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異世界恋愛系 作品いろいろ

さよなら。あなたのこと、愛していました。

作者: 四季
掲載日:2026/06/09

 婚約を破棄する。

 あなたがそう言った瞬間のこと、今も覚えているわ。


 わたしたちは愛し合っているはずだった。だからあんな結末が待っているなんて欠片ほども思わなかったの。わたしとあなたの関係が砕け散る、なんて、そんな未来が訪れるなんて考えてもみなかったことだわ。わたしたち、いつまでも、手を取り合って歩んでいけると信じていたから。握った手の温もり、それは強靭な鎖。そう信じていたから。異なる道を行くことを選ぶ日が来る可能性なんて少しも考えてみていなかったの。


 今でも仲良しだった頃のことを思い出すわ。


 二人でいろんなところへ行ったわね。

 星たちの輝きに彩られた夜空を見上げたり、海辺で波と風の音を聞いたり、草木の多様な緑を数えたり、他にも色々……。

 あの頃はとても楽しくて。

 寒すぎてくしゃみが出てしまった時も、うっかり風邪を引いた時も、それでも楽しかったし幸せだった。

 でもそれはあなたがいたからよ。

 あなたの隣でならどんなことだって辛くはなかったし、困るようなことであったとしてもある意味楽しみながら乗り越えることができた。


 思えば、すべてが愛だった……。


 道を違えたわたしたち。

 異なる道を歩むことを選んだわたしたち。


 きっともう出会うことはないのでしょう。

 お互いどこへ向かうのかしらね。

 けれどそれでも命尽きる時までそれぞれの道を歩み続けることでしょう。



 ……もうじき、空が落ちてくる。



 さよなら。

 あなたのこと、愛していました。



◆終わり◆

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