第五話 軍事学園の授業
「よぉ夏月、今日は少し遅かったな」
一人の青年がこちらに向かって近ずいて来た
「あぁおはよう慧」
こいつの名前は進藤 慧、茶髪に水色の瞳でそこそこのイケメンで何を隠そう我が親友だ。
慧は俺と同じ中学出身で同じくDランク異能者だ。
因みに1ーDは俺と慧の二人しかいない。
Dランクはかなり珍しいのだ。
「ん?どうした浮かない顔して?また毛虫が飛んできたのか?」
「ふざけんな、ちげーし」
てかどれだけその話広がってるの?!ちょっと怖いんだけど。
「...実はかくかくしかじかなんだ」
「アニメでもないのにかくかくしかじかで理解できる訳ないだろ」
いやそこは理解しとけよ話が進まないだろうが。
俺はそんなボケをしながら慧に朝の事を説明した。
「おいおいAランクと接触して大丈夫かよ」
「仕方ないだろ知らなかったんだから」
「知らなかったですめばいいんだが、頼むから俺を巻き込むなよ」
よし決めたその時はこいつも巻き込もう
「それと一限目って何だっけ」
「一限目は魔法学だぞ教科書持ってきたか?」
「えーとちょっまて」
そう言って慧はカバンをあさり始めた。
「あ、ごめん無いわ」
流石は我が親友アホだな
「はぁ~まったくお前は、俺の貸してやるよ」
「お、良いのか?」
「今日する分は既に覚えたからな」
「流石っす憧れるっす夏月さん」
「勝手に言ってろ」
因みに1ーDは人数が少ないので1ーCと基本合同事業だ。
「~であるからにしてそのため~」
ただ今魔法学の授業中である。俺は魔法学の知識だけは多少自信がある。
魔法が使えなくとも魔法の対策をするには魔法の知識が必要だからな。
今しているのは魔法の詠唱についてだ。
詠唱は口に出さずとも黙読でも可能だが体内の魔力の動きで魔法を使おうとするのが分かるのだ。
基本詠唱は長ければ長いほど魔法の質が上がるのが特徴だ。
大体詠唱が長いと強力な魔法なので詠唱中の敵を速やかに叩くのは戦闘の基本だ。
当たり前だが強力な魔法はその分消費する魔力が多くなると同時に魔法を制御する難易度も使う魔力と比例する。そのため魔力と適性と知識がある=魔法が使えるではないのだ。
それでも使おうとすると大体暴走して自滅する。
「ん~退屈だったな~」
「確かに退屈だが覚えないと戦場で死ぬだけだからな」
「おいおい怖いこと言うなよ」
我が親友は相変わらずのんきなものだ。
それが良いところでもあるのだが。
その後俺達は難なく他のデスクワークの授業を乗りきって行った。
「よ~し飯だおい夏月飯食いに行こうぜー」
ただいまの時刻は12時半だ今日は給食でも食べようかな。