46億年前
宇宙は狭くぶつかり合う岩石とガスの中、天地創造の折、我々の世界、地球は創成された。
激しい衝突を繰り返し作られ、摩擦により出来上がった地球は五つの卵を胎内に宿していた
それは星を魅せる龍。大地を統べる龍。大海を動かす龍。自然を司る龍。そして生命を創成する龍。
地脈が脈打ち、地球はそれぞれの卵を温めていた
しかしそれは起こる。何の因果か地球と同じ大きさの星がぶつかり、幸い崩壊は免れたが、粉塵として巻き上げられたそれらは新たな星を作り出した。後に月と呼ばれるその星には地球の種と別の星の種が融合したもう一つの龍の卵が宿っていた
初めに起きた龍は大地を統べる龍だった。
龍の名はアゼェル。大地を大きく動かし、地脈を整え、地球がゆっくりと冷えるのを待った
次に起きた龍は星を魅せる龍。龍の名はアストイヴス。
アゼェルが冷やしたことにより適正温度となり星から水を生み出す氷の固まりを宇宙から呼び出し、地球にぶつけた。
地軸はズレ、生命が活動しやすい速度までゆっくりと自転を落としていく
それにより周りに散布した水が地上に降り注げるようになり、やがて冷えた地球は大海を動かす龍を目覚めさせた。龍の名はレビィアン。
大荒れた大地の岸壁を削り岩石にあるミネラル成分を排出させ、地球の環境を大気が荒れ年中暴風と雨が吹き荒れる世界にした
無駄に岩石を削るレビィアンに怒りを覚えた龍が覚醒する。
それは自然を司る龍。名をロンドべェティ。
逆風と荒れ狂う嵐を作り、大気の流動を安定化させるよう促した
安定化した世界には、小さな開拓者が必要だった。そのために必要な条件を満たした世界は生命を創成する龍を起こす。その龍の名はマリアラム。
小さな微生物を誕生させ、海の安定化、水質の安定化を図る。
協力して大気によって巻き上げられた彼らを地上に運び、緑豊かな世界が地上に現れるのにそう時間は掛からなかった。
これが地球誕生から六億年の出来事
協力し、生命を増やしていったマリアラムとロンドベェティは何時しか恋仲となっていた。
二人で協力して作った子供達は、成長と共に進化をする速度がとてつもなく早かった。マリアラムはその進化に適応できるように生命が朽ち果てぬよう、永遠の命を吹き込んでいた。
マリアラム達に産み出された生命の世界は───