第三話 登校(下)
王都は基本西洋の街並みを再現した建物が並んでいる。
勿論全てが西洋風と言うわけではない所々近代的な建物もちらほら目に入る。
あくまでも再現なのだ。
だから普通に車も走るし信号機もある。
そんな事を考えていたら駅が見えてきた。
アパートは第三学園からそこそこ遠いので電車登校をしている。
異能者の基礎身体能力強化をフルで使えば20分位で付くがそんな事したら軽く捕まるのでしない。
公共の場で正当な理由もなしに攻撃魔法や異能の使用は法律で禁止されている。
我が親友が昔やって捕まって罰金されたのを目の前で見たことがある。
勿論全力で他人のふりをした。
ん?あの子こんな所でウロウロしてなにをしているのだろう?
俺の目線の先には第三学園の制服を着た女性が周りをキョロキョロと見渡している。
金髪で緑色の瞳をしていて一言で言うと美人だ。
まぁ、なにやら困っているみたいだし取り敢えず話かけてみよう。
「あの~どうかしました?」
「え!?あ、その制服...すみません風邪で寝込んでて試験の時も一度来たのですが私少し方向音痴で...」
第三学園は入学式があった日から既に1週間ほどたっている。
「あ~なるほど、もし自分でよろしければ一緒に行きます?」
「あ、ありがとうございますお願いします!!」
美女がかなり大きな声でお礼を言いながら頭を下げて来たのでかなり驚いた。
「君...えーと」
「あ、私はアリス・エリミーナと申します!!き、気軽にアリスとお呼び下さい」
「分かりました。自分は七星 夏月と申します。呼びやすいように呼んでくれて構いません」
「はい、よろしくお願いします七星さん」
「此方こそよろしくお願いします。それとこっち方面から学園に通う人あまりいないから早めに道覚えた方が良いですよ。」
「どうしてですか?」
「こっち方面の人は第三じゃなくて第二学園に通う人が多いんですよ。そっちの方が近いので。」
俺のアパートからでも第二の方が近かったりする。
俺の知っている限り俺以外で目の前の子は別としてこっち方面から通っている人は1人しか知らない。
「やっぱりそうなんですか最近引っ越して来たばかりなのであまり詳しくなくて」
「やっぱりですか納得しました」
「はい、なので色々教えてもらえると助かります」
「自分でよろしければ出来るだけ手を貸しますよ」
「は、はい///」
お、顔が赤くなったなこれが俗に言うチョロインという奴なのだろうか。
いかんいかん、それは流石に失礼過ぎる。
だんだん校舎が見えてきた。
あ~やっぱり学園はダルい。
「あ、そろそろつきますよ」
「学園生活とても楽しみです」
あ、この子優等生タイプだ眩しいな。
毎日投稿すると言うわけではないのですが出来るだけ間を開けないようにします