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I am so happy.  作者: 物怖じ
2/12

少年を拾いました

「はぁ」



空を見上げるともう真っ暗で、でもビルのせいで星がまったく見えなくて、星のかわりにネオンの輝きで私の歩く道は照らされている。

いつもならこんな所を通らない。ああ失敗した、そう心の底から私は思った。

あっちこっちから勧誘の声が聞こえる。私は少し歩くスピードを上げた。

これも全てあのハゲ上司のせいだ。何の嫌がらせよ、見たい番組あったのに、私は嫌な気分を振り払うためビールを買いにコンビニに寄ろうとした。が、私はコンビニに向かっていた足を止め、ある1点に目線を向けた。



「・・・何だよ、見てんじゃねーよ、おばさん」



道に座り込んで壁に体をあずけている少年、いや、青年かもしれないが、私はおばさんという単語を気に止めながらもその少年の腕や足を見た。

傷が深いのかとめどなく血が出ていた。



「あなた怪我してるじゃない!!私について来なさい、傷の手当てしてあげるから」



私は強引に少年を立ち上がらせ、あっけにとられている少年の怪我のしていない方の腕を掴んで歩く。

ビールを買うのはまた今度にしよう、今はこの少年の手当てをしなければ。ちらりと少年を見る。身長は私と同じぐらい・・何才だろう、こんな時間に外にいて親は心配しないのだろうか。

そんな事を考えていたら私の住んでいるアパートについた。

私は少年を家に上がらせ、傷の手当てをする。



「ナイフで切られたんでしょ?こんな時間にあんな場所にいたら危ないんだから、これからはちゃんと家に帰りなさいよ。それでテレビでも見てなさい」

「・・・・・・・・」



少年は何も言わない、はあ、心の中でため息を吐いて、作業に集中しようとした時。



「・・・家に帰りたくないんだよ」

「えっ・・?」

「だから、家に帰りたくないんだよ」



この少年はどうやら訳ありのようだ、はあ、再度心の中でため息を吐いてから、少年の方に顔を向けた。



「・・そう、詳しくは聞かないけど、それでも駄目でしょう?こんな時間に出歩いて、あなた補導されるわよ」

「・・・・・・・・」



少年は苦しそうに顔を歪ませた。それが、あまりにも苦しそうで見ていられなくて、私は慌てて話をかえた。



「えっと、お腹すいてない?私晩ご飯まだなのよ、よかったら作るけど・・・食べる?」

「・・・・・食べる」



よかった、さっきの無表情に戻ってしまったけれど、苦しそうな顔よりはマシだわ、私は少しほっとした。

冷蔵庫の中を見ると、調味料、卵、鶏肉、昨日の残ったご飯、この材料だとオムライスかしら。



「ねえ、あなたオムライスでも大丈夫?」



少年は少ししてから首を縦に振った。私は少年をイスに座るように言ってからオムライスを作るための材料を冷蔵庫から取り出した。



少年はもくもくとオムライスを食べている。



「あなた、名前なんていうの?」

「・・・亘、あんたは?」

「私?・・綾女よ、好きなように呼んでくれていいから」

「・・んじゃ、綾女さんで」



少年、もとい亘くんは意外にも礼儀正しい子のようだ。



「これ食べたら家に帰りなさいよ、亘くんが帰りたくなくても両親がきっと心配してるわ」

「・・・・・・・・」

「・・・・はあ」



亘くんの肩が一瞬揺れた気がした。



「家に帰りたくないなら、この家にいなさい、またあんな所に行かれるよりはマシだわ」

「え・・・?いいの?ここに居ても・・?」

「ええ、いいわよ、正し条件があるわ」

「条件・・?」



亘くんは片方の眉を器用に上げた。



「月に1回は家に帰りなさい、それだけでいいわ」

「・・・帰る!!ちゃんと月1で帰る!!」



亘くんはイスから立ち上がって私に言う。何でそんなに必死なのか不思議だが、ちゃんと月に1回帰るって言ってるし別にいいだろう、私はオムライスを1口食べた。



「これからよろしくね、綾女さん」



亘くんの表情を見て私は固まってしまった、亘うんと会って初めての笑顔。こんな顔も出来るのね、私はそんな事を思った。



「綾女さん、どうかした?」

「・・・何でもないわ」



私は残っていたオムライスを口に入れた。








こんな感じで大丈夫でしょうかっ!?

初の投稿で心臓がやばいです(汗)




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