表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

顔の在処

作者:山高帽
最新エピソード掲載日:2026/03/16
 映像ディレクターの野口渉は、スタジオの廊下でひとりの若い女優と短い言葉を交わす。

 「自分しか顔を履いていないので」

 その台詞だけが、帰宅したあとも渉の中に残った。

 数日後、過去に手がけた映像が賞にノミネートされ、その映像に一瞬だけ映り込んでいた女優・朔田玲への使用確認が必要になる。名前を知る前に顔を見て、顔を見たあとで名前を知る。仕事として始まった接触のなかで、渉は玲の輪郭に触れた気がする。だが近づくほど、「知っている」と「分かっている」のあいだの距離だけが、はっきりしていく。

 期待に応え続けることで見られてきた女優と、見る側に立つことで自分の輪郭を曖昧にしてきた男。

 承認が増えるほど、「自分」への承認はゼロに近づいていく。その構造の中で、ふたりがどこまで相手に届けるのかを、静かにたどる現代恋愛小説です。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ