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○白いパン
焼いた皮は小麦色でも、中身が真っ白いパン。つまり僕らが普通に想像するパンのことです。
ライ麦パンなどは中身は白くありませんし。
ちなみに「中世ヨーロッパではパンはご馳走」説というのがありまして、その説では何パンだろうと贅沢品とされます。それを踏まえると「人はパンのみに生きるにあらず」も「パンとサーカス」も意味がまったく変わるような? その説ではパン=グルメですからね。
○ローマ帝国
やっとでてきましたローマ帝国問題。
中世ヨーロッパファンタジーで避けて通れないのがキリスト教、ローマ帝国、民族大移動、地中海の四つだと思います。
特にローマ帝国はヨーロッパに石造りの建築方法を伝来し(北ヨーロッパはローマ版図に組み込まれなかったので木造のようです。漫画「ヴィンランド・サガ」は11世紀の北ヨーロッパの話ですが、建物は木造ばかりの描写です)、ヨーロッパ全体の地図を作り、大きな街道も設営し、全ヨーロッパに数多くの知恵と文化的共通項を残しました。
ローマ帝国が東西に分かれた後もヨーロッパは東の方ばかり見て生きることとなります。
ローマ帝国がなければコウたちのいる王城も木造建築の可能性が高くなります。
民族大移動もゴート族、サクソン人と何度も……というか日常的に続いているので、ヨーロッパは常に北東からくる民族に怯えていたはずです。
地中海は外海に比べれば圧倒的に航海がしやすいですし、地中海での交易はヨーロッパに大きな恩恵を与えたと思われます(その割にはアフリカ大陸はずっと放置なのが謎なんですが。この辺が東だけを見ているという論拠です)
そもそも、地中海が無くても地中海性気候になるんでしょうか?
キリスト教が大影響を与えているのは論じるまでもないと思います。
しかし、これらを深く突っ込むのは一般的な異世界物の作法ではないのでふわっと扱っています。
○ネーション家
リーンの家名ですが……この時代のフランス人(西フランク人)は苗字が無かったそうです。カール大帝ですら家名がないのですから、無いのが普通なのかもしれません。
でも……まあ……無いと寂しすぎるので家名ありとしてます。
ちなみにリーンの称号名はカーです。




