指輪だよ1週間後には結婚しよう」
驚きの連続でスキラは青ざめた表情で
「え...どういうことですか?リジエント様」
「そのままの意味だよ小さいころから一目惚れなんだ、父を説得するのに時間がかかったんだ。本当はすぐにでも結婚したかったけどね、その泣きそうな瞳が僕を夢中にさせたんだスキラ」
この前まで友人相談の中で準友人候補のリジエントは実際では6回ほどしか会ったことがないのにも関わらず、婚約を迫われしまい。
今、ネガティブしか取り柄のないと思い込んでいるネガティブ令嬢は人生最大の危機に落ちてしまう。
処女作です
いろんなアドバイスが欲しいのでコメントお願いします。<m(__)m>