第八話 記録魔法
俺は大きく深呼吸する。
次の瞬間俺は流れるような動作でアキュリスをホルスターから引き抜き手慣れた様な動作で的に狙いを定め右端の的から順にド真ん中を打ち抜いて行く。
アキュリスの消音効果はオフにしてあるので銃声が連続で鳴り響いて行く...
「ふ~」
そして俺は発砲を止め10発全部が当たっているのを確認し安堵した。
「ふ~久しぶりに打ったから少し鈍ったかもな...」
「...」
俺は慧の方に目をやったが慧はきょとんとしたような顔をしていた。
それに加え周りの人も目を見開いてこっちを見ていた。
所々から「す、すげー」や「あの人確かDランクの人だよね」などの話し声が聞こえた。
よく見たら先生も驚いている。
これはまずいなやり過ぎた気がする。
慧が我に返ったのか俺に慌てて言葉を交わしてくる。
「か、夏月射撃できたのか!?」
「あぁまあな、戦闘に役に立つ技術は結構自信があるんだ」
「マジかよ」
俺が何をやったかと言うとまず身体能力を脳のスペックだけを強化してその後普通に狙撃をした。
言うだけなら簡単だが我ながらかなり高等なテクニックだと思っている。
まず異能者の基礎身体能力強化の強化は範囲を狭める程その分強化値が高くなる。
これを部分強化と言うのだがこれ自体かなり高等な技術で多分1年生の中でAランクを含めて出来る人は俺だけだろう。
俺は狙撃技術にもかなり自信がありこれに関しても学年1位はないが3位内に入れる自信がある。
だから正直部分強化をしなくとも全的のド真ん中に当てる位は出来るがやはり技術は使わないと鈍るのでいい機会だったので使ってみたのだ。
他にも色々戦闘技術はあるが何故俺がかんなことが出来るかと言うと記録魔法の応用だ。
記録魔法で見たものを情報として自身の肉体に刻む事で技術や技の習得を加速させることが出来る。
記録魔法は基本無機物に情報を記録するのだが、有機物でも俺自身にだったら使えるのだ。
しかし弱点もあり流石に一度見ただけでその技を使える訳がなく、そもそもその技や技術を仕組みや理を理解しないと使えない。
あくまで加速なのだ。
それに体に記録した情報は使わないと劣化していく。
俺はこの技を記録魔法と名付けた。(中二病)
まぁだが俺が通用するのも恐らく2年生の中盤当たりまでだろう。
俺が記録魔法出来るのは技術や技術的な技なので勿論異能や魔法などはコピー出来ない。
そもそも高ランクの異能はコピーや強奪に絶対耐性があるのだが、詳しくはまたの機会で説明しよう。
俺は技術面で追いつかれれば本当の落ちこぼれになるだろう。
「約束の事は気にするな貸し一つ適度に思ってくれればいいさ、それより射撃のコツとか教えて欲しなら今度教てようか?」
「すまない、ありがとな絶対にお礼はするよ」
「でも調子に乗ったキャラが酷い目にあうのはラノベの定番のようなものだから次から気をつけろよ」
「あぁ分かったそうするよ」
俺達は少し目立ってしまったのでその場から急いで退却した。