第二話 登校(上)
ドンッ...俺はアパートのドアを勢いよく開けた。
春の生暖かい風と共に桜の花びら数枚が飛んでくる。
もうすぐ桜も散り時か...
因みに去年は桜の花びらではなく小さい毛虫が飛んできた。
「あ、お兄ちゃんおはよー」
「あぁ桃花か、おはよう」
「そっちも今から学校か?」
「うん、そうだよ。お兄ちゃんも軍事学園がんばってね」
この子は名前は、藤堂 桃花一人暮らしをしている俺のアパートの向かい側の一軒家に住んでる女の子で黒髪で黒い瞳でポニーテールで顔はそこそこ整っており年齢故に美人というより可愛いという印象を思わせる。(これでツインテールだったら妹キャラとして完璧なんだよな)
桃花は俺より3つ下の中学1年生だ。
この子が幼いときに家の近くで迷子になっていたので助けてあげたら懐かれた。
勿論血は繋がっていないが実の妹のように接している。
逆に桃花も俺の事を兄として慕たって...
「ぷぷ」
「ん?いきなり笑ってどうした?」
「お兄ちゃんが前にここで「ウギャー毛虫イヤだぁぁぁ」って発狂してしばらく近所の笑い物になってたのを思い出しちゃってついつい」
...コイツ本当に俺の事慕ってるのか?
「ナンノコトダカワカラナイナ(棒&白目)」
「あっそうだお兄ちゃん今日何時位に帰って来るの?」
「今日も5時半位かな。今日も勉強教えて欲しいのか?」
俺はたまに桃花に勉強を教えている。
人に教えるのって結構楽しかったりしているので大歓迎である
「それもあるけどお兄ちゃん最近ちゃんとした食事とってるか心配なの」
俺は料理が出来ない訳ではないのだが性格上めんどくさくて最近ほとんどインスタントですませている気がする。
「確かに最近少し」
「少し?」
「すみませんほとんどインスタントですませてます」
妹に説教されそうなのでここは無理やり話題をずらす。
「そういえばこの前やって来いって言ったところちゃんと予習したか?今日聞くからな」
「お兄ちゃん...妹に説教されそうになったからってそれはズルいと思う」
あ、ダメだ読まれてるここは逃げるしかない。
「ま、まぁ行ってくるよ桃花も学校遅刻しないようにな」
「え、ちょっお兄ちゃん?!」
俺はその場から全力ダッシュする。逃げるんだよぉぉぉぉ
「い、行ってらっしゃーい」
俺は桃花に軽く手を振りながら学園に向かう。
うぅ...毛虫を想像したから鳥肌が止まらない...
この世界には異能を持つ異能者と異能を持たない普通の人間もいます