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昔話

これは本編から少し外れ気味です。

今回は僕が間違えて5歳のころのエルおばぁちゃんを見てしまったので、ずっと前にエルがおばあちゃんから聞いた昔話から引用して。


「むかしむかし。神様はある星を守っておらっしゃった。その星は本当に平和な星でのォ。神様は暇で暇でたまらなかったんじゃぁ。だから暇な神様は星へ遊びに行ったんじゃ。そこである女の子と会うんじゃ。でなぁ女の子と恋に落ちてしまうんじゃ。でもいつも平和な星に危機が訪れた時まで恋にうつつを抜かしちょった神様はなぁ。星を救えなかぁった。女の子だけ助けて逃げ出したんじゃぁ。神は大神さまの怒りを買ってへんな惑星に飛ばされてもぉた。」

「なんでー?かみさまは、しゅきなこを、まもったんだお?」

「あぁ。けどな、そのため何十億人の命を犠牲にしたんじゃ。だからこの星に飛ばされた神は嘆いたが大神は心優しい人だったんでなァ。帰る星が亡くなった女の子と一緒に住まわせたんじゃ。その神と女の子の間には4人の子が生まれた。しかし全員女子おなごじゃった。神は力尽きる寸前に女子おなご全員の腹に子を宿して行ったんじゃ。そのこぉらがまた子を生し、子を生した末がワシらじゃぁ。その4人の直属の子が私たち一流貴族と呼ばれるものじゃ。」

「おばあちゃん、いみわかんなー。」

「そうやなぁ・・・。ちと、早すぎたか。ん・・・ま、覚えときたかったら覚えときぃ。」

「おばあちゃー、はよおかしちゅうだい!!」

「あいあい。ちゃんといい子にしてたから芋あげるサ。」


昔話終了です。何とも短い昔話ですがそういうわけです。で、神から生まれたこのよくよくの子というわきえでなんの偶然か子共の中でも一流貴族の一世代に一度ゴットアイが出る。そしてこの星は20年に一度の満月の夜に子供が生まれやすい性質にあるので、一世代は同じ日に生まれることが多い。そして目を開けたらゴットアイでした!!とかざらにあるのだ。で、それが今回ハカセだった、ということで別にそれはちょっと珍しいぐらいで、前はレーサーのお父さんがゴットアイだった。

ゴットアイとは持っているだけでは何にもならないが、目を見開くと半径何メートル以内にいる人はゴットアイの持ち主を神としてあがめるようになるのだ。それは1週間という期間の間だけだが、その間に自分の思い道理にすることなど余裕だ。昔はそれを使って神は政治を行っていたという。それが子孫に受け継がれゴットアイを持つ者は強制的に星の王になる。


通称ハカセ。スタディー君もそのゴットアイの一人だ。



「私は、七宝しちほう・レイウッドと申します。」

レイウッドはいつもと打って変わった表情でペコリと頭を下げた。それを見習って彼の友達もペコリと頭を下げた。

「・・・シチホー?こっちはスポーツ・レイウッドと聞いてたが?」

その途端レイウッドの顔は鞭で打たれたように怯んだ。そして蚊の鳴くような声で言った。

「それ、は・・・旧姓で。今は、七宝・・・となってます。」

「ふぅん。まぁ、いいけどね。空気ボンベジェル着けたらディスイートちゃんのところ行って。」

レイウッドの友達であるシーザー第2隊長は顔をしかめた。何しろ彼がスポーツの性を捨てたのは自分のせいでもあるのだ。同じ幼馴染の七宝・瑠璃と結婚することになって勘当されるきっかけとなったあの舞台。


彼は女役だったのだ。


もともと厳格な父のもとに生まれたレイウッドはあの美しい顔を生かせてなかった。

男子寮に入ってからは自由な暮らしをしていたが、問題は卒業パーティでのちょっとした舞台だった。

「なァ、その綺麗な顔生かしてみない?」

「気持ち悪いスカウトマンみたいなセリフだな、シーザー。今回のパーティーはお父さんも来るんだ。変なことは絶対しない。」

レイウッドは昔から綺麗な女顔を愛おしそうに瑠璃に向けて声を落とした。

「あと、パーティーが終わったら瑠璃にプロポーズしようと思うんだ。」

「プロ・・・!?お、お前・・・自分の年分かってんのか?」

「分かってるさ。法律では10歳から結婚できる。俺は15歳。余裕だ。」

「そういう意味じゃないっ!だ、だって何のためにエスカレーター式の小学校へ来たんだよ。」

レイウッドは瑠璃を見つめたまま来たくて来たわけじゃない、と呟いた。

「俺は実家があれだから銀河警察に就職なんかできないし、実家でも働かせてくらないだろうし、ちょいちょい働いて瑠璃と2人・・・子供ができたら3、4人で幸せに暮らしていけたらなァ。と思うんだ。」

「ふぅん。ま、じゃぁ女役よろしくな。」

「ああ・・・・。え?なんて?」

「言ったな。『ああ』って言ったな。良し、決定だ。おーい、みんなァ。レイウッドが女役やってくれるってよォ!!」


ともかく彼は輝かしい未来へ向って行っていたのだ。


「お前は・・・俺の子供じゃない!!俺とは血が繋がってない。だってお前はもう血の結晶で染まっているのだから!!」

「お父さん・・・。ま、待ってよ。俺が血の結晶で染まってる?確かに俺の血の約半分は血の結晶になってるけどよ、半分は・・・。」

「うるせぇ!理屈なんてどうでもいい。お前は、俺とどこも似てないじゃないか。俺の息子は、1000万と引き換えに死んだんだ。おまえは・・・いったい誰の子なんだ?レイウッド。明日から、スポーツの性を名乗ることは許さん。俺の息子、スポーツ・レイウッドは死に絶えたんだ。」

レイウッドは女役だった。お父さんはその姿を見て勘当を心に決めたらしい。レイウッドは涙を瞳に浮かべながらもうだめだと悟ったのだろう叫びだした。

「俺だって、好きでこの顔になったんじゃない!お父さんだろう?俺を売ったのは。お父さんが『銀河警察()サングレ()・プロジェクト』に俺を売ったんだろう?」

そう、レイウッドのこの顔には秘密があった。銀河警察は血の結晶によって魔力がアップするという研究結果を叩きだした。が、それはミュージック家以外にも効くのかどうかということが分からなかった。そこで実験をすることにした。それで選ばれたのがスポーツ家。ちょうど次男が生まれたばっかりで、長男はゴットアイ。・・・この次男ならもし死んでも誰も困らない。それが銀河警察の考えたところだった。なんて無責任な考え。しかし、結局次男は1000万を交換条件に引き取られ、魔力は徹底的に上がり可憐な顔をして帰ってきた。しかし、銀河警察は個人差があるかもということでまだまだ実験を続けていく・・・その3人目の犠牲者が、このポリウレタンだったりする。

父親は1000万を負い目に思った。それがこの勘当へつながったのかもしれない。


「俺は、レイウッドだ。スポーツ何てこっちから願い下げだ!!」

レイウッドは叫んで瞬間移動をした。


レイウッドは帰って来なかった。


一年後。ファントムさんを連れ立って帰ってきたとき、その眼は驚くほど父親に似ていた。


え?なんで僕がレイウッドさんの過去を知ってるかって?

そりゃぁ、僕らは同じ犠牲者だからさ。語り合ったんだよ。彼はその後31歳の時ファントムさんが作った不老の薬を飲んだから永遠の31歳なんだ。美しかった。

彼は言ったんだ。『君の美しさはおばぁちゃん譲りだね。エルに似てるよ。羨ましい。』って。

いつもよりポリウレタンがうざくて済みません。ここで出て来る『僕』はポリウレタンですから。

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