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○生ですから~
枯らした麹で作る場合との区別です。
通常は麹2:豆2:塩1の比率になります(簡単すぎる比率です。これだと塩が多めになります)
生麹なら乾燥麹の1.5倍するそうです。
○表面を平らにならし、塩を~
普通は上記の比率の塩から、このふた用の塩をより分けます。
○たまりと呼ばれる~
このたまりがどうなるのか調査できませんでした。おそらくは蒸発と思われるのですが……。たまり醤油とは別物のはずです。
○醤油の材料比率
創作です。
比率はたまり醤油を造るときのものを参考にしました。そら豆の場合は比率が違うかもしれません。
○この後、低温で三週間ほど~
この工程はそれなりに難しいようです。
そら豆醤油造りの肝はここが全てのようです。どの段階で温度を変えるのかが匠の技となるのでしょう。
まあ、本作では多少失敗しても大惨事にはならないとしてます。
○日に二、三度~
これも創作です。
どのくらいのペースでかき混ぜれば良いのか解かりませんでした。
頻繁にかき混ぜると雑菌が怖いですし、少ないと粘度があがって均一に発酵しなくなるはずです。
○チラシの裏
大豆だけで造る醤油は、たまり醤油と呼ばれています。
我々が日常的に使っている醤油は二割程度は小麦が原材料で、大豆百パーセントではありません。
これは小麦を追加して香りや味を付ける目的もあるのですが、たまり醤油を造るのに時間がかかるのも理由のようです。
小麦を追加した醤油が一年程度で完成するのに対し、たまり醤油は数年の熟成期間が必要となります。
色々と調査した結果、たまり醤油に数年かかるのは粘度が高すぎるせいだと思われます。
かき混ぜることで均一に発酵が進むようにするのですが、粘度が高くなりすぎるのでかき混ぜれないそうです。
※ 作者独自の見解です!
同様の見解はいくつか拝見させていただきましたが、正しい見解なのかは断定できません。事実ではなく、一説程度に思ってください。
現在の科学と技術力なら、二十四時間休み無く攪拌し続ける貯蔵槽とか作れるはずなんですよね。
じゃあ、そら豆は大丈夫かと言われそうですが、問題ないようです。
本作の醤油造り工程は『株式会社高橋商店』様のHPを参考にさせて頂いてます。
攪拌可能なのも、半年程度で完成するのもこちらで調べさせてもらいました。
ちなみに小麦だけでも醤油は出来るそうです。
小麦で造った醤油は白醤油と呼ばれ、透明な液体になるそうです。彩りを考えた料理で使用するのだとか。もしかしたら、小麦だけで造る味噌もあるのかもしれませんね。
現在では醤油用と味噌用の麹は全くの別物のようです。
本作の麹菌は典型的な味噌用麹をモデルにしていますが、醤油用はかなり性質が違います。
まず、適切な温度がまるで違います。醤油用麹の大半は適切温度が二十度台だったりします。
細かく言うと味噌用麹も個々に最適な温度は違います。麹Aは三十五度で、麹Bは三十七度などと個性があります。
ただ、日本でどこのご家庭でも自家製味噌に醤油を使っていた頃は、同じ麹菌で醤油と味噌を造っていたと思われます。
また、大量の塩でも死なない麹菌も同時に含まれているそうです。この死なない麹菌や乳酸菌が寝かしのときに味を複雑化させるそうです。
一口に麹菌といっても、それだけでは大雑把過ぎる分類なのでしょう。
味噌用の違いは個性レベルですが、醤油用との違いは種族が違うとしか思えませんし。




